雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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1329『怪奇小説傑作集2』

怪奇小説傑作集〈2〉英米編2怪奇小説傑作集〈2〉英米編2
ジョン コリアー 中村 能三 宇野 利泰

東京創元社 2006-03
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 全体的に1巻より面白く読めた作品が多かった。年代の問題かもしれない。
ジョン・コリアー「みどりの想い」すごい。植物をして気持ち悪いと思ってしまった。何事も描写力次第ということを深く実感。
E・M・デラフィールド「帰ってきたソフィ・メイスン」捨てられた少女がどう化けてでるのか、それが知りたくてわりとやじ馬根性で読んでしまったが、中々、面白い一篇だった。
サキ「スレドニ・ヴァシュタール」短かったので気軽に読めたが、最後まで読んで、ちょっと古いなと思ってしまった。
フレデリック・マリヤット「人狼直球なタイトル、そして展開の読めてしまう物語。しかし、読ませること、読ませること。いつひどいことが起きるのか、手に汗を握りながら読んでしまった。面白かった。
S・H・アダムズ「テーブルを前にした死骸」これはすごい。延々と怪異現象を書き続けるだけの作品かと思いきや、ラスト三ページでいきなり謎が提示され、しかも速攻で解決されてしまう。すげーと叫んでしまった。
ベン・ヘクト「恋がたき」これもすごい。ある登場人物が狂人として描かれているのだけれど、もし彼が正気を保っていたならば、物語は百八十度、様相を変えるはず。素晴らしい技巧。
ヘンリイ・カットナー「住宅問題」傑作。耐えず嫌な予感を読者に感じさせつつ、ページを繰る手を止めさせない、絶妙なリーダビリティを持つ作品。最後のおかしいんだか恐いんだか、よく分からないほのぼのさも素晴らしい。ちょっと、日本の座敷童に似ているような気がする。