WBCGことウィザーズブレインカードゲーム──W.D.さんの作られた、三枝零一『ウィザーズブレイン』を題材としたオリジナルのカードゲームの大会に参加して参りました。
WBCGをプレイするのは、先週のボドゲオフに続き2回目です。ルールが分かりにくく、あまり面白味を感じることが出来なかったのですが、どんなゲームでも対戦相手やその環境次第で面白くなったり、面白くなかったりします。初プレイで面白くなかったからと言って、二度とプレイしないのはもったいないと判じ「ほんとうにWBCGは面白くないのか、それとも実は面白いのか」それを審議するためにも挑んでみました。
1回戦〜4回戦
いや、これ面白いですわ!(興奮)
驚きました。1回戦目は例の如くルールを分からないままにプレイしていたので、ある意味、無鉄砲なプレイでしたが、対戦相手の256さんがゲーム中に「自分がどうしてこのカードをプレイしたか」「秋山はこの場面でどのカードをプレイすべきか」と最適解を、ちょいちょい教えてくれたのですが、なるほどと。その後の、肉まんAAの方との対戦でも「飛行キャラは相手も飛行キャラでないと、無条件に勝利」や「1で特殊能力を持っているひとは強い。特にファンメイ」と教えてくれたりして、内心喝采でした。
これは、ルールブックだけを熟視したり、手札の5枚だけを見て考えても駄目なゲームですね。どちらかと言うと、限られたデッキで対戦するMTGに近しいです。全20枚のキャラクタカードがあり、それぞれに相性があり、所属や記憶領域によって、その力が増減します。従って、このゲームは言うなれば論理的な読み合いとブラフのゲームです。そう思いついた瞬間、天啓が下ったかのように、このカードが輝き始めました。
考えれば考えるほど分かります、このゲームは、実に吟味されています。
どのカードも万能と言うわけではなく、強い面と弱い面があります。ただ、その面に広狭があって、それがゲームの場面に応じて功を奏したりしなかったりします。例えば、フィアの防御力は群を抜いており、20人のキャラの内、15人に対して圧倒的な防御力を誇ります。ただし龍使いに対しては無力。彼らだけがフィアを倒し得ます。そんなフィアにとってのジョーカーたる龍使いの中でも特に強いのが、龍使いの能力と飛行能力を同時に有しているファンメイ。フィアはもちろん、地上を歩いている人間は彼女に手が届きません。しかし、彼女だって、艦隊に乗っているヘイズやエドには歯が立ちません。艦隊を前に一個人なんて矮小過ぎます。けれど、ヘイズもエドも、搭乗しなければ弱いですし、搭乗していたとしても光使いであるマリアやセラの攻撃を受けてしまいます。他にも量子力学的制御を用いたイルに対してのみジョーカーとなりうる神の賽子使いのサクラや、創生によって大抵の場合は相打ちに持ち込める天樹錬、等々。複雑に絡まりあう、蛇のようです。
読み合いとブラフのゲームであると分かり、かつカード同士の相性を、ある程度、理解すれば、もう充分です。相手に対して優位な場面では、自分の得点を伸ばしつつ、相手に得点を与えないカードをプレイし、勝負しなければならないときは、運が悪ければ止められるけれど、勝てば一気に2得点を得られるカードをプレイし、逆に向こうが勝負を掛けに来るときは「敵は最適解を選択するはず」という盲点を突き、敢えて悪手を選択し、迎え撃つ。
負ける気がしないなあと思いながらプレイし続け、2回戦、3回戦、4回戦と連勝。最終的なポイントは108で勝ち越しです。次回の大会では、もっと強いひととプレイ出来ると思うと、今から、わくわくしますね。
ウィザーズブレインすごろく
大会終了後、拡張版を交えたWBCGをテストプレイするグループと、完全新作試作『WBすごろく』をプレイするグループに分かれることになったので、すごろくを志願。ダイスゲーは好きではありませんが、まだ誰もテストプレイしたことのない作品に、より興味を覚えました。
かんたんにルールを説明しますと、盤面は写真にあるようにモノポリー的なものです。ダイスを振り、この面をぐるぐる回りながら、マス目に記載されたキャラカードを集めていって、そのキャラが持つ能力を用いつつ、さらにキャラカードを集めるのが目的です。各キャラカードは固有の能力をプレイできるカードであると同時に、最終的には得点カードでもあります。
発想そのものは面白いのですが、結論から言って面白くなかったです。運要素が強すぎるのと、カードを持っているプレイヤが強すぎるので、最初に格差が生まれると、もう覆せなくなってしまうのです。
