雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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ゆるゆると『テラミスティカ』を攻略してみたい、その2(種族編前編)

 第2弾です『テラミスティカ』をゆるゆる攻略してみたいと思います(ゆるゆる攻略シリーズ定番の、消極的な姿勢)。
 今回は基本の14種族の内7種族について、それぞれ考えてみたいと思います。
ゆるゆると『テラミスティカ』を攻略してみたい」において種族寸評を割愛したのですが、やっぱり各種族の特性の見極めこそ、このゲームの本質であり、そこを書かないのは片手落ちもいいところだと反省した次第です。
 前回の攻略記事を書いてから、拡張に手をつけましたが、まだまだ総プレイ回数は少なく、覚書に近しいものであることご留意ください。あくまで対象は、100点を目指そうとしている方向けの、平易な内容となります。
 では、どうぞ。

ハーフリング

【能力】スコップ利用時1点獲得
【砦】即時3スコップ獲得
【特性】スコップのレベル上げに必要な資源が1司祭2労働者1金
 初心者向けにオススメの種族です。
 秋山もそうだったのですが、このゲーム、初プレイのときは、なんとなくスコップレベルを上げたくなってしまうのです。ですが、多くの種族においてスコップレベルなんて飾りに過ぎません。スコップはパワーアクションか、ボーナスタイルや、教団ボーナスで使うものです。スコップレベルなんてものは、最終ラウンドにおいて資源と手数が余ったら、6点のために上げてもいい。そんなものです。
 ただし、ハーフリングだけは必要となるコストが少ないので、上げてもいい……どころか、局面によっては上げる価値が大いにあります。
 どういう局面ならば、スコップレベルを上げてもよいのか? それは、4ラウンド目の得点タイルが「スコップ2点/1茶1金」のときです。3ラウンド目終了までにスコップレベルを最大まで上げておいて、労働者を貯めておいて、4ラウンド目に突入すると同時に、一気に開拓していく。ハーフリングは、スコップを利用する度に1点獲得する能力を有しているので、実質、1労働者で3点行動が実現されるわけです。これは、凄まじい高効率です。スコップで地形変換すると同時に、開拓地を配しても良いのですが、地形変換だけに専念した方が良いように思います。5ラウンド目の得点タイルが「開拓地2点/4青1司祭 or 4赤4パワー」なら、さらに嬉しいですね。地形変換しておいた茶の土地に、開拓地を建てていきましょう。
 上記を実現するために求められるのは、2ラウンド目〜3ラウンド目にて2司祭を確保することです。手っ取り早いの神殿を建てることでしょう。恩恵タイルは「1茶/開拓地2点」が安定です。ハーフリングは、いくら労働者があっても良いので1ラウンド目の得点タイルが「砦聖域5点/2赤1労働者 or 2白1労働者」で、ボーナスタイルに「砦神殿4点/2労働者」があったら取りに行って「2茶/1パワー1労働者」もしくは、教団ボーナスに合わせて「2白/4パワー」「1白/交易地」「2赤/6街」を狙っても良いかもしれません。
 4ラウンド目に「スコップ2点/1茶1金」がなくとも、たとえば3ラウンド目以降に「開拓地2点/4青1司祭 or 4赤4パワー」が2つ出ていれば、充分に点数は稼げると思います。安定感があります。
 砦能力は非推奨です。聖域建設済みで、得点タイル「砦聖域5点/2赤1労働者 or 2白1労働者」とボーナスタイル「砦神殿4点/2労働者」という機会が到来すれば、砦建設後の3スコップから生まれる3点も含め計16点になるので、4労働者8金を注ぐ価値が出てきますが、そこまで行かないならば単純に1労働者1点行動の方が良いように思います。
 魔力パワーについては、初期状態で「1トレイ3/2トレイ9」なのでスタートダッシュは決めやすいですが、砦収入は2パワー、交易地収入は1122なので並と言えます。スコップレベルを上げきった後は、2労働者が2スコップに相当するので、パワーアクションで2スコップ得るのは無駄になります。空いていれば4パワーで2勝利点のつもりで、2労働者を貰っていく感じでしょうか。
 開拓系種族ですので、エリアボーナスは獲得しやすいですし、スコップレベルを上げきった後は司祭が余るので、教団トラックも、ひとつくらいは1位を取れるかもしれません。余力があれば船レベルを上げて、3つ目の街を狙うことも不可能ではないと思います。
 スコップレベルを上げるだけで、パワーアクションの1スコップや2スコップの競争に巻き込まれずに済み、ボーナスタイル「1スコップ/2金」に目を配る必要もなくなり、自分のボードだけに集中できるので、楽な種族だと思います。

