id:m_tamasaka:20071222:1198264209で知りました。
刊行から13年たった文庫本が今年突然、累計60万部のベストセラーになった。きっかけは本に巻くオビの文言を変えたこと。
見出しと最初の数行を読んで「へぇ」と思いました。
けれど、同時に「どうせ小畑健のような人気イラストレーターに帯を描いてもらったり、柴咲コウのような人気女優に書いてもらったのだろう」と勘繰りました。……が! 記事の続きを読んで驚愕しました。その帯と言うのが、
「91年度のこのミステリーがすごい! 第1位」
なのです。
そして、この帯を腰に巻くことになったのが、志水辰夫の『行きずりの街』です。
- 作者: 志水辰夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/01/28
- メディア: 文庫
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こんな昔の本が、今、ベストセラーになることも驚きですが、やっぱりいちばんの驚きは「91年度のこのミステリーがすごい! 第1位」という帯ですね。
こういった「○○年度ランキング1位」という帯は、その年度のうちにしか効果がないように思っていました。もしくは複数のランキングの上位に輝いたならば、それを列挙するという手もありますが、やはり「古いこと」を意識されては、書名と著者名だけ覚えられて古書店に行かれそうな気がします。
もしくは多くの編集者が秋山と同じように考え、古さを意識させてしまう帯を避けたがゆえに、逆にそこが狙い目になったのかもしれません。
いやあ、しかし面白いものですね。売れなさそうに思える帯で、逆に売れてしまうと言うのは……。