雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

第4回「ミスボドぷち」レポート

 ミスボド本会では受付や写真撮影などで時間が多く取られてしまい、自分自身がゲームを遊べないという二律背反に陥ったので、自分がゲームを遊ぶ会として始めたミスボドぷちですが、今回が、ひとまずの最終回となります。
 午前中は家でやることがあったので、午後からのスタートでしたが、普段通り10時開始だと思って来られた方が多く申し訳ない限りです。
 さて、以下、遊んだゲームの感想など。

セイル・トゥ・インディア


(インスト:26分、プレイ時間:33分)
 前々日にカワサキさんと遊んだのが非常に面白かったので、真っ先に立ててみました。OKAZU brandさんのゲームマーケット2013春の新作です。
 バランスブレイカー「活版印刷」に関しては、インスト時にその強力さを充分に説明したうえで、使用を禁止するという提案を行いました。結論から言って、良い方向に作用したように思います。
 ごん太さんは、とにかくワーカーを増やす作戦に出て、真っ先に全ワーカー駒をリスボンに置きました。ペリーさんは、中盤に拠点を設置し、どんどんインディアを目指します。秋山は商館を抑え工場を経営しつつお金を稼ぎ、カッチャマンさんは拠点を抑えに入ります。4人が4人とも別々の働きをしつつ勝利点を稼いだものの、最終的にインディアを華麗に発見して、ペリーさんが勝利という感じでした。もう1手番、多く回っていれば秋山が差し込めたような気もしますが、2手番、多く回っていたらワーカー駒において優位性を持っていた、ごん太さんが大勢を決していたでしょう。
 非常に面白いゲームなので、機会を見ては立てていこうと思います。
(ペリーさん16、秋山15、ごん太さん14、カッチャマンさん12)

ハンザ・テウトニカ



(インスト:21分、プレイ時間115分)
 にったさんにお願いして持参して頂きました『ハンザ・テウトニカ』。
 評判はよく聞いていたので「どれどれ……」と思いながらインストを受け、遊ばせて貰いましたが、いやあ、これは実に面白いですね。やりたいことが多すぎて、でも出来ることは明らかに少なくて、他のひとと競合しない道を探すべきというのは分かっていながら、ついつい邪魔したり、ちょっかいを出したくなってしまう、腹黒さと誠実さが試されるゲームです。
 点数計算が若干煩雑で、誰が実際的に勝っているのか、不透明性が高いのが難点ですが、慣れれば見分けられるようになるかもしれません。
 極めて面白かったので、近いうちに、是非、再戦したいですね。
(ゴマ卵さん53、秋山48、ぽろゆきさん38、ごん太さん、にったのひとさん36)

ボトルインプ


(インスト:5分、プレイ時間:35分)
 お次は、ごん太さんが持参された変則的なトリックテイキングの『ボトルインプ』。
 これは……一言で表現すると色物でしたね。勝利点は欲しいが、最後まで悪魔が封印されたボトルを持っていると破産してしまう。モチーフとなった作品のストーリー性の、再現性は素晴らしく高いですが、トリックテイキングとして見ると、いかにも謎めいています。
 スートの数字が偏っているのは、まあ、いいでしょう。そこは面白いポイントだと思います。しかしながら、リードに関係なく、トリックを取れてしまうというのは、いかがでしょうか。カウンティングを無視して、単純に強いカードが勝つというのは、やや洗練性に欠けるように思います。とは言え、きっと、リードが強いというヴァリアントで遊ぶと、クソゲーになりそうだなという予感もあります。従って、今のままがきっと最適解なのでしょう。だが、この最適解は……色物です。
(ごん太さん80点、秋山74点、Rokiさん51点、shikitaさん23点)

箱庭の人狼


 初プレイのゲームを2連続で遊んで、やや疲れたので、ちょっと指導碁の感覚で、楽々亭さんのゲームマーケット2012春の新作『箱庭の人狼』から「対戦人狼」を2回、「箱庭人狼」を1回、遊びました。
 時間は余計に掛かったような気がしましたが、「対戦人狼」はプレイヤ全員が疑いようもなく仲間であり、完全なる協力ゲームなので、お互いに協力しあいながら、ゲームを進められるというのがいいですね。終了後はGMが、何を考えながら襲撃先を決めたのかとか、占い結果を決めたのかとかを話して振り返りも行なって、その後「では、次は皆さんでどうぞ」という感じで「箱庭人狼」を遊びました。

