雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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オンラインイマーシブシアター『泊まれる演劇 In Your Room「Room 101」』の感想

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 オンラインイマーシブシアターと銘打たれた「泊まれる演劇 In Your Room」シリーズの第1弾『Room 101』を遊びました。
 ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

泊まれる演劇とは、そして今までのおさらい

 名前から想像できる通り、いわゆる演劇のような座席や舞台は存在せず、真夜中のホテル全体が舞台となり、建物内をさまよい歩きながら、そこかしこで繰り広げられる演技を観劇するイマーシブシアターです
 海外で『Sleep No More』を体験したきださおりが感銘を受けて、2019年5月に『のぞきみカフェ』という、カフェ内で繰り広げられるで物語を、覗き見るという形のイベントを開催しました。そして満を持して、2020年4月に『銀座 有賀写真館物語』を、6月に『泊まれる演劇 MIDNIGHT MOTEL』が開催、予定でした。
 残念ながら、コロナ禍の影響でどちらも延期となりました。
 代わりに4月には『のぞきみZOOM』が開催されたり、5月には、泊まれる演劇 In Your Room『Room 101』が開催されたりしました。

泊まれる演劇 In Your Roomとは

 コロナ禍における、新しいエンターテイメントの形として作り出された、オンラインイマーシブシアター。
 それは、観客がインターネット越しにホテルという舞台を観劇し、鑑賞する画面を変えたり、キャストと関わることができる新しいタイプのイベントです
 残念ながら初演は、チケットを買い逃がし歯がゆい想いをしましたが、なんとか再演で触れることができて良かったです。

『Room 101』の感想

 申込時、紙のチケットとデジタルチケットの両方を選ぶことができました。
 ペーパーレスの時代だし有形品にこだわらないひとや、実家に住んでいて郵便物を受け取りたくないひと向けにデジタルチケットを用意しているのかなと思いきや、せっかくだから形あるものが欲しい! と思って紙のチケットを選択しました。
 結果、公演が始まるずっと前、紙のチケットが自宅に届いた瞬間から、物語の始まっている感を体験できて良かったです。
 ただ、後に分かりましたが、デジタルチケットはデジタルチケットで利点があるので、繰り返し参加しているひとのなかには、敢えてデジタルチケットを申し込むひともいるかもしれないな、と感じました。


 イベントの内容に関しては、ネタバレになるので言及は避けますが、さすが、きださおりさんプロデュース! としか言いようのない、クォリティの高さでした
 舞台の見せ方や展開、演出のすべてのレベルがとても高く、数あるオンライン公演のなかでも、トップクラスだなと感じました
 キャストで言うと、西郷豊さんの演技が、とにかく素晴らしかったです。終始、落ち着いているので聞きやすく安定感があって、Zoomの操作や参加者との絡みにも慣れていて、安心して見ていられましたし、集中力を欠くことなく楽しみつづけることができました。


 終了後、空になったZoomの画面を見ながら、しばし呆然として、興奮さめやらぬ、とはこういう状態だな。と、感じました。
 しかし一晩、経って改めて「良かったから、最初から最後までの展開を、改めて振り返りながら細部を楽しもう」と思って、頭のなかで整理してみたら、いくつかの不可解なポイントに気付きました。
「あれ。そもそも、この人物は、どう思ってこんなことをやったの?」ですとか「この人物がこうしたのって意図的? それとも偶然? いずれにせよ理解しがたい」ですとか……。
 夜のテンションもあって、勢いで押し切られましたが、考えてみると奇妙だなというポイントがあり、これは体験済みのひとと感想を共有したいな、と思った次第です。あるいは『Room 101』は『MIDNIGHT MOTEL』の前日譚という位置づけなので、今後、回収される伏線、なのかもしれません。

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終わりに

 ストーリー的には、ちょっとモヤモヤが残りましたが、見ていた瞬間は最高でしたし、演出はやっぱりトップクラスです。In Your Roomシリーズの第2弾は再演待ちですが、シリーズ第3弾の『ANOTHER DOOR』は今週末の回を予約済みなので、楽しみです。
 またIn Your Roomがつかない、リアルの泊まれる演劇『STRANGE NIGHT』も気になりますが、開催地が京都であることを考えると、このご時勢、自粛した方が良いかもしれない……と見送り予定です。参加される方が、心から楽しまれることを願うばかりです。