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リアル捜査ゲームブック『帝國ホテル支配人の華麗なる推理』の感想

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 SCRAP出版の『帝國ホテル支配人の華麗なる推理』を遊びました。
 ネタバレには配慮していますが、気になる方は回れ右推奨です。

本の概要

 本書は2016年に明治村で開催された周遊型のリアル脱出ゲーム『帝國ホテル支配人の華麗なる推理~仕組まれた2つの罠~』を再構成し、ゲームブック化したものです。タイトルには「リアル捜査ゲームブック」と入っていますが、説明文には「体験型謎解きゲームブック」とあります。


 SCRAP出版の刊行物で「リアル脱出ゲームブック」という名称が入っている作品は多いですが、「リアル捜査ゲームブック」の名称が入っているのは本書の他、かつてリアル捜査ゲームという名称で開催され、終演後はゲームブック形式になった『歌舞伎町探偵セブン』だけです。
『歌舞伎町探偵セブン』は、すべてリアルで遊んでしまったので、果たして「リアル捜査ゲームブック」はどういう作品なのか、ずっと気になっていました。

本の感想

 結論から言うと捜査感は希薄で、いつもの「リアル脱出ゲームブック」で良かったのでは? という印象です。
 あるいは今後、SCRAPとして周遊型のリアル脱出ゲームを、どんどん書籍化していく予定があり、そのジャンル名としてリアル捜査ゲームブックを定着させたいのかもしれません。個人的には『歌舞伎町探偵セブン』が、リアル捜査ゲームとして高いレベルで完成していたのですが、そちらの価値を下げてしまうことになるのでは……? と危惧しますが。


 クリアに要した時間は、3時間ほど
 野口英世編、樋口一葉編、福澤諭吉編の他、早期購入特典として同梱されていた名鉄名古屋駅編も含めて楽しませていただきました。
 元が周遊型だったので謎の総数や文章量は控え目で、SCRAPの今までの「リアル脱出ゲームブック」と比較すると、プレイ時間は短めです。しかし、明治村まで足を伸ばさないと遊べなかった公演が、自宅で気軽に遊べるという観点では、実に素晴らしい一冊と言えます。
 特に明治村は、非常に広大で、アップダウンも激しく、謎は解けても移動に時間を要し、終わる頃には疲れ果てているというケースが多いので、家から出ることなく満喫できるというのは、実に素晴らしかったです

終わりに

 SCRAPは2018年にも『帝國ホテル支配人の偉大なる推理』というタイトルで明治村コラボを開催しているので、こちらのゲームブック化も待ち遠しいですね。