雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

青春時計

青春時計青春時計
川上亮 森橋ビンゴ 緋野莉月

富士見書房 2005-11-10
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asin:4829163259
 春休み中の高校で、聖司は慧という少女に出会う。校内にある時計塔の設計者を祖父に持つ彼女は、春休みが終われば海外の大学に進学するという。慧を好きになった聖司は、友人の駿介と共に彼女に提案する「時計塔の時計を修理しないか?」と。
 森橋ビンゴが聖司を、川上亮が駿介を、緋野莉月が慧を、と三人が三人の登場人物をそれぞれ担当し、一人称小説を書いているのだが、これが実にうまく成立している。時系列的には、三者ともが同じ時間を描いているため同じシーンが三回も繰り返されることになるのだが、章が進むごとに「見えてくる風景」が変わってくるのも興味深かったし、三人の絡み合う思惑も面白く読めた。もう本当に、物語とその構造、そして章ごとに作者を分けているという仕掛けが、うまく決まっているのだ。秀逸。