雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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『これはトリテなのか?展』訪問レポート


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 トリックテイキングゲームオンリー会「TrickTakingParty」の主催である、ひげくまごろうさん主催の会『これはトリテなのか?展』に行ってきました。
 せっかくなので、かんたんにレポートします。

概要

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 会場は武蔵小杉駅徒歩1分、中原市民館の会議室を借りて開催されました。
 計6デザイナが、それぞれ「これはトリテなのか?」と思う作品を持ち寄り、基本的には1人1卓担当。
「展」とついていますが、ルールやコンポーネントを展示しているわけではなく、実際に遊ぶことができますし、遊ぶことがメインの会です。デザイナ自身がインストし、その卓で遊べるゲームは決まっているので、イメージとしては、ゲームマーケットの試遊卓でした。
 空いている卓を探しては「ここ、入れますか?」と聞いて、遊ばせてもらう感じです。
 秋山が参加したのは、開場後、10分後くらいで、開始1時間くらいは耐えず1卓は空いていたので、次から次へと渡り鳥のような遊べましたが、そのうち満席となってしまい、どこかの卓が空くのを待つような感じになってしまいました。
 以下、遊んだゲームを紹介します。

トリックテイキングについて

 その前に。
 トリックテイキングとは何か?
 それは、トリックテイキングとは何か? と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想です
 なんて、犀川先生みたいな考えはさておき、トリックをテイクすれば、トリックテイキングで良いのでは? というのが、秋山の所感です。マストフォローかどうか、切り札の有無も、あんまり気にしません。自分で言うのもなんですが、比較的、度量の広いトリックテイキングプレイヤだと自認します。
 気を取り直して、各ゲームの感想について。

りかちさん(四等星)『リボーク』

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 最初に遊んだのは、りかちさんの『リボーク』。
 たしか赤桐さんの『トランプゲーム大全』だったと思いますが、トリックテイキングは産業革命以後のゲームだと書かれていました。ゲームを遊ぶにあたって、人々が嘘を吐いたり、イカサマせず、正直に遊ぶことができるようになったのが、その頃だそうです。
 マストフォローのトリックテイキングの場合、フォローできるかできないかは、ある種の紳士協定となります。
 そして、この紳士協定に反し、フォローできるのにしなかったのを「リボーク」と呼び、この「リボーク」をルール的に許容しているのが本作『リボーク』となります。
 手札3枚のマストフォローで、全員がフォローしたときはリードプレイヤが、ひとりでもフォローしないプレイヤがいた場合は、最後のプレイヤがトリックを取ることになります。全プレイヤは、いつでも他プレイヤが出したカードに対して、リボークを宣言することができます。指摘を受けたプレイヤは、手札を全公開し、自らの身の潔白を証明するか、ブラフであったことを白状し失点を受けることになります。
 ルールを聞いたタイミングでは、トリックテイキングよりもブラフの要素が強いのではと感じましたが、手札3枚というのがミソで、あんまりウソを吐くメリット及びリボークを指摘するメリットがありませんでした。事実、秋山は最初から最後まで、正直にカードを出し、一度もリボークを宣言せずに勝ってしまいました。手札が4枚だったならば、話は変わってきたかもしれませんね。ここらへんのバランス調整は難しいものです。
 ところで、リボークがルールに組み込まれたトリックテイキングと言えば、操られ人形館さんの『とりっく&でざーと』が面白いと思うので、機会があれば、是非、遊んでみてください。

りかちさん(四等星)『ブラックブラックレディー』

 引き続き、りかちさんデザインによる『ブラックブラックレディ』。
 タイトルから察せられる通り『ブラックレディ(ハーツ)』の本歌取りです。
 概ね『ブラックレディ』と同様ですが、差異としては、リードプレイヤが出すカードは、必ず裏向きになること。そして、自分が出したスートとは異なるものを、発声しても良いこと。尚「ハート」は発声できません。
 トリックの勝敗自体は、実際にプレイされたカードが優先されるので、たとえばクラブを出しつつ「ダイヤ」と発声すれば、容易に勝てます。尤も『ブラックレディ』は負けるのが大事なゲームなので、容易に勝てるようになっても勝てないわけですが……。
 上述の通り、勝ちやすい構造になっているので、元の『ブラックレディ』よりシュート・ザ・ムーンは狙いやすいです。

