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『清州会議』を観て、偉くなるのは機転が利くひとだと改めて思った次第

 営業って、ほんとうに面白い職種だなあと常々、思います。
 そんなことを三谷幸喜の『清州会議』を観て思い行った次第です。
 秋山です、こんにちは。
『清州会議』のネタバレ、します。

普段は

 商社の営業をやってます。
 物を右から左へ流すだけの、かんたんなお仕事。
 粗利率は30%がターゲットなので、100円で仕入れた製品を145円で売るわけです*1

と言っても

 見積もりを書いて受注するなんて工程は、業務の1割にも満たない。と言うのが秋山の考えです。営業の仕事は、ビジネスの流れを作ること。ヒトとモノが、何処から何処へ、どのように流れて、その過程で、お金が、いかに生まれ、流れていくか。その絵を描くのが営業、だと捉えています。
 業種によって、また、人によって営業の考え方や捉え方は異なるので、そういう点も含めて営業という概念は、面白いです。

話が最初から逸れてましたね

 三谷幸喜は、けっこう好きな映画監督です。
 元々、演劇畑と言うこともあり、限られた空間を最大限に活用するのが上手い、という印象を持っています。『清州会議』は名古屋に住んでいた頃に公開されたので、観ようと思っていたんですけれど、何でですかね、タイミングが合わなかったからなのか、うっかり観ていませんでした。

清州会議

 本能寺の変において、織田信長と、その嫡男の織田信忠が死に、織田家の後継者を決めるために開かれた会議、それが清州会議、だそうです。今、Wikipediaで確認しました。
 日本史に疎い秋山は、織田信長の時代があって、明智光秀の三日天下があって、それから豊臣秀吉の時代に入った。と、ざっくりとしか知りませんでしたが、この清州会議において、豊臣秀吉が信長の嫡孫である三法師を担ぎ上げたことで、それまで重臣筆頭であった柴田勝家の影響力が低下し、秀吉天下のルートが切り開かれたわけで、言ってみれば、この清州会議がターニングポイントだったわけですね。

劇中での描かれ方

 当初は、丹羽長秀と柴田勝家陣営の圧勝感がありました。でも、柴田勝家は、とにかく暑苦しいのですよね。脂ぎっていて。戦場では強そうだけれど、一切の陰謀ができないキャラです。
 これに対し、豊臣秀吉が「サル!」と呼ばれ「うひひ」と笑いながらも、黒田官兵衛と共に、次から次へと策を打ち出していくんですよね。で、最終的に、前述の通り、豊臣秀吉が三法師を担ぎ上げて、丹羽長秀と池田恒興を味方につけて、清州会議を制する、と。
 印象的だったのは、豊臣秀吉と柴田勝家が語り合う終盤のシーン。

「藤吉郎」
「親父殿」
「教えてくれんか。わしには、織田家を支えていくちからはないか?」
「織田家は、もうかつての田舎大名ではございません。お館様が目指していたのは天下統一。そして、それは、もう。目の前でございます」
「そこに、わしの居場所はないか?」
「……はい」
「…………ないかあ」
「申し訳ございません」
「いや、構わん。そんな気がしておった」

 いや、グッと来ますねえ!
 最高ですよ、ここ。
 泣けます。
 かーっ!
 いいですね!

振り返って営業について

 営業もですねえ、いつまでも現場に立って数字を上げていく営業と、昇進してマネージャになる営業がいますけれど、ほんと、面白いことにマネージャに求められる資質と言うか、そういうのって営業に求められていたものとは違うんですよねえ。
 30を過ぎたからでしょうか、いつまでも、ただの営業でいるわけにはいかない。そんなことを考える毎日ですよ。
 柴田勝家の生き方は、ひとつの格好良さがありますけれど、柴田勝家は負けルートなんですよ。豊臣秀吉にならなきゃあ、いけない。ターニングポイントにいるわけですね。
 そんなことを『清州会議』を観ながら感じました。
 良い映画でした。
 激烈に面白かったです。

*1:さらっと書きましたけれど、営業職でなければ、一瞬、混乱するかもしれませんね。粗利率は販売価格の中で、粗利が占める割合のことなので、販売価格145円の内、45円が粗利なので、粗利率は30%となるわけです。