演劇プロジェクトアメツチによる朗読劇『ドラゴンギアスAnother~再生のための物語~』の初日初回公演を拝聴させていただきました。
ボードゲーム『ドラゴンギアス』を原作とする作品です。非常に感動的だったので、少し感想を書かせていただきます。感想部分はネタバレを含むのでご注意ください。
イベントの概要
朗読劇ですので舞台上のキャストさんは、全員その手に台本を持っており、それを読み上げるスタイルです。とは言え、雰囲気的には朗読劇と演劇の中間にあるようなイメージでした。キャストさんは全員、世界観を反映したファンタジカルな衣装に身を包んでいましたし、座ったまま台本を読むわけではなく、舞台上を歩き回り、台本を持っていない方の手で演技しながら高らかに読み上げていたので、感覚的には演劇を見たのに近かったですね。
原作『ドラゴンギアス』はボードゲームでありながら、ストーリー・世界観設定にイシイジロウ氏が関わっており、奥行きのある物語世界が広がっています。
本作はイシイジロウ氏原案の世界観に、オリジナルの設定や解釈を加えたもので、原作の雰囲気を壊すことなく、美しく拡大していました。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
イベントの感想(ネタバレあり)
メインとなる登場人物は、人類陣営の防衛の要である騎士団7名と魔女1名の計8名です。
騎士団の7名は、全員が白を基調に青を挿した衣装をまとっており、遠目にはちょっと没個性で、前半は立ち位置でしか区別することができませんでした。さすがに主人公のエリック役の小南光司さんとその親友ポジションであるマシュー役の阿部快征さんは分かりましたが、それ以外の方は申し訳ないですがあまり区別がつきませんでした。
魔女含め彼らが一気に立体的になり、存在感を増してきたのは、やはり後半、ドラゴンが現れてからでしょうか。特に手紙を書くシーンからは緊迫感が高まり、隣の騎士団がドラゴンの攻撃によって瞬時に全滅し「現実が押し寄せてきた」という台詞から、一気にピリピリとしたムードが伝わってきました。
その後は、500ゴールドを要求するサイネイ役の河本啓佑さんや明るく自己犠牲を選ぶジップ役の奥井那我人さん等、衝撃的なシーンが目白押しでした。特に、残った騎士団に檄を飛ばすヘンリー役の小坂涼太郎さんのシーンは涙が堪えきれず感動しました。
最後、旅人役の堀江一眞さんが、自身の名前を明かすシーンも良かったですね。
マックスファクトリー ドラゴンギアス (1-4人用 60分 15才以上向け) ボードゲーム
- 発売日: 2021/02/27
- メディア: おもちゃ&ホビー
以前に私は、ヤポンブランドの一員としてアークライトさんへの協力ということで、エッセンシュピールで海外のパブリッシャーに本ゲームを紹介したことがあるのですが、そのときもけっこうストーリー推しで説明したことを思い出しました。
本作は『ドラゴンギアス』の世界観がきれいに拡大されており、大満足の朗読劇でした。
終わりに
本朗読劇はクラウドファウンディングも開催されました。
私も成功を祈って少しだけ支援させていただきましたが、少しでもそのお金が役立ったのならば幸いですね。