雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

きださおりさんゲスト!これはゲームなのか?展#2平日イベント『なのか鼎談 ゲームと企画』聞いてきました

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 なんかタイトルがめっちゃ長くなってしまいました。
 先週末から開催されている『これはゲームなのか?展 #2』ですが、平日限定イベントとして、毎日ゲストを呼んで「なのか鼎談」と称して、トークショーが開催されています。この2日目に相当する『ゲームと企画』を観覧してきたので、かんたんにレポートさせてください。
 登壇されたのは、ゲストのきださおりさんの他、袴田長武さんとカイジエンドさんです。

なのか展#2について

 そもそも『なのか展#2』とは!? については、前回訪問時にレポートを書いたので、そちらをご覧ください。

記憶交換ノ儀式

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 トークショーは19時からでしたが、18時前には現地に到着し、時間があったので、米光一成さんの『記憶交換ノ儀式』を遊ばせてもらうべく予約しました。
 こちらは5人でテーブルを囲んで、お互いにテーマに沿う思い出をキーワードだけ提示し、そのキーワードをシャッフルし、他のプレイヤーが自分の記憶として語り、共有するというものです。
 以前に当ブログでも紹介しましたが『光より遅く』に代表されるロールプレイングポエムのような印象です。



 楽しみにしつつ開始時間を待ったのですが、なんと時間になっても3人しか集まりません!
 米光さんに「後、2人。遊ぶひとを募りましょう」と声を掛けて会場を歩き回ります。そのとき、早めにお越しになられたきださおりさんが展示ゲームを見ていたのを発見したのですが、チキン秋山は声を掛けられず、その代わりカップルで来ていた方や、2人組の方に声を掛けて回り、なんとか5人が集まりました。
「これで遊べるぞー!」
 と思っていたら、TANSAN朝戸さんが小走りでやってこられ、米光さんに「もうひとり入れますか? きださんなんですけど……」と耳打ちするではないですか。やっぱり勇気を出して声を掛ければ良かった! と内心、歯がゆい思いをしていたら、米光さんが「いいですよ。6人のスペシャルバージョンにしましょう」とおっしゃられ、きださおりさんと同卓させていただけることになりました。わーい、光栄ー!


 と言うわけで、前置きが長くなりましたが『記憶交換ノ儀式』を遊びました。
 ルール概要は上述の通りですが、思い出はキーワードでしか伝えないので、曲解が曲解を生み、ぜんぜん異なる記憶として語られるのが楽しかったです
 初対面の方と遊んでも面白いですし、よく知っている仲と遊んでも、意外な過去が分かって面白いんじゃないかなと思います

ルールのたまご

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『記憶交換ノ儀式』の後、まだ時間が余っていたので、今日の登壇者が手掛けた作品に触れておくかと思い『ルールのたまご』を遊ぶことに。
 写真の通り、ガチャガチャの中に無数のルールが入っているという構造含めての作品です。
 入場料を払って、この作品に辿り着いたのに、さらにお金を払うのか! と、内心、モヤモヤを抱えつつガチャを回しましたが、出てきたゲームがふつうに面白いものでスッキリしました。

ゲームと企画

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 前段が長くなりましたが、ここからいよいよ、なのか鼎談『ゲームと企画』のレポートです。
 登壇者は、東京ミステリーサーカス総支配人として知られるSCRAPのきださおりさん、○○の椅子を手掛けた舞台芸術家の袴田長武さん、そしてCHOCOLATEのカイジエンドさん。
 お三方の中では、きださおりさんの手掛けたコンテンツは、いくつも遊んでいますが、他のお二人は、あんまり知りません……と思っていたら、CHOCOLATEさんの『ツッコミかるた』『しりとりスピード』『大統領トランプ』は以前にも遊んでいて、このブログでも感想記事を書いていました。


 お三方は、それぞれ異なるフィールドで活躍されていらっしゃる方で、またボードゲームと近いようで遠いようで、個人的に非常に興味深く聞くことができました
 以下、心に刺さった部分をいくつか紹介させてください。


