雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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エッセン・シュピール2017旅行記(2日目)

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 お待たせしました、エッセン旅行記の2日目です!
 写真を見返しながら書いているので、けっこうパワーを使うので、一気に書けないのですが、さっさと書かないと、どんどん記憶が風化していくので急ぐ必要もあり、はわわ~、という感じです。
 さあ、早速行きましょう!

この記事は2日目です!

 1日目はこちら。
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まず、エッセン・シュピールについて

 一説によると、Tablegame in the Worldの小野さんが、エッセン・シュピールという表現を始めたから、日本では、エッセン・シュピールという語句で知られている様子です。
 エッセンと言うのはドイツの地名です。エッセンには、メッセ・エッセンというコンベンションセンターがあります。そこで「シュピール」というイベントが開催されています。だから、エッセン・シュピール、なわけですね。尚、現地では、誰ひとりとしてエッセン・シュピールと呼んだりはせずに、ただ単に「シュピール」と言います。
 イベントの形態としては、日本では、ゲームマーケットと対比されることが多いですが、どちらかと言うと東京ゲームショウに近いかもしれません。


 閑話休題、このブログにおいては、エッセン・シュピールのことを、気分に応じてシュピールと表現したり、エッセン・シュピールと表現したりします。長いものには巻かれていくスタイルです。
 さて、このシュピールですが、木曜日から日曜日までの4日間が対外的な会期となりますが、水曜日がプレスデー、いわゆる取材陣向けの日程として設けられています。
 では、その様子を秋山目線で紹介していきましょう。

起床~水泳

 起床、と言うか、この日は時差ボケで早朝3時くらいに目が覚めました。
 仕方ないのでグラブルしたり、仕事してたりしていました。休暇中も会社PCを広げて仕事してしまう、駄目な人間です。


 朝6時半、ホテルのプールが解放されるということで、水着を持って、プールへ向かいます。
 更衣室で着替えてから、着替えをロッカーに放り込もうとしたところで気が付きます、


「2ユーロって書いてある……」


 まさかキャッシュが必要になるとは予想だにしなかったので、財布は客室に置きっぱなしです。
 かと言って、もう水着に着替え、完全に泳ぐ気分なので、今さら洋服に着替えなおして、客室に戻るわけにはいきません。仕方ないので、プールの監視員と交渉することにします。


「まさか、ロッカーを使うのにキャッシュが必要だとは思わなかった。なんとか無料にしてくれないか? それが駄目だったら、ちょっと貸してくれないか。後で返すからさ」


「お前はどうしたいんだ? ロッカーを使いたいのか? それとも、泳ぎたいのか?」


「泳ぎたいんだよ、もちろん!」


「だったら泳げばいい。ホテル内は自由に使っていい。荷物はロッカーに入れてもいいし、そこらへんに置いてもいい」


 置いてもいい?
 ふと見ると、プールサイドには、バカンス感のある長椅子が並んでいて、そのうちのいくつかには既にプールで泳いでいる泊り客たちのものと思しき荷物があります。
 なるほど、だからプールには泳いでいるひとがいるのに、ロッカーはすべて空だったのか。
 納得して「せんきゅー」とお礼を言って、早速、プールに入ります。


 ホテルのプールは、何ていうんですかね、レーン? いわゆる間仕切りがなく、ただひとつのだだっ広い空間でした。皆、なんとなく左右のひとの迷惑にならないよう泳いでいます。
 これがあれですか。
 自由の中の秩序。
 後、何故か、みんな平泳ぎしていました。
 クロール、背泳ぎ、皆無。
 オール、平泳ぎ。
 なんで? と思いつつ、平泳ぎします。
 自由の中の秩序。


 そんな感じで30分ほど、休み休み泳いで、適度に疲れたので上がります。
 ドイツは緯度的には北海道よりも北で、乾燥もしているので寒いです。ただ、室内は暖房が完備していて、温かいです。このプールも暖房に囲まれていて、水の中は冷たいのですが、壁際は温かいです。けれど、何故か中庭につながる扉を開けっ放しにしていて、冷たい空気がびゅうびゅう入ってきています。もう、寒いんだか暑いんだか分かりません。
 リフレッシュコーナーにあった足湯やサウナも気になりましたが、集合時間も近づいていたので、いったん客室に戻ります。

朝食~出発

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 今回、エッセン・シュピール参加において、秋山の位置付けは、ヤポンブランドの協力者です。
 ヤポンブランドと言うのは、日本のボードゲームデザイナの連合みたいなもので、皆で力を合わせて本場のエッセンへボードゲームを持っていって売ろうぜ! ということをやっています。
 実際には送料や、現地の価格感といった壁に阻まれて、ここで売ることによって大きな利益は得られないのですが、大きなパブリッシャーの目に止まって、版権を高く売ることができれば利益に繋がるかもしれませんし、海外のファンに触れたり、大きな市場を体感することで、日本とはレベル感の違うフィールドで戦えるという楽しさがあります。
 秋山は、自分で言うのもなんですが、支援系のキャラで、陣頭に立って旗を振るよりかは、旗を振るひとのためを手伝うことの方が好みだし得意なので、海外に挑戦していこうとする国内デザイナを応援したい気持ちでヤポンブランドに参加しています。


