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世界が闇に覆われる前に『大魔王ゾーマからの脱出』の感想

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 2018年8月11日から19日までの約1週間、幕張メッセの展示ホール9から11を贅沢に貸し切って開催されるリアル脱出ゲーム『大魔王ゾーマからの脱出』の初日初回に参加してきました。
 果てしなく疲れきりましたが、大満足な内容だったので、紹介したいと思います。ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

ストーリー

あなたは、とある村で生活する普通の村人。
勇者の末裔でもない。剣など握ったこともない。
しかし世界には魔の手が忍び寄り、誰かが立ち上がらなくては
平和な日々はやって来ない。


あなたには攻撃力はない。守備力も大したことはない。
しかし、あなたはたった一つの強い武器を持っていた。
その武器の名はひらめき。
ひらめき力を使って、あなたは旅に出る。
広大な世界に隠された様々な謎を解きあかすために。
どこかにいる、囚われた勇者を助け、
勇者と共に世界を救うために。

https://realdgame.jp/DQ2018/

 主人公である我々は、当たり前ですが、ただの村人です。
 勇者の末裔でなければ、武器をまともに振るうことすらできません。しかし、勇気だけはありました。このまま、手をこまねいていれば、世界は闇に覆われ、大魔王ゾーマによって支配される絶望の世界と化します。
 一歩。わずか一歩、されど一歩を踏み出す勇気を持っていた人物。それが我々です。
 勇者などではないし、賢者でもありません。ただの村人であり、ただの村人でしかない我々が、世界を救うのです

参加形態

 今回は、半分時間制限のある周遊型リアル脱出ゲームです。
 舞台は会場内。明確な時間制限はありませんが、リアル体力には限りがありますし、閉館の時間までには終わらせざるを得ません。
 さらに、1チーム4名でパーティを組む必要があります。
 秋山はぺこらさんと2名分のチケットを取っていたので、現地でもう2名を探しだし、パーティを組む必要がありました。プレイ時間は、ざっと3時間以上は掛かるでしょうから、ここで組んだ相手によって、このゲームが面白いものになるかもしれませんし、そうでない退屈で冗長なものになるかもしれません。非常に重要な、しかし難しい選択です。
 ルイーダの酒場、と呼ばれる3人以下で来てしまった参加者の溜まり場に着くなり、


「お二人ですか~?」


 とスタッフの方が声を掛けに来てくださいましたが、こちらは本気です。絶対に楽しめる2人組を探さないといけないのですから。素早く、周囲を見回し、男女の2人組を探します。
 そして、ルイーダの酒場の隅に佇んでいらした2人組を発見しました。


「私の方から、声を掛けてもいいですか?」


「え? はい、大丈夫ですよ」


「ありがとうございます」


 ざくざく歩いて、目当てのお二人に話しかけます「一緒に遊びませんか?」と。
 かくして、首尾よく4人パーティを組むことができたわけですが。もう、体感的には、ここで向こう1ヶ月分の運を使い果たしたかもしれません
 ほんとうに素敵なお二人で、最初から最後まで、まったく嫌な想いをすることなく、むしろ活き活きと楽しい時間を過ごすことができました。
 これから挑戦される、3人以下の方も、良いパーティが組めますようにお祈りします!!

プレイ開始

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 そんな感じで、ようやくゲームが始まったわけですが、ここから先の長いこと長いこと。
 総プレイ時間を先にお伝えすると、プレイ時間は4時間20分でした
 この時間の大半は移動と、渋滞に巻き込まれての待ち時間ですが、仮にトップを走りつづけ、まったく渋滞に引っかからなかったとしても2時間は要するでしょう。それだけの分量があります。
 と言っても、謎的に難しいわけではなく、どちらかと言うと茶番側に寄っていたように思います。印象としては、謎が解ける喜びよりも、ドラクエ的な体験をリアルに味わえることに比重を置いている、という感じです。
 モンスターを倒したり、カジノで稼いだり、ぱふぱふしたり。
 そうそう、ぱふぱふですが、グッズショップで2000円ごとにぱふぱふ券を使えば、ぱふぱふ部屋で、リアルぱふぱふできます


