- 作者: ギャビンライアル,Gavin Lyall
- 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
- 発売日: 2002/04
- メディア: 単行本
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〈一人の男の墓碑に、この男は一万二千フランのために死んだ、と記してもだれもあざ笑うものはいまい。承知の上でやったことだと思ってくれるはずだ。一万二千フランというのは計算することができる。これでは少なすぎると言って断れば受け取らなくてすむ。
だが、カントンであるということは計算できない。計算ずくで後へ退けない。そのために、わずか一万二千フランのためとはとうてい考えられないようなことをする……〉
ああ、読んだ瞬間、身体中に電撃が走るのを感じ、あまりの格好良さと覚悟の深さに打ちひしがれたのだが、ここだけを引用しても、どうしてここがいいのか全く説明できない。ううむ、残念極まりない。
こういった小説は、今後も少しずつ読んでいきたいと思う。まだ自分の触れたことのないジャンルを読みたい。自分の知らないことを知りたい。
(なお、書影が出るのでこれにしたが、秋山が読んだのはハヤカワ文庫版)