雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

うみねこの楽しみ方(予測)と幻想ミステリブックガイド

ひぐらしのなく頃に』で知られる07th Expansion竜騎士07の、この夏の新作は『うみねこのなく頃に』ということを今日、知りました*1。公式サイトをちらほらと見ていたら、興味深い記述があったので引用したいと思います。

犯人は魔女。アリバイもトリックも全ては魔法。
こんなのミステリーじゃなくてファンタジー!
あなたが悔し涙をぼろぼろ零しながら、そう言って降参するところが見たいのです。
私が期待するのは、正解に至る推理が現れることじゃない。
一体何人が最後まで、魔女の存在を否定して、“犯人人間説”を維持できるのか。
つまりこれは、魔女と人間の戦いの物語なのです。
http://07th-expansion.net/umi/soft/introduction.htm

 これは面白そうですね。
「解決を投げてしまっている」と言ってしまえば、その通りですが、逆に言えば「遊びを残している」とも言えますね(ここで言う遊びというのは、余白や間隙のことで、作中に描かれていないからこそ、読者がその想像力を発揮することのできる領域のことです)。
 先行作品としては、東野圭吾どちらかが彼女を殺した』が挙げられそうですね。作中で行われる捜査によって、容疑者がふたりにまで絞りこまれるのですが、真犯人は明かされず、読者の推理力に委ねられている作品です。言ってみれば「読者への挑戦状」が出されたところで終わってしまうようなミステリ(ちなみにこちらは、論理的に検証すれば、真犯人を指摘することができます。また、文庫には解決編が書かれた袋綴じが巻末に収録されています)(『どちらかが彼女を殺した』が面白かったひとは『私が彼を殺した』もオススメ)。

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

どちらかが彼女を殺した (講談社文庫)

 また、ミステリファンには、作中で真相がちゃんと書かれているのに「よりエレガントな解答を!」と推理を行うひともいて……クリスティの『アクロイド殺し』の犯人は「あの人物ではない」と大胆にも言い放った『アクロイドを殺したのはだれか』などがありますね(日本では綾辻行人迷路館の殺人』でひとつあったような、なかったような……)。
アクロイドを殺したのはだれか

アクロイドを殺したのはだれか

うみねこのなく頃に』の場合、このゲームという共通のテクストを用い、そこからどれだけの推理が飛びだすかが焦点になりそうですね。つまり、ゲームを面白くさせるのは作者と言うより、むしろプレイヤー。こう考えると、なんだか無性にプレイしたくなります。
 発売は2ヵ月後ですけれど。
 さて、そんな感じで最後に3冊ほど「犯人は人間ではない!」と大上段に振りかぶったミステリのなかで、面白いものを挙げます。あらすじはネタバレが恐いので止めておきます。
トリックスターズL (電撃文庫 (1174))

トリックスターズL (電撃文庫 (1174))

少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)

少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)

厭魅の如き憑くもの (ミステリー・リーグ)

厭魅の如き憑くもの (ミステリー・リーグ)

*1:「の」がやけに多い一文になってしまった。