- 作者: サリンジャー,野崎孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1974/12/24
- メディア: 文庫
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が、蓋を開けてみて、驚いた。少年の自意識であるとか、淡い初恋であるとか、そういったものを予想していたのに、全然、違っていて(いや、そういう作品もあるにはあるが)ほとんどは、何と言うか、異色作家短編集みたいな感じなのだ。本当、驚いた。よっちゃんは半分ぐらい面白いと言っていた(id:yoakero:20050302)が、本当に半分も楽しめたのだろうか。秋山は全然。全然、とは言え、これっぽっちも楽しめなかったと言うと、そうではなく最初に収録されていた「バナナフィッシュにうってつけの日」で、読み方を少し変えたらそれなりに楽しむことができた。具体的に言うと、表面を撫でるように、会話している人を想像して、彼らが実際に会話するのと同じスピードで読む。そうすれば、それなりにスタイリッシュな感じや、軽快な感じを楽しむことができた。けれど、楽しみ方としては違うだろうなあと漠然に思う。よく分からないが、もしかしてこの九つの短編は、別々の話のように見えて、裏ではすべて繋がっているのだろうか? 再読、再々読を要求する。