鏡貴也原作、山本ヤマト漫画による『終わりのセラフ』を1巻から11巻まで一挙読みしました。
……面白いじゃないですか!
いやはや、ぜんぜん面白いじゃないですか! と、そんな記事を書きます。
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暗いところが今風
その昔、ライトノベルを熱心に読んでいた頃がありましたが、基本的には電撃文庫を追っていました。次いで、角川スニーカー文庫。
富士見ファンタジア文庫も、いくつか読んではいましたが鏡貴也の『伝説の勇者の伝説』も『いつか天魔の黒ウサギ』も、何故だかタイミングが合わなくてスルーしてしまっていました。
その一方で、山本ヤマトがイラストを担当していたのは、わりと読んでいました。葉山透『9S〈ナインエス〉』も、片山憲太郎『電波的な彼女』と『紅』も、多崎礼『煌夜祭』と『本の姫は謳う』も……山本ヤマトがイラストを担当する作品は鉄板! そんな印象すらありました。特に『煌夜祭』は人生、何度、読み直してもよい傑作……あ、今、気づきましたけれど、中公文庫化されてますね。ライトノベルの装幀でなくとも、売れると判断されたのでしょう。
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山本ヤマトのイラストって、ライトノベルの表紙や挿絵で見るとちょうどいい感じですが、ずっと見ていると、暗くて重くて、ずっしり来るんですよね。まあ、序盤は、特に展開も暗いですしね。
けれど、最近、暗い話が流行ってるじゃないですか。そういう意味では、先見性があったということでしょうか。
暗いという共通点
仲間が信じられない、誰が敵か分からないという点において『進撃の巨人』や『約束のネバーランド』と共通点が多いなと感じました。
どちらも人間社会が崩壊していると言うか、現代日本とは大きくその在り方が変わっていますが、そこに生きる人間は、非常にしたたかで、強靭で、生き抜こうとする強さが迸っています。
世界観は暗いのに、登場人物たちは熱い、ですよね。
面白いと思います。
吸血鬼物としても面白い
中二病御用達の吸血鬼ですが、貴族という言葉から連想されるように特権階級的な存在として描かれています。
山本ヤマトの絵の綺麗さもあいまって、吉田直『トリニティ・ブラッド』を思い出しますね。
後は、吸血鬼には吸血鬼の社会があって、無秩序なモンスターではなく、統治された異種族がきちんと描かれているところも好印象でした。吸血鬼という種族を社会ごと描くという点において『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』に近しいとも言えるかもしれません。
11巻の終盤(ネタバレあり)
ここから、盛大にネタバレしますが、11巻の終盤、いきなり3ヶ月も吹っ飛んだのは度肝を抜かれました。
これ、伝わるかどうか分かりませんが、ディスク1が終わったからディスク2に切り替えたときを思い出しました。こういうの嫌いじゃないです。非常にあっさりとした第1部完! みたいな。
でも、ここから第2部が、また長々と始まると思うと、ちょっと寝かしてもいいかなと思い、ここでいったん読むのを止めることにしました。ハマってしまうと続きが気になって気になって仕方ないので、毎週、追いたくなっちゃうんですけれど、それはそれで負荷になりますからね。
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終わりに
冒頭にも書きましたけれど、めっちゃ面白くて、ページを繰る手が止まりませんでした。
Kindleは次の巻が、ワンクリックで買えてしまうので捗ってしまい困りますね……。