ノマド

【能力】3開拓地で開始
【砦】アクション「砂嵐」
【特性】交易地収入が1111パワー、2234金
 ノマドも初心者にオススメの種族です。
 まず、3開拓地から開始できるというのが大きいです。他プレイヤとの隣接を増やせば、魔力を得る機会が向上しますし、仮に他プレイヤの阻害を受け、思っていた通りに陣地を広げられなかったとしても、他の土地でがんばっていける余地があります。そして、その余地は精神的余裕を生み出し、気持よくプレイできることでしょう。
 3開拓地で始められるという時点で、充分に強いので神殿スタートでも良いと思うのですが、慣れない内は、1ラウンド目に砦を建てることをオススメします。その場合、1ラウンド目の得点タイルが「砦聖域5点/2赤1労働者 or 2白1労働者」であることが望ましいですが、なくても砦まで上げてしまって良いと思います。ただ、2ラウンド目に「砦聖域5点/2赤1労働者 or 2白1労働者」がある場合は、さすがに待っても良いように思います。
 砦を勧めるのは、ノマドの砦能力が非常に強力だからです。1手番を消費するだけで隣接する地形が何であれ強制的に砂漠に変換できるのは、暴力的なまでに強力です。他プレイヤとのスコップ競争に関与せずに済むという点も大きいです。砦を建てるのに必要な4労働者8金というコストは安くないですが払う価値はあります。
 砂嵐の唯一の難点は、これ自体が点数を生み出すことはないということでしょうか。スコップ競争に巻き込まれずに済みますし、自分好みのルートで開拓できるので生き延びやすさという意味では全種族筆頭かと思いますが、『テラミスティカ』はあくまで勝利点を稼ぐゲームです。得点タイルの順番をよく確認して、適度なタイミングで神殿を建てて「1茶/開拓地2点」や「1青/交易地3点」を手に入れていかないと、さっぱり点数が伸びません。ただ、生き延びやすさというのは非常に重要な要素ですので、点数稼ぎはともかく、まずは『テラミスティカ』というゲームそれ自体に慣れたいということであれば、ノマドはオススメです。
 初手砦ではなく、初手神殿を選んだ場合は、スコップの確保方法に気を配る必要があります。交易地収入が1111パワーですので、交易地を増やしても得られるパワーは少ないままです。タイミングを見計らってボーナスタイル「1スコップ/2金」を抑えたり、早めに砦を建てるのが肝要です。

オウレン

【能力】能力なし
【砦】1恩恵タイル&アクション「2教団」
【特性】能力なし
 異論があるかもしれませんが、個人的には、オウレンも初心者にオススメです。
 初手で砦を建てたときのノマド同様に、あまり他人のプレイに左右されず、自分のやりたいことに集中できるというのが理由です。
 これと言った特徴や特性を持たないオウレンですが、砦能力は強いです。1手番を消費するだけで、任意の教団トラックを2歩も進めることが出来ます。また、通常は神殿や聖域を建てたときにしか獲得できない恩恵タイルが、オウレンの場合は砦を建てたときにも入手できます。しかも、その強い砦が4労働者6金と、安く建てることができます。1ラウンド目の得点タイルが「砦聖域5点/2赤1労働者 or 2白1労働者」だと、さらに嬉しいですね。
 ハーフリングやノマドが、盤面に自分の領土を築いていって点数を獲得する種族なら、オウレンは教団トラックを進めて、教団ボーナスを得ながら、教団で勝利点を得る種族と言えます。1ラウンド目で砦を建てた後は、毎回、ラウンドの終了時に貰える教団ボーナスを得られるように教団トラックを進めていきましょう。
 今まで初心者向けの恩恵タイルについて述べてきませんでしたが「1赤/3金」「2白/4パワー」「2茶/1パワー1労働者」などの収入系は、どれかひとつを持っておくと安定感が格段に上昇します。ときに枯渇してしまったり、ときに選びたいパワーアクションがなかったりするパワー系に対し、無限に所有できる上に、最終的には勝利点になる「1赤/3金」は種族の壁を越えてプレイヤを裏切りません。間違いのない選択と言えるでしょう。
 ゲームボード上での立ち回りにおいては、特に秀でた能力を持たないので、ハーフリングやノマドよりかは苦戦するでしょう。ですが、安定して教団ボーナスを得られることを考えると、プレイヤ自身のレベルアップには調度良いと思います。