りかちさん(四等星)『ラプラシアン』

 最後は「ラプラスの悪魔」をモチーフとしたゲーム。
 カードを配られたら、全員一斉に手札を公開し、
・クラブ2を持っているプレイヤが、リードプレイヤ。
・クラブ2でリード。
・勝てるときは、勝てるギリギリのカードで勝つ。
・負けるときは、いちばん弱いカードで負ける。
 の、法則の元に、どのプレイヤが、もっとも多くのトリックを取るかを、瞬時に計算し、そのプレイヤにビッドするという、リアルタイムパズルゲームでした。
 はい、これはトリックテイキングではないですね。
 確かに勝敗判定のために、経過としてトリックテイキングしてはいますが、トリックテイキングをネタにしたパズルゲームと言って良いでしょう。
 ちなみに、面白いか面白くないかで言うと、非常に面白いと感じましたが、実際的なプレイ感としては、そんなにでもないです。ビッドが早いもの勝ちのリアルタイムなので、なんとなくAとKが多そうな方に、とりあえずビッドカードを投げてしまえば良いんですよね。
 正解したら、プラス5点に対し、間違えたらマイナス20で、棄権もOKみたいに点数配分を変えたら、勘によるビッドはなくなり、もう少し真剣に遊べるかもしれません。

mor!さん(四等星)『10 - 10』

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 3人から4人用の切り札なしのトリックテイキング。
 各カードには大ランクと小ランクの2種類のランクがあり、たとえば10の5だとか、3の8みたいな2種類の数字が書かれており、計55枚あります。
 リードプレイヤは、制約なくカードプレイが可能ですが、2番目のプレイヤには3つの選択肢があります。
・大ランクにフォロー:大ランクマストフォローになる
・小ランクにフォロー:小ランクマストフォローになる
・大ランクにも小ランクにもフォローしない:マストノットフォローになる
 つまり、2番目のプレイヤが、なにを出すかでゲームが変わるわけですね。
 また、カードのプレイですが、全員が1枚ずつ一周出したら終わりではなく、何周もします(ハードパス)。最後にカードをプレイしたひとがトリックを獲得し、最もトリックを取ったプレイヤが勝利します。


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 これは、とても面白かったです。
 大ランクと小ランクという2種類の数字をコントロールするという考え方は面白く、このまま製品化して、ゲームマーケットで販売しても成り立つのではないでしょうか。
 敢えて考えるとしたら、1トリック=1点とするか、1枚=1点とするかでしょう。後者を選んだら、トリックテイキングではなくなるような気がしますが。

新澤大樹さん(倦怠期)『ジンバブエトリック』

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 1が1枚、2が2枚……10が10枚ある『PAIRS(ペアーズ)』を用いた、マストフォローのトリックテイキングゲーム。
 フォローしたしないに関わらず、それまでに出したカード含め、最も大きい数字を出しているプレイヤがそのトリックを取り、リードプレイヤになります。最終的に1トリック1点で、最も多くのトリックを取ってしまったプレイヤは脱落。また、事前にリードプレイヤから順々にビッドするのですが、ビット成功の場合は1トリック2点になります。
 これも、面白かったですね。
 1位が脱落系のゲームは、つい勝つことに弱気になってしまうのですが、今回は、最後まで1トリックも取れず、0点でフィニッシュでした。
『PAIRS』を持っているので、また遊んでみたいなと感じました。
 ちなみに、タイトルのジンバブエは、ハイパーインフレの末、姿を消したジンバブエ・ドルに由来するそうです。

新澤大樹さん(倦怠期)『カウントアップ』

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 最後は2人専用のゲーム。
 1から21まであるカードからランダムに5枚引いて、1人8枚になるように配ります。
 親プレイヤがスタートプレイヤとなり、相手が出したカードに1~3の範疇で出せるカードが合ったら出しても良いです。いずれかのプレイヤがパスを宣言したら、最後にカードを出したプレイヤが1点獲得し、次のスタートプレイヤになります。
 ふしぎなプレイ感のショートゲームでした。いかに、相手が出せないカードを出し続けるかが肝でしょうか。プレイ感としては『スニップ・スナップ・スノーレム』に近しいです。
 パスができるので、途中から手札の枚数に偏りが出てきます。これは、トリックをテイクしている感がないので、トリックテイキングとは言えないような気がします……。
『知略悪略』のカードで遊ばせてもらいましたが、たとえば『ゲシェンク』でも遊べそうです。

終わりに

 と言うわけで、計3デザイナの方による6作のゲームを遊ばせていただきました。
 他のゲームも気にはなったのですが(特に、すげさんの『コミック・コズミック・トリックス!!』)、けして広くはない会場で、長い待ち時間を考えると、次の機会を待ってもいいかなあ、と。