雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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うれしの荘片恋ものがたり

うれしの荘片恋ものがたり ひとつ、桜の下うれしの荘片恋ものがたり ひとつ、桜の下
岩久 勝昭

富士見書房 2006-06-10
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 一人暮らしを体験してみたくて立花山学園への進学を機に、寮暮らしを始めることにした甘利直志はそこで本多瀬名という美少女に出会い、一目惚れした。なぜ、兎のぬいぐるみが冷凍庫に入っていたのか? なぜ、森にワインの香りが流れたのか? なぜ、彼女は窓際の席を嫌がるのか? 身近にあった暗号などの謎を解いていった主人公は、やがて瀬名の謎に辿りつく。彼女の出生の秘密とは?
 長編という形式ではあるものの、前半には日常の謎がいくつか配されていて、テンポよく面白く読むことができた。うれしの荘という物語の舞台となる空間になっても、過去パートが語られはじめたあたりから時の重みが感じられるようになり、解決編において過去と現在が交差し、謎が解明されるシーンは美しくさえあったように思う。ちょっと米澤穂信氷菓』に似ているような気もする。中々、良質。