雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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LEANGATE『終末症候群』の体験版をやりました。

 先日プレイした『reinVERSE』に引き続き『終末症候群』をやりました、ネット上で無料で公開されている同人ノベルゲームの体験版です。LEANGATEの公式サイトからダウンロードできます。例のごとくキャプチャ画像を勝手に使っています。

 吉里吉里で制作されているゲームで、動作はスムーズでなかなか快適です(コピペ)。『reinVERSE』とは異なり立ち絵や一枚絵はしっかりと彩色されていますし、BGMやSEも素材ではありますが利用されています。
 しかし『reinVERSE』で魅せてくれたがしがし動く立ち絵や格好いいエフェクトの類はありませんでした。目を開けたり瞑ったり、腕を下ろしたり組んだりするぐらいは動きますが、差分、と言うのでしょうか? 動くのは絵の一部であって、身体全体が動くわけではないので、動いている感に乏しいです。戦闘シーンにおいてもエフェクトはなく、イラストのカットインが入るだけなので、今ひとつ盛り上がりません。けれど、これはこれでいいですね、何と言うか安心します。文章以外の要素に集中しなくていいと言うか、もしかしたらより物語に集中できるかもしれません。
 実際のゲーム画面はこんな感じ。

 右に立っている相模レンが、おそらく主人公です。『reinVERSE』のときは一人称作品で、プレイヤー視点で他のキャラクタが見えていたのに対し『終末症候群』は三人称作品で、主人公の画像も見えているので、最初は戸惑いました。てっきり主人公と雛代シズク(左の少女)と相模レンの三人でテーブルを囲んでいるかと思って読んでいたので、「ふたりがコンビを組むようになって」という文が出てきたところでようやくその場にいるのはふたりだけで、主人公は相模レンだということに気がつきました。三人称のノベルゲームってもしかしたら、初めてかもしれません。
 特異なのは三人称である点だけでなく、物語運びや展開もなかなかに珍しいです。トップ画面の画像や、公式サイトの情報から、てっきり雛代シズクが主人公だと思い込んでいたのです。しかも、公式サイトには彼女が執行補佐官とあり、その下の琴島ミハルが執行官とあるので、このふたりがコンビを組んでいて、連続殺人鬼のシイと戦ったり、捜査官の相模レンと共闘するのかなと思っていたら、これがまったく違うのですよね。実際には捜査官にして執行官の相模レンが主人公で、シズクはレンの補佐官でした。
 これらの情報は、ゲーム中に分かりやすいかたちでは提示されません。プロローグは置いておくとして、第一章はいきなりレンとシズクの会話から始まったりするので、状況もよく分からず、戸惑いました。『reinVERSE』では主人公が記憶喪失だったので、何も知らない主人公=プレイヤーのために、山科がていねいに設定を教えてくれるのですが、『終末症候群』では主人公がすでに世界観を熟知しており、それをことさらプレイヤーに教えようとしないのですよね。多くの設定が隠されている感があります
 まあ、そんな感じで「どうしたものか」と首を傾げつつプレイしていると、連続殺人鬼のシイが出てきたあたりから俄然、面白くなってまいりました。

 いわゆる天才肌と言うのでしょうか。彼女は森博嗣西尾維新の著作に出てきそうな、殺人鬼なのですよね。もう彼女とレンの会話が堪りませんでした。シズクとの会話ではただの捜査官だったレンが、いきなり頭脳明晰で有能な捜査官に見えましたし。このあたりでようやく作品内世界に同調することができ、物語に入りこんでいくことができるようになったと思います。
 とは言え、まだまだ明かされていない設定は多そうですし、タイトルの真意も一向に見えてきません。シナリオ的な意味での完成度という点においては『reinVERSE』に劣るかもしれませんが、どちらにより輝くものを感じるかと問われれば『終末症候群』ですね。正直、展開がまるで想像できません。完成版がこの夏、コミックマーケット72で頒布されるそうなので、実に楽しみです。


 前回と同じく、うータンさんのレビューにリンクを張っておきます。体験版はこちらからダウンロードできます。