JunglePocketの箕崎准さんの『IZUMO 3 THE BIRTHDAY EVE』を読みました。Studio e.go!『IZUMO 3』の二次創作で、ヒロインのひとりカヤノルートのエンディング後を描いたものとのこと。
『IZUMO』がStudio e.go!の看板作品のひとつで、人気シリーズであること以外、何も知らない状態で読み始めたのですが、まあ、それなりに読めました。確かに、いきなり別世界が舞台だったり、狭間の世界や虚ろといったキーワードが出てきたときは腰が引けましたが、さりげなく丁寧にさらりと説明されていて、けっこう、すんなりと物語内世界に入り込むことができました。
特に前半は、いわゆる学園を舞台としたドタバタコメディ物で、二次創作であること抜きに楽しむことができました。特にカヤノが木から下りられなくなってしまうシーンや、笹山芙由子がネトゲーをやっているくだりは楽しげですね。
ちょっと感心したと言うか、驚いたのは科白の前後に、かなりの頻度で説明文が入ること。会話分で交わされる会話が、どういうものであるか、わりとしっかり地の文でフォローされているのです。実に懇切丁寧です。考えてみれば、カヤノと工藤舞菜の関係もそうですけれど、原作のゲームでは、恐らく絵で表現されているのでしょうね。イラストがあれば、一発で表現が可能です。それをいかに文章だけで表現させるか、多分、そんなような思いが文章に出ているのだと感じました。素敵です。さて、積んである『えでぃっと!』はどこだったかな……。