- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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なんと表現したら良いのだろう。途中までは割り合い面白かった。町田が舞台となっているのもあるけれど、ゆるーいテンションで繰り広げられるハードボイルドではない感じが好印象だったのだ。『池袋ウエストゲートパーク』や『インディゴの夜』の町田版とでも言ったらいいだろうか。いや、もっと落ち着いているけれど。
問題は終盤。正直、これを出されると、とても困る。309ページあたりから、もう厭で厭で、ページを繰るのをやめて、外に出て深呼吸したぐらい。困窮して、改めてそれまでの展開を思い浮かべたら、巧妙に仕掛けられたものが見えてきて、厭になった。本書は初三浦しをんだけど、きれいな表現で裏にある色々なものを隠すのが上手いなと思った。と言うか、その色々なものを思いつく時点で、なんかもう厭。困る、気づかなければ良かった。はあ。