雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

オススメの謎解き&ボードゲーム&マーダーミステリーを紹介しています

新作『山吹色外典』頒布のお知らせ

世界から世界へ飛び跳ねるように旅する存在。
渡り鳥ソーマ、傭兵ラビット、フリーター走馬小太郎。


様々な名を持つ彼は、
年代記にいずれの名も残さず、何もかもから解放されている。
だが自由であることは、同時に孤独であることを意味する。


歴史の表舞台に現れることはなく、
物語の主役として語られることもない。
そんな彼に敢えてスポットライトを当てた作品集。


題名は、山吹色外典


或る雲上人が記す、ありえたかもしれない旅の記録。
いかなる世界からも拒絶され、
放浪を続けるしかなかった哀れな渡り鳥が、
最愛の想い人と過ごす宿り木を見つけるという、
ハッピーエンドの物語。


(雲上回廊公式サイトの『山吹色外典』特設ページより)

http://unjyou.jimdo.com/%E5%B1%B1%E5%90%B9%E8%89%B2%E5%A4%96%E5%85%B8/

 2014年11月24日(祝月)品川と羽田を繋ぐ、東京モノレールの「流通センター駅」から徒歩1分、東京流通センターにて開催される第十九回「文学フリマ」にて、新刊『山吹色外典を頒布します。
 200ページ強の文庫本で、カバー付き、帯付きの本格仕様です。表紙と挿絵は、別冊ヤングチャンピオン12月号から漫画『コトコノコトノハ』を連載する、宵町めめさんに描いていただきました。価格は1000円となります、文学フリマ後にはAmazonから通販を予定しているのと、電子書籍版の発行も考えています。

帯文の紹介

食レポ×ラーメン×ドラゴン×天使×遠未来×ループ×ネトゲー×ボドゲ×吸血鬼×異世界×料理×偽史×作中作×年表×中二×ハッピーエンド=
パラレルワールドSFファンタジー
雲上回廊世界の秘密に迫る連作短編集


文学フリマWebカタログの『山吹色外典』のページより)

https://c.bunfree.net/p/bunfree19/2183

 帯の文言は、自分で考えました。
『山吹色外典』は走馬小太郎という、世界から世界を旅する能力を持った少年が、いろいろな世界を旅しながら事件に巻き込まれたり、巻き込まれなかったりする連作短編集です。その特性を活かして、とにかく自分の好きなものを、最大限に放り込もうと考えた結果が、この始末です*1

物語と人物について

 大食いに挑戦したり、竜に乗って天使と戦ったり、おもむろに『世界再生の書物と一つの楽園』と『異界再訪の扉と十三の不思議』の前日譚が挿入された上に、重要な秘密がさらりと明かされたり、世界樹の迷宮ネトゲー版みたいなことをしたり、吸血鬼と異次元のバトルを繰り広げたり、きんぴらごぼうを作ったり……まあ、だいたい、そんな感じです。
 それと、けっこう他作品からのゲストキャラが多いです。たとえば雪月華伯は以前に公開していたフリーゲーム《究極の暇人》シリーズの主人公ですし、雨都京子も以前に雲上回廊のサイトで連載していた『彼女の夢』の主人公です。雪島令は『PNOS』のラスボスで、『山吹色外典』の主人公である走馬小太郎自身も『彼女の夢』『PNOS』『セレスティア・サーガ』に脇役として顔を出しますし、CRUNCH MAGAZINEで無料公開している「ワールドワンダラーズ」に登場します。
 と言う感じで、登場人物は一部流用ですが、過去作を知らないと、この物語が楽しめないというのは、まったくありません。そもそも《究極の暇人》シリーズと『彼女の夢』は公開終了して久しいですし、『PNOS』もついに完売絶版です。過去作を知らないと楽しめないとする方が無理があります。従って……最後まで読んで「えっ?」と首を傾げたとしてもご心配なく。あなたを満足させる答えは、この本の中に用意してあります。過去作を読まないと意味が分からない、とはしていません*2

秋山真琴らしさの追求

 物書きとしての秋山真琴のらしさとは何か?
 自分で考えるに、それは変な世界で、変な登場人物が、変な会話をするです。この変なところに面白味を仕込もうとしているので、秋山と好みが合う方は、それはもう楽しんでいただけると思いますが、逆に合わない方は、もう何が書かれているのか、さっぱり分からないかと思います。
 今回は、と言うか、数年前から、ここは自覚的に推進しています。『世界再生の書物と一つの楽園』も、『異界再訪の扉と十三の不思議』も、『反理想郷にさよならを』も、それはもう徹底的に、秋山が好きなものを詰め込むようにしています。言うなれば、好きなものと好きなものの掛け算です。自分でも、ちょっと変な方に尖っているなと思います。思います……が、同時に、尖っているのが秋山真琴ですし、尖っているのが文学フリマです。つまり、秋山が文学フリマです*3

終わりに

 最後、ちょっと意味不明な感じになりましたが、『山吹色外典』についてお知らせする上で、ちょっとくらい意味不明な方が、それらしいので、特に問題ではありません。では、お楽しみに。

*1:このごった煮感、まるで鍋である。物語鍋。

*2:「えっ?」のままで終わっても構いません。「読んでいる間だけ楽しくて、読み終わったら何も残らない」は、エンターテイメントのひとつの完成形だと考えています。『山吹色外典』はエンターテイメントです。

*3:どんだけ文学フリマが好きなんだっていう発言ですね。