マーメイド

【能力】1川挟んで街が建設可能
【砦】船レベル1Up
【特性】砦収入が4パワー、最初から1船
 ここまでの3種族が1プレイ目にオススメならば、ここからは2プレイ目にオススメの種族でしょうか。
 マーメイドは見た目からも分かる通り、川辺に特化した種族と言えます。最初から1船持っており、砦を立てると即時で1船上がり、その後も5船まで上げていくことが可能です。大半の種族は、陸上での上手い立ち回りが求められますが、マーメイドはひとつでも川辺を抑えておけば、他プレイヤがまったく予想していない地点に、いきなり上陸することが可能で、マップの狭さから息苦しさを感じることの少ない種族と言えます。
 また、1川挟んで街が建設可能という能力も、汎用性が高いです。他の全種族は街の建設条件が整った瞬間に、強制で街を建てなければなりませんが、マーメイドだけは能力の使用が任意なので、タイミングを図ることが出来ます。これがどういうメリットをもたらすかと言うと、得点タイル「街5点/4茶1スコップ」にタイミングを合わせられるということです。事前に街建設の準備だけ整えておいて、そのラウンドが来た瞬間に、おもむろに街建設を宣言すれば良いのです。ゲーム後半であれば一気に2街、首尾よく立ちまわることができていれば、そのラウンド中に3街目まで建てて計15点を獲得できるかもしれません。
 他の多くの種族が砦収入2パワーなのに対し、マーメイドは4パワーであるというのも嬉しいポイントです。早めに建てておきたいところです、何なら1ラウンド目に立てても良いかもしれません。4労働者6金と砦コストは安いので、ためらう必要はないように思います。得点タイルに「砦聖域5点/2赤1労働者 or 2白1労働者」があると嬉しいですね。砦を建てた後は、早々に神殿も建てて「1茶/開拓地2点」を抑えつつ、司祭の供給体制を整えたいですね。船レベルは上げれば上げるほどに点数効率が良くなるので、可能なら5船まで上げてしまいたいです。ミニ拡張の「船3点/3パワー」がある場では、鬼のように強くなることも付け加えておきます。

アルケミスト

【能力】1勝利点を1金に変換、2金を1勝利点に変換
【砦】即時12パワー、スコップ毎に2パワー
【特性】砦収入が6金、交易地収入が1111パワー、2234金
 マーメイドと同じくアルケミストも2回目以降のプレイにうってつけだと思います……が、ややトリッキィな動きとなります。
 アルケミストの特徴は、いずれも強力です。勝利点を犠牲にすることを厭わなければ、お金がざっくざくと降ってくることや、ゲーム終了時に他全種族が3金を1勝利点に変換するのに対し、アルケミストは2金を1勝利点に変換可能です。また、砦を建てた後は、1スコップの度に2パワー降ってくるのも面白いです。
 ハーフリングの項で「スコップレベルは飾り」と言いましたが、アルケミストは数少ないスコップレベルを上げてよい種族だと思います。計2司祭4労働者10金は重いですが、そのコストを支払ってでも、1労働者でスコップしつつ2パワー得ることができる体制を整えることができれば、終盤にかなり加速できると思います。
 砦を建てた瞬間に12パワー降ってくることも大きいです。スコップレベルを上げるために、アルケミストは中盤において拡大再生産が滞りがちになるでしょう。それを少しでも和らげるために12パワーは用いたいですね。ゲーム序盤から前半においては、1勝利点を捨てて1金を得るという選択肢を、果敢に選んでいくのも価値ある選択と言えるでしょう。
 終盤は、詰め将棋的な色合いが強く出てくるのもアルケミストの面白いところです。他の種族では3金1勝利点は効率が悪いので、少しでも多くの開拓地を建てたり、交易地にしていくことが選択肢に入りますが、アルケミストの場合は2金1勝利点という効率が良すぎるので、場合によっては何もせずにパスというのが強いことがあります。また、3軒目、4軒目の交易地収入は、パワーは1と少ないですが、金は3金、4金と増えていきます。恩恵タイルの「1赤/3金」も強いです。ここらへんの見極めは重要ですので、長考を詫びつつ冷静に計算しましょう。

