- 作者: 平山夢明
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/06/20
- メディア: 単行本
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小林泰三を思わせる深遠な世界観、嘆きと悲しみが付随するグロさ、幼さ若さゆえに感じる不条理……まったくもって、申し分のない。一分の隙もない、大傑作である。
以下、感想リンク。感想を見て回っていたら、やはりグロさに注目している読み手が多かったですね。しかし、ときに少しだけ斜めに読んでいる方もいて、ああ、そういう読み方もあるのかと。
夢明作品の魅力と言うと、グロテスクかつ緻密な描写です。小林泰三や田中啓文の様に、凄まじくアイデアが飛び抜けているわけではありませんが、その文章の「引き込ませ」具合は身震いする程です。
http://taki00.seesaa.net/article/46260499.html
平山さんの小説は、極端に言ってしまえば、読むものの感情への挑戦だ。
http://blogs.yahoo.co.jp/yamagen6579/34723808.html
「嫌なもの」「気持ちの悪いもの」「許しがたいもの」「汚いもの」「残酷なもの」といった感じの作品の羅列だ。
「異形のマエストロ」などと評されている。
それが正しいかはともかく、彼の物語の本質は、ひとの持っている隠しておきたい部分を敢えて暴き出すことにあるだろう。
話題作となった前回の短編集の勢いを借りて、大いなる期待のもと出版された本書なのだが、いかんせん
http://blogs.yahoo.co.jp/sayuppe02/50243052.html
二番煎じの感がぬぐえない仕上がりとなっている。どうも路線が微妙になってきたというか、相変わらず
血と粘液にまみれたナスティなお下劣さは健在なのだが前短編集に感じられたような狂気と紙一重の輝き
はあまり感じられなかった。
乾いている、といっても
http://ashyoshiteru.blog25.fc2.com/blog-entry-531.html
膿もあれば腐汁もある。
血もだらだら臓物ぐちゃぐちゃ、
それでも、読み手に伝わるこの乾燥は何なんだろう。
でもこの人のすごいところは、それをとんでもな異世界と感じさせない描写です。
http://myhome.cururu.jp/mitinakimiti/blog/article/51001440769
始まりがまったくの普通なのですが、少しずつ『あれ?』と思うところがあり
最終的にはまったくの『あなたの知らない世界』(笑)。
オチに近づく頃にはしっかりとした平山ワールドにどっぷり浸かっています。