雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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リアル書店ユーザは何を見て本を買うか

 先日、休みの日に本屋とレコード屋をハシゴしてお腹いっぱいだったんだけども、その時今更ながらつくづく思ったんだけどもさ。
 単行本の帯のコメントって、一見さんにすっごい不親切じゃないかい?

 帯の存在が購買者の購買意欲を減退させ、リアル書店としての魅力を下げているのではないか? というお話。
 確かに「不細工だなあ」と思わず呟いてしまうような帯があるのは事実だと思います。特に表紙が素敵な場合。無粋な帯によって、表紙の三分の一が隠れてしまっているのを見たりすると「帯がない方がいいのでは?」と思わなくもないです。
 けれど、多くの場合、帯が購買意欲を減退させる要素となることは少ないように思います。
 何故って、リアル書店ユーザ*1はなにも帯だけを見て、買う本を決めているとは思えないからです。題名、著者名、出版社、価格、表紙、発行日、ジャンル、あらすじ、あとがき、表紙の質感、重さ、分厚さ、著者近影、ポップ、フェア展開中であるかどうか*2そういった様々な要素を見て、買う本を決めているように思います
 で、id:banraidouさんが取り上げている北村薫『玻璃の天』桜庭一樹赤朽葉家の伝説の帯は、確かにあまり購買意欲をそそられるものではないかもしれません。けれど、たとえば『玻璃の天』の帯に「10万部突破!」であるとか*3、『赤朽葉家の伝説』の帯に「日本推理作家協会賞受賞作!」と書かれていたらどうでしょうか。推協賞の熱烈なファンは除いて、その本を買う動機のプラスアルファにはなるかもしれません。また、有名人による推薦文も、効果的な帯を作りうるように思います。たとえば片山恭一世界の中心で、愛をさけぶの帯に柴咲コウがコメントを寄せたのは有名ですね。新人賞を受けてデビューした作家の場合、その賞の選考委員の言葉が引用されていることもありますね。
 また、秋山個人の趣向として、やはり新刊書店で買うのであれば帯がついているものを買いたいですね*4。特に初版の帯が好みです。うえの例で言うと「日本推理作家協会賞受賞作!」という帯よりも、桜庭一樹が推協賞を受賞する以前に作られた、つまり今現在はもう手に入らない、よりレアな「『少女には向かない職業』の新鋭、ついに本領発揮!」にこそ魅力を覚えます。

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

*1:この場合は買うべき本が未定で、探す楽しみのために新刊書店を訪れたひとのこと

*2:帯についているマークを何枚か集めるとプレゼントが貰えるとか。

*3:実際に10万部突破しているかどうかは知りませんけれども。

*4:多くの古書店および新古書店では帯を外してしまうので、帯は新刊書店で買ったときのみ得られるものだからです。