・舞台芸術の仕事をするときは、いつも客席のいちばん後ろからチェックするようにしている。それは、客席も含めての舞台だから。この俯瞰する姿勢を作品に落とし込んだのが『○○の椅子』。実際に登ってみて、俯瞰の視点を得てもいいし、登らずに「俯瞰の視点があること」を想像するだけでも構わない(袴田氏)
・トークショーの前に遊んだ『記憶交換ノ儀式』が面白かった。会社の研修としても利用できるのではないか、派遣サービスはないのか?(きださおり氏)5万でやります(会場より、米光氏)
・多人数でのブレインストーミングをよく行なっている。『君は明日と消えていった』のブレストには女子高生を呼び、『ノゾキミカフェ』のブレストにはよく喫茶店に行くひとを呼んだ。昨日までも、イマーシブシアターを作るために、京都で一泊二日のブレストをしていた。よく多人数のブレストだとブレないか驚かれるが、どんなに人数が多くても自分はブレないし、体験型イベントが始まるともっと多くの参加者が来るから、どんなに人数が多くても情報量を多すぎるとは感じない(きださおり氏)
・情報収集するときは、正反対のものから情報を得るようにしている。オタクとミーハーの両立を心がけている。ボードゲームはシステムとテーマの二層に別れているので、ゲームを作るときはシステムを借りて、ニッチで尖ったテーマを載せるというスタイル。タイトルはワンセンテンスでキャッチーなもの、そして流通力を持っているものを考えている(カイジエンド氏)
・ポリシーは一生懸命生きること。(TANSAN朝戸さんの)想像の8倍くらいフットワークが軽いと思います。なるべく止まらずに生き、自分の辞書にない、見たことのないものに引っかかっています(きださおり氏)
・どんなものも1回やったら満足してしまうので、突き詰めるひとを尊敬している。そんな自分が初めてハマったのがイマーシブシアター。ロンドンが熱い、次が上海。ニューヨークは古典が多く、たまにスペインも注目作がある(きださおり氏)
・演劇の目線では、イギリスはシェイクスピアの国なので伝統的なものがあるが、パンクの国でもあるので反骨的なものも多い。小劇場が多いなど、日本との共通点もある。文化形成の観点では、トップのものだけでなく、裾野に位置するものも必要(袴田氏)


 他にも、けっこうメモを取ったのですが、キリがないので、これくらいにしておきます。
 だいたい1時間半でしょうか。司会がいて、ゲストに対してインタビューする形式ではなく、鼎談なので、3人がそれぞれのタイミングを見計らいつつ飛び込んでいくスタイルがスリリングで、見ている方も、ちょっと緊張しました。
 この手のトークショーの最後、質疑応答の時間でシーンとなってしまうのが嫌いなので、いつも真っ先に質問するようにしていますが、今回は、きださおりさんに「もし、なのか展#3に出るなら、どんなゲームを作りますか?」と聞きました。
「さすが、きださん!」と思わず唸るアイディアが、瞬時に、しかも2つも出てきたので、是非、なのか展メンバーは#3を前向きに取り組むと同時に、きださんにオファーを出していただきたいなと。

ふぇ?

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 鼎談の後、閉場まで少し時間があったので、ittenさんの『ふぇ?』を遊ばせていただきました。
 これは、傑作ではないでしょうか
 ittenさんと言えば『TOKYO HIGHWAY』がやはり最も知名度があるかと思いますが、個人的には『Yeti in the House』が大好きですし『MOON BASE』も好きです。
『ふぇ?』は見た目が面白いものの、なんだか気の抜けたタイトルからふわっとした、概念的な、もしくは抽象的な作品なのかなと思ったのですが、そんなことは全然なく、ゲームという概念を拡張する可能性を秘めた傑作だと感じました。
 遊び終えた後、タイトルの意味をお伺いして、その文化的な奥行きまで理解して、もう完璧だと感じました。
 これは、絶対に触れるべき作品なので、是非、会期が終わってしまうまでに見に行っていただければと思います

終わりに

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『創造的なゲーム、ゲーム的な創造』が、賑やかになっていました。
 このゲームは定点カメラで撮影して、少しずつ人間が増え、複雑さを増していく様子を眺めたいなと感じました。