ただ、プレイの感覚それ自体は良かったです。ルールに不備や穴が多く、問題点を指摘しながらプレイするのは、ダイヤの原石を、プレイヤ全員で一緒に磨くようで、面白い体験でした。二次会では飲みながら色々と意見を出し合ったので、次のVer.ではさらに面白くなっていることを期待、です。
ごきぶりポーカー
WBCGに飽きたので、違うゲームもやりましょうと言うことで、256さんが持って来られた定番カードゲームを6人で遊ぶことに。初プレイ。
これは白熱しました。6人の内、3人の手札が途中で尽き、残りの3人も手札が3枚くらいまで減るまでゲームが続き、都合、1時間ほど騙したり騙されたりしていました。WBCGの後にプレイしたゲームの中では、いちばん面白かったですが、いちばん疲労しましたね。特に手札が尽きてからです。手札がなくなるまでは、場札が4枚にならないよう注意しながら、しかし攻撃的に仕掛けて行ったのですが、手札が尽きてからは、もう真剣です。スタートプレイヤになった瞬間に終わるのですが、失敗は許されません。真剣に表情を見て、真剣に考え、嘘だと思ったら迷いなくダウトを宣言し、どうしても分からなければ、さくっと諦めて見ることにしました。
と、言葉で表現すると、ずいぶんと軽いですが、これ実際にプレイしていると、非常に集中力を費やすことになるのですよね。1時間が経過し、最後にW.D.さんの嘘を見破り*1、ゲームが終わったときには、ずいぶんとゲッソリしていたことかと思います。抜群に面白かったですけれど、疲れました。
シャシャワ
ごきぶりポーカーで疲れたので、頭を使わずにプレイできるゲームをやりましょう! と言うわけで、256さんが持ってきたのが『シャシャワ』。初プレイ。
手札の絵柄が4枚とも同じものに揃ったら「ウォーター」と宣言して、テーブル上に置かれている水トークンを早い者勝ちで取ります。いわゆる椅子取りゲーム。これ、確かに頭は使いませんが、全身を使うので、ある意味、ごきぶりポーカー以上に疲れますがな……。
カード配布直後、最初の交換の直前に「ウォーター」が宣言され、慌てて水トークンに手を伸ばしたラウンドが、いちばん燃えましたね。インストも用意、12人までプレイ可能。良いパーティゲームです。
ニムト
シャシャワで肉体的に疲れたので、あまり身体を動かさないゲームをやりましょう! と言うわけで『ニムト』。定番中の定番で、『カタン』や『カルカソンヌ』と同じくらいの知名度を誇るのではないかと勝手に思っていますが、秋山自身は、実は初プレイ。
ルールを聞いて「なるほど洗練されているなあ」と思いながら、のんびりプレイ開始。
のつもりが、2巡目には、もう慢心していたことに気づかされました。「場に出ているカードの直後のカードを出せば安泰」と、カードを切ったら、あっさり1桁の数字が出され、列が丸々ひとつ削られ、マイナス5点のカードがある列を取らされました。数字が書かれてあるだけのカードを使った、シンプルで明快なルールのゲーム? そうだったのは見た目だけでした! なんて奥深く、凄惨で、ひとの悪意が間接的に顕現する、邪悪なゲームでしょうか。素晴らしい。
感動と無念さを噛み締めながらプレイし続け、最終的には2番目に牛を集めてしまいました。
いや、って言うか、これ、牛を集めるゲームですよねー?
冗談はさておき7人でプレイすると、完全なる運ゲーですね。4名ないし5名だと、また違った展開を追いそうです。6名以上だとパーティゲーム、5名以下だとガチゲーム、そんな印象です。
ワードバスケット
ワードバスケット、略してWB、伸ばしてウィザーズブレイン。つまり、ワードバスケットとは、魔法士たちの戦い方をカードゲームにしたものだったんだよ!*2
……さて。
ワーバスをプレイするのは2回目です。前回は覚醒sleepdogさんの鬼神の如きカード捌きを前に、手も足も出ませんでしたが、今日は、それなりに善戦できました。勝利には至りませんでしたが、何度か良いところまでは持っていくことが出来て、良かったなあと。
やっぱり対戦相手によって、プレイの印象は大きく変わりますね。前回は「もう二度とワーバスをやることはなかろう」と思いましたが、今日は「またやってもいいな」と思いました。まる。
おわりに
正確に時間を計っていたわけではないですが、多分、全体の半分くらいの時間をWBCGで、残りの半分を、それ以外のゲームに使ったような気がします。と言うわけで、初プレイは3作、計5作プレイ。
第3回WBCG大会は4月中旬を予定とのことです。次回も参加したいですね。