 と言うわけで、着替えて向かう先は食堂です。
 ヤポンは毎朝、食堂で集合して、ミーティングを行ってからメッセに向かいます。
 ここの食堂はかなり充実していて、数え切れないほどのハムとチーズがあって、全種類、よそっていくとハムだけで皿がひとついっぱいになったりします。
 この日は、朝から運動したので、普段以上に大きく食べて、いよいよ出発です。


「タクシーで行こうと思いますが、道を覚えたいという元気ある若者は歩いていってもいいですよー」


 とのことで、徒歩組に挙手します。
 ホテルからメッセまでの距離は10分から15分くらいでしょうか。ホテルがめちゃくちゃ辺鄙なところにあるので、人通りが皆無な場所を歩くことになります。歩道の脇は、もう完全に森でした。


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 大人しくタクシーに乗っていれば良かったと思っていたら、ようやく会場となるメッセに辿り着きます。


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 写真は歩道から、Uバーンのホームを見下ろしたところ。ちょうどエッセン中央駅からやってきた車両が、ホームに滑り込んだところです。そして、左手奥に見える茶色い建物がメッセのホール3ですね。

準備中の風景

 ホール1からメッセ内に入り、まずはヤポンのブースへ向かいます。


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 会場内に入ると、俄然、テンションが高まり、写真を撮りたくなりますね。まずはZ-MANのブース。中央に『パンデミック・レガシー』のタイトルが映し出されていますが、これは円形のディスプレイで、ぐるぐる表示されていました。『パンデミック・レガシー』は今年『2』が出て、きっとホビージャパンからも日本語版が出ることでしょう。


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 こちらはNoris社の『Escape Room Das Spiel(エスケープルーム・ダス・シュピール)』のブースですね。まだ設営中ですけれど。
 秋山が知る限り、国内での取り扱いは、神戸のトリックプレイさんだけです。海外の持ち帰り謎の中では、コンポーネントの出来が信じられないくらい良いので、ホビージャパンかアークライトには頑張っていただきたいところです。
 尚、『Escape Room Das Spiel』が、いかに素晴らしいかは、下記にて写真入りで紹介しています。
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 埃臭い会場を歩き回っていたら犬を発見しました。
 正面からも撮りました。


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 凛々しい。
 かわいい。
 もしかしたら、この犬、去年も会っていたかもしれません。
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 うん、完璧に同一ですね。
 きっとスタッフの飼い犬なのでしょう。


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 こちらは謎の鳥居。
 海外映画でもよくありますが、日本文化に謎の解釈が加えられて作られた何かってあるじゃないですか、この鳥居も、そういうものを感じますね。

プレスルーム

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 ヤポンブランドのブースで少しお手伝いしてから、プレスルームへ移動します。
 秋山の、最も重要なミッションは、プレスルームでのヤポンブランド作品の紹介です。
 プレスルームというのは、水曜日から金曜日まで解放される、取材陣のための部屋です。各社の新作や自信作が一堂に会しており、取材陣は、ここで写真を撮ったり、メーカーにインタビューしたりするわけですね。この日のために全ゲームをプレイして、全ゲームを英語でインストできるようにしました。


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 こちらは、NSV社の『THE GAME』。テーブルに置かれているのは、昨年の『THE GAME Extreme』に続く、シリーズ第3弾『THE GAME Face to Face』ですね。2人用の対戦型のゲームで、お互いに2から59までのユニークなカードを持ち、先にすべてのカードを出し終えたプレイヤが勝利という、シンプルながら奥深いゲームです。


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 先ほども紹介したNoris社の『Escape Room Das Spiel』の新作『Virtual Reality』です。
 スマホをセットすることで映像が映し出され、その映像を見ながら脱出するという仕組みだそうです。


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 いつの間にリリースされていたのか『Escape Room Casino』や『Escape Room Space Station』などの作品もありました。箱の大きさから言って、恐らく拡張キットでしょうね。『カジノからの脱出』と『スペース・ステーションからの脱出』みたいな感じでしょうか。
 写真中央にあるバッグはコンポーネントか、スタッフの荷物かは不明です。


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 こちらは『キングドミノ』。
 まだ誰もいませんでしたが、後にキングとクイーンに扮装したスタッフが腰掛けるのでしょう。


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 こちらは『アイスクール』。
 このペンギンって、クニツィアの『ペンギンパーティ』が由来になったらしいですね。


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 続いては『テラフォーミングマーズ』。
 基本セットの他、2種類の拡張セットも展示されていますね。国内でのリリースはどうなるのでしょうか。


