呼び声
オンライン文芸マガジン『回廊』第11号所収
作者:市川憂人
分量:原稿用紙70枚
発行日:2007年6月15日
発行元:文芸スタジオ回廊
夜ごと理美に掛かってくる電話……その向こうから聞こえる声は、彼女に様々な性的な欲求を押しつける。その声に抗うことのできない彼女は、拒絶の言葉を口にしながらも、従順に手を動かしてしまい、今夜もまた……。
「エロこわい」という官能小説と恐怖小説の融合を目指す特集に寄せられた、『天使崩壊』や『夏を見渡す部屋』、『カルテット・ダンス』で知られるAnonymous Bookstoreの市川憂人さんによる短編小説。全編をエロが覆い尽くしており、官能と恐怖とでは、主に前者に比重が置かれている。『回廊』では今までも性を描いた作品は多かったが、ここまで前面に押し出された作品は初めてであり、現時点における極北作品と讃えていいだろう。原稿用紙70枚という分量は、オンライン小説としては長い方だが、科白が多めであることに加え、文章が滑らかなので一気に読めてしまう。18歳以上の方は、お気軽にどうぞ。