2006-04-26 935『七姫幻想』 七姫幻想作者: 森谷明子出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2006/02メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (38件) を見る 中高時代、学校で習った古典の時代を描いた短編集。『小説推理』に掲載された七編の短編が掲載されている。話は連続しているわけでもなく、一部に共通する登場人物はいるが、脇役であったり名前が出る程度で、基本的には世界観と七夕・宮廷・恋愛といったテーマが共通しているだけ。読みながら落ち着いた筆致が『れんげ野原のまんなかで』の著者に似ているなと思ったら、読み終えた後に著者紹介を見て同一人物だと気づいた。非常に読みやすく、美しくたおやかな文章だった。 ことあるごとに和歌が用いられていたり、登場人物の大半が殿上人なので、とても煌びやかで雅な印象が残っている。話によってはミステリ的なトリックと、恋愛が直結していて非常に美しかった。