雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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喫茶マーブルの『ゲームマーケット2019春の創作ボードゲーム事前体験会』参加レポート

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 2019年5月17日、喫茶マーブルにて開催された長谷川登鯉さん主催の『ゲームマーケット2019春の創作ボードゲーム事前体験会』に参加させていただきました。
 ゲームマーケット新作を4作ほど遊ばせていただいたので、かんたんにレポートします。

吉々庵『くだものがたり』

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 最初に遊ばせていただいたのは、吉々庵さんの新作『くだものがたり』
 紙ペンゲームの1種です。
 フェイズが前後半に分かれており、それぞれに得点のチャンスがあります。前半は、収穫フェイズ。1ラウンドごとに山から2枚のカードを公開、これを計12ラウンド行います。結果、24枚のカードが公開されるわけですが、この内の8ラウンド16枚を「くだものを植える」として紙に書くことができます。残りの4回は「ハチミツを集める」として、くだものを植えないことを宣言することで、そのラウンドでくだものを植えたひとの分だけ点数が得られます。
 収穫フェイズの面白さは、なんと言っても、どのようにくだものを植えていくかでしょう。同じ数字や同じくだものを隣り合わせに置くことができればジャムが抽出され、これも点数になります。また、ハチミツを集めるタイミングも悩ましく、より高得点にするためには、他プレイヤがくだものを集めるであろうタイミングで、ひとりだけ別行動でハチミツに走るべきですが、他プレイヤがくだものを集めたくなるタイミングというのは、当然、ジャムが大量に獲得できるであろうタイミングなので、自分だけ別行動をして良いのか? このビッグウェーブに乗るべきなのでは!? と、悩ましくて面白いです。
 後半は、自分の畑に植えたくだものを出荷する配送フェイズです。収穫フェイズに出てきた24枚のカードをシャッフルして、半分の14枚を順々にめくっていきます。このとき、自分の畑にあるくだものがめくられると、配送することで得点化できますが、敢えて書かずに機会を待つのも手です。


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 全体的に、随所に選択できるポイントがあり、ゲーム自体は30分くらいで終わる軽さなのに、プレイ感は充実感があって面白かったです
 また、特筆すべきは、絵を描くということでしょうか。カードをめくったり、ダイスを振ったりして、数字を書いたりマス目を塗りつぶす紙ペンゲームは多いですが、実際にくだものの絵を描くのは楽しかったです。

ちゃがちゃがゲームス『フラワーズ・フォー・バルコニー』

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 次に遊ばせていただいたのは、ちゃがちゃがゲームズさんの新作『フラワーズ・フォー・バルコニー』
 非常に可愛らしいゲームでした。
 箱が透明の瓶なのですが、この瓶が、そのままゲームに使うコンポーネントになっています。手番が来たら瓶を振って、なかに入っている花を出して、集合住宅のバルコニーを花で彩っていきます。
 花駒を3つバルコニーに置くか、屋上に1つ置いた瞬間に、該当する色の花を担当しているプレイヤが勝利します。今回はピンク色の駒が先行したので「すぐに終わっちゃう!?」と思ったのですが、このゲーム、よく出来ているのが、一度、バルコニーに咲かせてしまうと、瓶のなかからその駒が消えてしまうので、確率的に出にくくなるわけですね。
 しかし、瓶の振り方によっては、うまいこと出せないこともないわけで、なんとかして出そうとすると縁のところに引っかかってしまい出なかったりして、また、面白いです。

ハレルヤロックボーイ『ゴシップアンドザシティ』

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 次に遊ばせていただいたのは、ハレルヤロックボーイさんの『ゴシップアンドザシティ』
 これは、非常に面白かったです。
 テーマがアイドルやミュージシャン、政治家のゴシップということで、ややブラックではありますが、メカニズムだけに注目するならば、アミーゴ小箱で出ていても、ぜんぜんおかしくないユーロ感があり、端正なデザインでした
 とにかくカード交換のシステムが秀逸です。


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 手番プレイヤは、山札から1枚をめくります。各プレイヤは裏向きにカードを1枚出します。全員がカードを1枚出したら、手番プレイヤは時計回りに裏向きのカードをめくり、そのカードと山札からめくったカードを交換するかどうかを検討します。交換する場合は、お互いにカードを交換し、獲得したカードとして公開して手元に置いておきます。他のプレイヤは裏向きのまま、獲得したカードとして手元に置いておきます。公開したカードを交換したくないと思ったならば、さらに次のプレイヤの出したカードを表向きにして、交換するかどうかが選べます。


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 12ラウンドを終え、各プレイヤの手元に12枚のカードがある状態でゲーム終了。各スートごとに点数が5点以上かどうか、5点以上ならばアイコンが多いプレイヤが勝利点を獲得します。5スートの計算を終えた後、シールドアイコンを数え、最も少ないプレイヤは、どんなに勝利点を稼いでいても脱落。渋いデザインです。
 テーマが合うかどうかはあるかもしれませんが、OKであれば絶対に抑えておきたいゲームです。

SoLunerG『FOGSITE』

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 最後は、SoLunerGさんの『FOGSITE』
 名古屋近辺にお住まいのデザイナさんで、硬派なゲームを手がけられていらっしゃるということで、長谷川登鯉さんがGMとなり、遊ばせていただきました。
 これは、激烈に面白かったです
 プレイしている様子を見た瞬間に「これは、面白いに違いない」と感じましたが、実際に遊んでみて、面白さを実感しました
 いわゆる非対称のゲームです。5×5の迷宮内にガーディアンが1人と調査隊プレイヤが1~3人います。ガーディアンが迷宮を作り、調査隊プレイヤが迷宮のどこにいるのか決定します。調査隊プレイヤは、自分が迷宮のどこにいるのか知りません。
 調査隊プレイヤは手番が来たら、東西南北に移動を試みます。道があれば、ガーディアンプレイヤより「道です」と教えてもらえ、移動成功ですが、道がなければ「壁です」と言われ、移動失敗です。
 移動成功にせよ、失敗にせよ、チップを1枚取って、それを表向き(道が描かれている)、もしくは裏向き(壁が描かれている)を配置して、調査隊プレイヤは自分の周辺を少しずつ知ることができます。
 調査隊プレイヤの目的は、使用可能な道壁チップが尽きてしまう前に、全員が同じ地点に集合し「脱出!」と叫ぶことです。宣言のチャンスは1度きり。首尾よく脱出できれば調査隊プレイヤの勝利、宣言が失敗したり、宣言する前にチップが尽きてしまったらガーディアンプレイヤの勝利です。


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 途中までは、暗闇を進むようなイメージでしんどいばかりでしたが、最後の最後で、いっきに光が溢れるというか、迷宮の全貌が見えるようになり、無事にぺこらさんと2人で脱出成功することができました。
 めっちゃ好みで、個人的には傑作です。確かに霧の中、手探りで進むような感覚なのでタイトルのFOGSITE(霧遺跡)はしっくり来るのですが、販促の観点からはクトゥルフに寄せても良かったのではと感じました。たとえばアーカムシティからの脱出、みたいな。
 メカニズムはぜんぜん異なりますが『惨劇RoopeR』がお好きな方は、きっと楽しめることでしょう。

終わりに

 と言うわけで、計4作のゲームを遊ばせていただきました。
 いずれも非常に面白いだけでなく、コンポーネントの出来も優れており、クォリティの高さに驚きました。