ヨーロッパ企画の第40回公演『九十九龍城』を見てきました。
序盤のみ、ふんわりとネタバレありの感想となります。
感想
上田誠率いる劇団ヨーロッパ企画を最初に認識したのは、2005年に映画化された公演『サマータイムマシン・ブルース』が話題になったときです。
タイムトラベルをテーマとした青春SFコメディで、当時、親しくさせていただいていたミステリ読みの方々が絶賛されていたのを記憶しています。
ただ、当時は映像作品や演劇作品に対する関心値が低く、恥ずかしながら今なお、触れていません。
あれから17年が経過し、演劇という作品形態に興味を抱きはじめた私にとって、第40回公演となる本作『九十九龍城』は、なんとなく17年ぶりのリベンジに感じられました。
しかも会場は、下北沢の本多劇場。
当日は期待で胸を膨らませて臨みました。
結果は、
得体のしれない何かが渦巻くカオスめいた空間に、複雑な人間模様が入り混じり、空中で何回転もしつつ、まったく予想できなかった地点に華麗に着地! 文句なしに傑作! 面白かった……!
と、震えるほど良かったです。
技術的にも物語的にも、すべてがハイレベルで、圧巻でした。
それに今風でもありましたね。
序盤は九十九龍城を監視している二人組が、細かくツッコミを入れながら物語が進むので、非常に親切だと感じました。ツッコミ役が解説を兼ねているので、なにが分かっているのか分かりやすいですし、楽しみ方をリードしてくれます。
慣れてきた中盤からは、観客自身も魔窟のなかに迷い込んでしまったような気分になり、さっきまで傍観者気分だったのに、気づいたら当事者になってた! というように臨場感がありました。
肩に力を入れすぎないように緩急を入れつつも、二転三転する展開も派手で、グッと引き込まれましたね。
とにかくすべてが完璧、すべてが期待以上でした。
終わりに
17年前に機会を逸してしまってから、なんとなく避けていましたが、やはり『サマータイムマシン・ブルース』は抑えるべきという気持ちを新たにしました。
他の、映像化されているヨーロッパ企画作品も、順次、見ていきたいですね。