ウィッチ

【能力】街建設時に5点
【砦】アクション「開拓地投下」
【特性】なし
 ある程度、勝利点を稼ぐためには、3街が前提になってくるので、やはり2回目以降のプレイに向いているかなと思います。
 とにかく街を建設したときに、追加で5点貰えるという能力を活かすことを考えるべき種族でしょう。そのためには砦の能力が非常に便利ですが、果たしてどのタイミングで砦を建てるべきかは議論の余地があります。初心者の方であれば、1ラウンド目に砦を建てて、それ以降、ラウンド毎に手軽に開拓地を投下していくのが美味しいと思います。手軽に労働者の収入を増やすことができますし、盤面における自由度を増すことができます。ただ、得点効率を考えると、神殿を優先するべきではないかと最近は考えています。
 砦コストが4労働者6金、聖域コストが4労働者6金と、いずれも安いのはウィッチ以外ですと、アルケミスト、ドワーフ、ジャイアントと計4種族しかいないので、コストが安いことが特徴と言えるかもしれません。最終的に砦と聖域は両方とも建てて、恩恵タイル「2赤/6街」を有効活用して、得点タイル「砦聖域5点/2赤1労働者 or 2白1労働者」や「街5点/4茶1スコップ」でしっかり点を稼ぎ、ボーナスタイル「砦聖域4点/2労働者」でも点を稼いでいきたいです。
 そういう意味では、場の状況に合わせて、臨機応変に動くことが求められる種族と言えるかもしれません。

カルティスト

【能力】他プレイヤが魔力獲得時1教団
【砦】即時7勝利点
【特性】能力不発時1パワー
 他プレイヤの動向に左右されやすいという観点では、2回目ではやや難しく、3回目以降の、と言うか何回か『テラミスティカ』を遊んだことのある方が踏み込む種族ではないでしょうか。
 その能力は、他プレイヤに恵まれれば圧倒的です。とにかく巧みに隣接して、せっせと教団トラックを突き進みましょう。基本路線はオウレンと同じく、教団ボーナスを得つつ、複数の教団トラックにおいて1位を堅持したいです。ゲームの序盤から前半に掛けては、どのプレイヤも、いかに隣接して、いかに魔力を得て、いかに交易地を安く建てるかに注力しているはずなので、どんどん能力が発動できますが、中盤以降は、その機会が減ってきます。その傾向を、何回か遊んでいるプレイヤであれば知っているので、序盤は疾走を許してくれますが、プレイ回数の少ないプレイヤ同士で遊ぶと、序盤から警戒されてしまい、あまり能力を発動できないかもしれません。うまいこと喋って、そうなる事態を避けるのが懸命でしょう。
 前述の通り、中盤以降は能力発動回数が減っていきます。なので、能力の強さに頼り切ることなく、前半の内に自立できる体制を整えておくのが重要です。
 砦と聖域のコストは、それぞれ4労働者8金と安くありません。特に砦は早い段階で建てても2パワーの収入にしかならないので、5ラウンド目か6ラウンド目の得点タイルが「砦聖域5点/2赤1労働者 or 2白1労働者」なら、勝利点のために建てても良い、くらいでしょうか。得点タイルと噛み合わないタイミングで、純然たる7勝利点のためだけに4労働者8金も使うくらいなら、1司祭2労働者5金でスコップレベルを上げて6点を貰った方が効率的かと思われます。

終わりに

 思いのほか、がっつり書いてしまいました。
 全14種族を一気に書こうとすると大変なので、まずは初心者〜初級者向けに7種族を紹介しました。後半では残りの7種族を紹介したいところですが、正直、書ききれる自信がありません。
 特に、ドワーフとエンジニアの2種族。後、スウォームリングも厄介かな。
 ダークリング、ファキア、ジャイアントあたりは、わりと悩まずに書ける自信があって、カオスマジシャンも長くなりそうですが、なんとか書けるのではないかと。でもなあ……一番の敵はドワーフですね。
 まあ、ゆるゆる考えてみます。では、また。