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 果たしてリアルぱふぱふとは何なのか? 気になる方は、是非、自らの目で確かめて貰えればと思うのですが、注意すべきはその待ち時間です。秋山が気づいた頃には30分待ちとなっていて、最終的には1時間以上の待ち行列になっていました。
 ぱふぱふする予定がある方は、悪いことは言いません、自由行動できるようになったら、行列が短いうちにぱふぱふしに行くことをオススメします。初手ぱふです、お忘れなく


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 閑話休題、中盤までは周遊型リアル脱出ゲームと言うより、リアルドラクエゲームという感じでした。意味のないアイテムもいっぱいあって、看板は裏側を見ると、ほぼ必ず「裏からは読めなかった」みたいなパネルが貼ってあったり、返事のないしかばねも転がっていて、ドラクエ感を演出していました。
 が、終盤に掛けて急に謎度が上がると言うか、ストーリーが深みを増すんですよね。
 それまで、ちょっと一歩、引いていたと言うか「疲れたなあ。どうせ、これ後で使うんでしょ。ああ、やっぱり」と冷めた秋山を、一瞬で活性化させて「何これ、こんなことになってたの面白い! 面白いぞ!!」と熱くさせてくれました。


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 ちなみに、団員先行でチケットを抑えると名札を貰うことができるのですが、この名札を身に着けていると、スタッフさんがことあるごとに話しかけてきてくれました。「アキヤマよ! ここから先は危険だ。心して行けよ!」みたいな感じで。
 この物語世界に入り込む感は、いかにもSCRAPですよね。
 そして、最後のゾーマ戦。


ゾーマ戦はすごいです。ZEPP公演のバハムートや進撃の巨人並の迫力でした。マジで凍りつきました


 ほんとうに良かったです
 大塚明夫さんの声は、めっちゃくちゃ良かったですし、青木さんの司会も、ここ最近ではいちばんでした。
 ちなみにゾーマ戦ですが、制限時間ありです。

フィールドの奥深くで行う「大魔王ゾーマとの戦い」では時間がとても重要です。ゾーマを倒すためには制限時間内にある「謎」を解き明かさなくてはなりません。制限時間内にその謎を解き明かすことができれば、見事大魔王ゾーマを倒し、脱出成功となります。

https://realdgame.jp/DQ2018/play/

 それまで時間制限のない周遊型なのに、いきなり時間制限のあるホール型に化ける感じです。
 しかも、

「大魔王ゾーマとの戦い」では、脱出に失敗するとパーティが全滅してしまいます。全滅してしまったパーティは教会で復活することができます。 しかし、ゴールド(1人1,000円)が失われます。

https://realdgame.jp/DQ2018/play/

 これ、知らなかったので、ゾーマ戦の直前に知らされて、内心「うひー!」と思っていました。
 が、これくらい、プレッシャを掛けられた方が、かえって謎解き力が上がるのかもしれませんね。同時間帯の参加者のなかでは、見事、3番目に脱出成功することができました……!

脱出を終えて

 ノーコンティニューで脱出を終え、クリア特典も無事に貰うことができました。

 4時間20分、お世話になったお二人で感謝の言葉を述べて解散、足がくったくたになるほど疲れましたが、ラストの盛り上がりが半端なく、振り返ってみると楽しい時間を過ごすことができました。


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 会場の出口には、えにぐまくんが待っていて、ねぎらいのアイテムとして塩タブレットを貰うことができ癒やされました。
 終わった直後は、ほんとうに疲れ切っていて、


今は、ただ水が飲みたい。できれば座りたい。許されるならば横になりたい。そして目をつむりたい


 と放心していましたが、後から「あのシーンはドラクエっぽくて良かったなあ」とか「染川さんの村人感、半端なかったなあ」と、じわじわ思い出が戻ってきて、しみじみ感動します。


ぺこらさんは?

疲れたね

分かる

でも良い話だったよね。特にエンディングが良かった

そうね、そう言えば、ちょっと泣きそうになってしまって涙を堪えたのだった。あの展開は、泣いちゃう

思ったより長かったよね。フード食べてみたかった。休むタイミングを逸したよね

知らない方と一緒だと、なかなか言い出せないよね

フォトスペースでスライムの帽子かぶれて良かったよ

ぺこらさん、あの帽子、好きですよね。たしかエッセンでもかぶってた……

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