雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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1016『新潮 2006年01月号』

 第135回芥川賞候補作を読もう計画。
鹿島田真希「ナンバーワン・コンストラクション」三分の二まで読んだところで脱落してしまった。下手とも言える会話文ばかりの技法からはリアリティが感じられず、名文からは程遠いけれど悪くないなと思った。特に森博嗣好きにとってS教授とM青年の対話はもだえ苦しむほどに最高。少女が登場してからは、作品が自分の読みたいものから離れていって、三分の二のところで完全に乖離してしまったので投げ出してしまった。人を選ぶ。
島本理生「大きな熊が来る前に、おやすみ。」まるで芥川賞を狙いに来ているような作品だと思った。島本理生の作品は『ナラタージュ』しか読んだことがないが、あれよりずっと男性に歩み寄っているように読めた。男性が捉えやすい、理解しやすい女性性を主人公に与えているように読めた。しかも、そつなく上手い。芥川賞、取りそうだなあ……。