小早川



 ゲームマーケット2013春の新作を、少し遊びたかったので、まずは物議をかもしているオインクゲームズさんの新作から。知り得ないことについては語らない主義なので、今まで沈黙を守っていましたが、遊んだのでここに書いておこうと思います。
 大別して3つのことについて書きます。面白さについて、初心者向けかどうかについて、価格について。
 まず、面白さについて。なるほど、やっていることは非常に挑戦的です。カードは1から15の15枚だけ、手番に出来ることはドローして1枚を捨てるか、小早川カードを上書きするか。プレイ感としては『クク』に近いですね。自分の持っている数字で勝てると思えばノーチェンジだし、勝てないと思ったらチェンジする。『小早川』でも、ドローするか上書きするかの二択があり、その後、勝負に乗るか降りるかの二択があります。複雑さで言えば『クク』よりも『小早川』の方が上でしょう。しかし、運の左右度で言えば、圧倒的に『小早川』でしょう。手番の選択で最適解に従っても、運が悪ければ全7ラウンドで、1回も勝てませんし、運が良ければ適当にやっていても全勝できます。感覚的には「あー、削り過ぎちゃったんだろうなー」という感じです。この点は、素直にもったいないと感じますし、残念だと思います。ゲーマーを満足させるヴァリアントが出てくると嬉しいですが、なくても構いません。新作を出し続けることは、素晴らしいことだと思います。
 次に、ボードゲームの初心者向けになっているかどうかについて。答えは、ノーです。たとえば『藪の中』は、非常に良いゲームだと思います。限られた情報から必死に考えれば、正解に辿り着くことができますし、あるいは2分の1や3分の1まで正解を絞ることができます。もしくはブラフ要素が入り始めたら、途端に推理ゲームからブラフゲームに化けるというところまで含めて、初心者をボードゲームに誘うには向いていると思います。では『小早川』はどうでしょうか。果たして『小早川』をプレイして貰って「わー、ボードゲームっておもしろーい! もっとやりたいー、他に、どんなのがあるの〜?」とは、ならないような気がします。
 最後に価格について。まあ、いいんじゃないでしょうか。正直、消費者が価格をどうのこうの言うのって無粋だと思うのですが、そういうのを抜きにしても『小早川』を高いとは思いませんし、真鍮製の小早川チップが不要だとも思いません。個人的にオインクゲームズさんは「ボードゲームを普段、遊ばない層を取り込もうとしているひとをターゲットにしている」と感じているので、チップを、おはじきなどにせず、真鍮製にしたというのは納得感が強いです。ゲーム好きのひとと遊ぶときならともかく、「このひとにボードゲームの魅力を教えたい!」と思っているとき、秋山はコンポーネントの出来が優れているゲームを選びます。残念ながら『小早川』は前述の通り、初心者向きではないと思うので、ゲームの内容の時点で候補に漏れますが、もし、そこの問題が解決されていれば、良いゲームだと断言していたでしょう。
 まあ、そんな感じで。
(秋山、ゆうさん12点、まちこさん4点、ぽろゆきさん2点、ゴマ卵さん、河原さん1点)

キャットファーザー


(インスト:6分、プレイ時間:5分)
 大気圏内ゲームズさんのゲームマーケット2013春の新作。
 イワイシさんと、ルールブックを読みながらインストをしましたが「おいおい、大丈夫かこれ??」と言い合いながら「まあ、とりあえず遊んでみましょう」とやってみましたが、おおよそゲームにならなかった印象です……。
 1戦目は秋山が初手でイワイシさんのボス暗殺に成功し、2戦目はイワイシさんが初手で秋山のボス暗殺に成功し、3戦目はうっかり10の猫が奪われ瞬殺され、4戦目も速攻でボスが暗殺され終了でした。読み合いとブラフのゲームかと思っていましたが、4回中3回が運で勝負が決まってしまったため、ちょっと、どうなのかしら……? という印象です。

人狼外伝〜霊界乃鬼編



 最後は残り時間20分という中、ゆるぼ出張所さんのゲームマーケット2013春の新作を遊びました。
 人狼系のゲームでしたが、占い師や霊能者などの役職は存在せず、いわゆる特殊能力を持った表の役職で能力を使いつつ、自陣営の勝利を目指すゲームでした。秋山はゲーム開始時に誰かのカードを確認して、そのひとと同じ陣営になる発見者でした。さとうさんのカードを確認したところ鬼だったので「わー、鬼陣営になっちゃったー」と思いながらプレイ開始。
 適当なことを色々と喋りながら、人間陣営っぽいひとを吊っていったら、いつの間にか鬼陣営と人間陣営が同人数になっていたらしく、さっくり勝利
 続けて、何度か遊べば、じわじわ面白味が噛み締められそうなゲームですね。悪くはないなと感じました。

おわりに

 なんか『小早川』について書き過ぎましたが、いちばん面白かったのは『ハンザ・テウトニカ』です。これは傑作です。『セイル・トゥ・インディア』も、良いゲームです。機会を見て、立てていきます。『人狼外伝〜霊界乃鬼編』はスルメゲーの予感がするので、もう少し炙ってみたり、噛んでみたりしたいです。
 と言ったところで。