雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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カラー水墨画で描かれる日本神話の異説『大神』の感想


 2006年にリリースされたカプコンのアクションRPG『大神』の、絶景版と呼ばれるSwitch版を遊びました。
 非常に面白かったので感想を書きます。

優しい世界観

 なんと言っても、いちばんの魅力は優しさに包まれた世界観です。
 主人公は物言わぬ白狼──アマテラス。
 登場する神々からは慈母と呼ばれ、天照大神が狼の姿を持って顕現しているものと察せられるが、この世界における神の在り方は、今ひとつ分からないので厳密には違うかもしれません。
 人々の信仰によって、神は力を得たり失ったりするので、時代が進んだことで、喋れない狼になったのかもしれません。あるいは喋れない狼であったとしても、受肉し、存在している時点で、他の、すでに姿を失っている神々とは一線を画す神格の違いがあると言えるかもしれません。
 物語の終盤においては、ちょっとSFチックな展開を迎えたりもするのですが、そういう曖昧さも含めて好みの世界観でした
 小説で言うと、森岡浩之の『月と炎の戦記』や『月と闇の戦記』に通じるところもあるかもしれない──と感じました。

難易度は中から低め

 物語や世界観だけでなく、ゲームとしての難易度も中から低めであると感じました。
 シリーズ作では『神々のトライフォース』と『夢をみる島』しか遊んだことがないので、比較として正しいかは分かりませんが、ダンジョン内ではパズル要素も多く『ゼルダの伝説』に近しいなと感じました。
 一部、アクションでは詰まるところもありましたが、全体的に難しすぎるわけでもなく、自由闊達にして変幻自在の筆しらべを充分に楽しませていただきました。

気になった箇所

 ヤマタノオロチを倒す物語だと思っていたので、ヤマタノオロチを倒しても物語が終わらないどころか、振り返ると全体の3分の1程度でしかなかった点は辛かったです。
 セールのタイミングで買ったので意識していませんでしたが、元々はフルプライスの作品ですからね。当時の感覚なら適正プレイ時間は40~80時間でしょうか。
 クリアに要した時間は34時間ほどですから、当時は「短い!」という評価がついたかもしれません。

終わりに

 前々から気になっていたタイトルだったので、ようやく遊び終えることができて良かったです。
 良い雰囲気の世界観に、そこそこの難易度。遊びやすいゲームでした。