2015年に公開された、ウォルト・ディズニーによる同名のアニメ作品の実写リメイクである映画『シンデレラ』を観ました。
恥ずかしながらアニメ版が存在していたことを知らず、単に童話を実写化したものだと思っていました。
- 発売日: 2015/07/31
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観ようと思ったきっかけ
直近で実写映画の『美女と野獣』を観ていたのですが、これが想像していた以上に豪華絢爛、そして楽しい作品だったので、ディズニーによる実写映画に対する関心度が一気に高まりました。
『シンデレラ』は、定番中の定番かつ、ストーリーラインとしては『美女と野獣』よりもシンプルに思えたので、元々あまり興味は抱けなかったのですが、まあ、せっかくだから……くらいのテンションで視聴に臨みました。
思っていたよりも良かった
端的に言うと、思っていたよりも良かった、です。
と言うか、改めて考えてみると『シンデレラ』は、様々な創作において本歌取りとして使われていますし、物語の強度が非常に強いですね。核がしっかりと設定されている、と換言しても良いかもしれません。
そして、そんな『シンデレラ』を、ディズニーが調理するわけで、これが面白くないわけがなかったです。
召使い時代は苦痛
シンデレラって生まれたときから召使いだと思っていましたけれど、最初は、ちゃんとした貴族の娘だったのですね。
それが不幸な行き違いから継母と義理の姉たちにいじめられるようになるわけですが、この時代は、正直、見ていて苦痛でした。いたたまれないと言うか、見ていられないと言うか。
もちろん、最終的にはガラスの靴がぴったり合って、お姫様になるというシンデレラストーリーを確立するわけなので、ハッピーエンドは約束されているのですが、それにしても貶められている様を見るのはやっぱり心苦しく「早く過ぎ去ってくれー!」と念じながら見ました。
「あなたを許します」は至言
王子に手を取られ、ずっと守り続けてきた実家を去る場面、エラが振り向いて継母であるトレメイン夫人に「あなたを許します」と言い放った瞬間、鳥肌が立ちました。
なんという高貴さでしょうか。
何年にも渡っていじめられ続けたわけで、エラの心中を想うと復讐心が渦巻いていて然るべきであるにも関わらず、それら一切を水に流し許す……とは。
人間としての度量の広さに感服せざるをえません。
豪華さには欠けるがそれで良い
カボチャの馬車に乗って王城へ向かうシーンなんかは、マジカルでドリーミングな感じでしたが、それ以外のシーンは、おおむね必要以上の豪華さはなかったように感じました。
ここで言う豪華さと言うのは、比較対象『美女と野獣』ですね。
『美女と野獣』が3D技術バリバリで、とにかく盛ってきていたのに対し、この『シンデレラ』は、わりと素材で勝負してきている感じでした。
元々、観ようと思ったきっかけが『美女と野獣』だったので、3D技術で盛られていないことに若干の寂しさを感じないでもありませんが、この素朴さこそが『シンデレラ』の『シンデレラ』たる所以であり、これで良かったのだと思いますし、これこそが正解だったとも思います。
終わりに
途中にも書きましたが、思っていたよりもずっと良かったです。
今のところ『美女と野獣』も『シンデレラ』も当たりですし、食わず嫌いをせずに素直な気持ちで観て良かったです。これは『アラジン』への期待も上がりますね。
意外に継母が不幸なひとだったよね。前の旦那さんに先立たれ、次の旦那さんにも先立たれ。特に2回目の旦那さんは、前の奥さんのことを、まだ想っていたし、シンデレラは前の奥さんに似てるらしいし。なんで結婚したんだろうね?
財産目当てでしょ
そうなのかなあ、昔はシンデレラみたいに優しいひとだったんじゃない。だから、余計に希望を持ち続けるシンデレラに対し、もにょもにょ思ったんじゃない? 私は汚れちまった、もうお前みたいにはなれないんだよ、みたいな。たしか階段でそんなような話をしてたでしょ
してた。でも、それは多分に好意的な解釈だと思う
え、そうなのかなあ。でも、そうじゃないと、あんなに悪いひとにはならないんじゃない。ところで、魔法使いがあんまり歌わなかったよね。って言うか、ちょっとおっちょこちょいなひとだったよね。魔法使いじゃないのかなあ、妖精みたいな?
あれは謎の存在だよね。アメリカ人が信仰する守護精霊を、具現化したものなのかなあ
そう言えば、チルダいたね! ネズミの
『マイス・アンド・ミスティクス』のチルダと、偶然にも同じ名前だったね
猫。ルシファーって名前だったね。ルシファーって、悪魔?
明けの明星でしょ。でも、堕天して悪魔になったっていう。サタンとも言うね
えぇーっ! なんで、猫の名前そんなんにしたの!
明けの明星自体は、良い意味だよ。光をもたらすっていうラテン語だよ
黒猫なのに? ……あっ、目が星みたいに見えたのかな。夜空に輝く星みたいな
……ただ単に、継母一派の悪性を表現するための、恣意的なネーミングだと思うよ
そうなのかあ