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 いったん、プレスルームを辞して、記者会見の会場へと移動します。
 ホールに入るとカタログを貰ったので、早速、裏表紙を確認します。
 ダイス屋さん……でしょうか?
 昨年は、オインクゲームズさんが『海底探険』の宣伝を出していて「おおーっ!」と思ったのですが、今年は、どうやらただのダイス屋さんみたいです。残念。


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 テーブル上に置かれたサンドイッチやコーヒーを楽しみながら開会を待ちます。
 時間になると司会の方がドイツ語で挨拶して、最近のシュピールの参加者傾向などの統計データを喋り始めます。面白かったのは、inno賞という、最もイノベーティブなゲームに与える賞が新設されたのですが、それにノミネートされたフリーゼが登壇したところ。


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 フリーゼが近づいてきた司会からマイクを受け取って喋ろうとしたら、


「ああ、君のトークのための時間は用意してないんだ」


 とすげなく断わられ、わりとフリーゼが好きな秋山は、内心がっかりですよ。
 まあ「せっかく、最高にクールでファンタスティックなネタを仕込んでおいたのに、披露できなくて残念だぜ」と言わんばかりに肩をすくめてみせたフリーゼが見れたので良いことにします。


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 inno賞の後は、最近の流行ということで、まずは戦略的なゲームが紹介されました。
 写真は『パンデミック・レガシー セカンドシーズン』、ホビージャパンさん、よろしくお願いしますよ。


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 こちらは、ウヴェ・ローゼンベルクの新作。相変わらず重そうです。


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 もうひとつの流行として取り上げられたのは、殺人事件を取り扱ったもの。
 特に、この作品は、現役の小説家自身が携わっているらしく、デザイナと共に登壇し、けっこう長いインタビューを受けていました。
 ここで質問です。
 このときの秋山の心情を三十文字以内で答えよ。
 答えは下記の通りです。


「こんなに時間があるんだったら、フリーゼに喋らせてやれよ」


 続きましては持ち帰り謎について。
 ドイツでも大流行しているリアル謎解きゲームは、昨年からボードゲーム化が推進されているのですが、今年に依然として売れているらしく「メガ・ヒット」と称されていました。


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 1枚目はコスモス社が出している『EXIT』シリーズ。写真には3作しか映っていませんが、この3作がリリースされたことで、シリーズ計9作となりました。昨年のシュピールの頃は、まだ3作だったので、1年間で6作も出したことになるので、けっこうなハイペースです。国内ではゲームストア・バネストさんと、グループSNEさんがやってくれるはずです。


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 こちらは、Abacusspiel社の『DECKSCAPE(デックスケープ)』ですね。
 いわゆるアミーゴ小箱サイズに収まったシンプルなものです。国内ではゲームストア・バネストさんが扱っています。


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 続きまして『アンロック』ですね。
 これは、第1弾がホビージャパンから素晴らしい完成度で日本語化されてリリースされています。第2弾以降も楽しみですね。


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 こちらは『Escape The Room』の第2弾ですね。
 個人的には、海外の持ち帰り謎の中では、抜群の完成度で、最も面白いと思うのですが、未だ国内で入手する手段はありません。国内代理店各位におかれましては、何卒、ご検討の程、よろしくお願い申し上げます。


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 そして、もう何度も紹介している『Escape Room Das Spiel Virtual Reality』ですね。
 ここまで見終えたところで、そろそろ自分の仕事に集中しようと思い、プレスルームに戻ります。その後、2時間くらいは、ずっとヤポンブランドの前で、通りがかる取材陣に向けて、ずっとゲームの説明をし続けました。


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 写真は夕方になり、ようやくプレスルームから取材陣が減り始めた頃。だいたい、こんな感じでいろんなパブリッシャーが、それぞれの新作を展示しているわけですね。


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 ヤポンブランドのブースに戻る前に、外に出たところです。
 昨年も思いましたが、メッセ・エッセンのロゴは、東京メトロのロゴに似ています。

ヤポンブランドの設営準備~その後

 疲労困憊の状態で、ヤポンブランドのブースに戻ってきたら、皆さん、慌ただしく作業していました。
 実は、シュピールの主催が、今年からエッセン市か、デュッセルドルフ市へと変更になったのですが、それに伴い、販売する商品はCEマークを取っている必要があると規約が変わったのです。CEと言うのは、何と言うのでしょうかね、まあ、子どもが触れても大丈夫、みたいなやつで、もし身近にヨーロッパで作られているものがあれば裏を見てみてください。きっとCEマークがあるはずなので。


 で、その大変な作業を2時間ほど手伝ってから、秋山は、メッセ・エッセンから徒歩15分ほどの立地にある、ドイツの常設型謎解き施設「Team Escape」に向かったのでした。
 詳しくは下記をご覧ください。
www.unjyou.com

終わりに

 そんな感じで、怒涛の2日目は、これにておしまい。
 明日からはいよいよエッセン・シュピール本番です。