雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

戦場に采配を振るうものとしての楽しさが味わえる2人用対戦ボードゲーム『軍師軍略』の感想

f:id:sinden:20201012172347p:plain
 グランドアゲームズさんのボードゲーム『軍師軍略』を遊びました。
 2人用の対戦型のゲームです。

はじめに

 激烈に面白かったです
 人生で出会ったボードゲームのなかでも、ベスト10に入りうる傑作です
 以下、つらつらと書いていきます。

ゲームの概要

 チェスや将棋と同じく、2人用の対戦型ボードゲームです。
 テーブル上にボードを置いて、2人のプレイヤーが向かい合い、駒を使って敵軍へと攻め込んでいきます。
 勝利条件は敵の将軍を打ち取るか、敵国に駒を3つ侵入させるかです。
 2人交互に手番を行ない、先に勝利条件を満たしたプレイヤーがゲームに勝利します。プレイ時間は、だいたい1ゲーム45分です

『軍師軍略』のここがすごい

 このゲームは、複合的に様々な要素が、絶妙なバランスのうえに繋がりあっているので、なかなか魅力を伝えにくいんですよね。私も、最初にルールブックを読んだときは、正直「ふーん」という感じでした。
 しかし、いざ遊び始めて5分で「これは傑作だわ」としか言えなくなっていました
 と言うわけで、非常に説明が難しいのですが、試みてみます。


 まずは、プロット
 なんと言っても、これですね。
 チェスや将棋のような2人用アブストラクトゲームの場合、1手先、2手先を読むのが肝要ですが、このゲームの場合、そもそも1手先~3手先に何をしたいかカードを使って、アクションを予約することになります。
 従って、現在の盤面における最適解を選んだところで、数手先においては、もはや的外れなアクションになっていることも、全然ありえるわけで、刻一刻と変化する戦場の行く末を見極める必要があります。
 気分は、まさに軍師! 竹中半兵衛や黒田官兵衛の気分です


 そして、このプロットと連携するのが、ハンドマネジメントです。
 手札3枚と山札4枚の計7枚を使ってプロットしていくのですが、プロットしたカードは1枚おきに公開する必要があります。つまり、敵の予定している行動が半分だけ透けて見えるわけですね。同様にこちらの行動も透けて見えてしまうわけで、どのカードを公開のタイミングで配置し、どのカードを非公開のタイミングで配置するか考える必要があります。
 また、カードは4枚までプロットできるわけで、そうすると山札は引ききることができます。しかし、プロットすればするほど、実際に使えるタイミングは先手番となりますし、回収が遅くなります。
 たとえば3枚しかない移動攻撃のカードは非常に強力ですが、その3枚をいっぺんに使ってしまうと、もはやこちらの手札に移動攻撃がないことが知られてしまうので、そのすきを突いて果敢に攻め込まれてしまいます
 いつどのタイミングで、どのカードを使い、どのカードを公開し、どのカードを温存するのか。かなりの思考が求められます。


 さらにポイントとなるのが、盤面のコントロールです。
 どの駒を、どのように布陣するのか。どこに柵を設置して、敵の騎馬隊を足止めしたり、射手の矢衾を阻むのか、駒の向きは間違いないのか、伝令システムで一斉移動や一斉攻撃ができる布陣になっているのか。
 特に1手で、複数の駒を操作できる伝令システムは重要です。これを使いこなすことができれば、手数を圧縮することができるからです。
 しかし、伝令システムによる狙いは、相手から見て見破りやすく、先んじて柵を設置されたり、中央を突破させた後に、左右から挟撃する布陣を敷かれたりします。


 伝わっているかどうかさっぱり分かりませんが、軍略コストのコントロールも大事です。
 援軍を呼んだり、疾風伝令を打つのに用いる軍略コストは非常に重要で、これが枯渇している状態だと、出来ることが減ってしまい、手の内が読まれやすくなります。
 上述の通り、数手先を見通してプロットするわけなので、こちらの狙いが明確だったり、やれることが少ないと先んじて手を打たれてしまい手番を無駄にしてしまうのです
 軍略コストが十分にあれば、敵は援軍を警戒し続けることになりますし、疾風伝令による速攻にも気を配らなければなりません。軍略コストのコントロールは、敵のコントロールでもあるのです


 手番のアクションは、あらかじめプロットしておいたカードの効果発動と、先々を見越してアクションカードをプロットする、これだけです
 しかし、カードプレイの背景には、手札のコントロール、盤面のコントロール、そしてコストのコントロール、この3つが掛かっており、かなり考えどころが多いです
 そして、それらすべてをやりくりしながら、敵の狙いを盤面やカードから読み取ったり、敵のどの駒が将軍かを読む必要があります


 言いたいことだけ言ってしまいましたが、まとめます。
 まず、2人用対戦ゲームの傑作。これは疑いようがありません。
 次、軍師の気分が味わえるので、将軍よりも軍師が好きなひとは気持ちよすぎて死にます
 最後、カード枚数やコストのバランスが絶妙過ぎて、デザイナーがいかに考え抜いたのかが分かります。ゲームデザインそれ自体が好きなひとは、酔いしれられます

拡張について

 現在『軍師軍略』はKickstarterでクラウドファウンディング中です。今日現在、200%達成も目前!
 拡張キットも付属するとのことで、導入すると特殊能力が使えるようになるそうです。こちらの特殊能力は未体験ですが、個人的には、どうなのかな……と、やや懐疑的です。
 スキルやシナジー、アクションというキーワードが大好きな方は特殊能力と聞くだけでテンションが上がるかもしれませんが、私は、どちらかと言うとシンプルなシステムの組み合わせで奥深さを生み出すデザインに魅力を感じるので、特殊能力はそれと聞くだけで、やや腰が引けます。
 しかし、食わず嫌いはもっと嫌いなので、届いたらちゃんと遊ぶ予定です。
 面白かったら、ここらへんの文章は全部撤回するかもしれません。さあ、Kickしましょう!

一緒に遊んだぺこらさんとのラジオ

終わりに

『軍師軍略』はオンラインでの対戦にも対応しています。めちゃくちゃ面白くて、何回、遊んでもいいと思っているので、気になっている方はお声掛けください。インストも喜んでさせていただきます!