1992年にコンパイルからリリースされた『ディスクステーション98 #11』から『ディスクステーション98 #14』にかけて連載された、全4部作のアドベンチャー『rusty』を遊びました。
ProjectEGGから配信されているWin版を遊びました。
ゲームの概要
世界的に麻薬が蔓延し、退廃の一途を辿っている近未来。
プレイヤーは違法薬物取締組織の新人となり、売人グループの捜査を担当します。
ゲームの感想
コンパイルと言えば、ウィットに富んだ、おちゃらけた印象の強いメーカーです。
そんなコンパイルから、こんなハードボイルド感のある近未来SFなんて……? と思いつつ遊び始めましたが、語り口はフランクで安心しました。
コマンド選択式のアドベンチャーゲームなので、いわゆる総当り式なのですが、選ばなければならない選択肢に順番があるのは驚きでした。
まずは、目の前にいるキャラクターを"Look"して、それから"Talk"で話しかけ、相手の返事を"Hear"して、それに対して"Talk"して、自分の返答の反応を"Look"してから、さらに"Talk"というふうに、ちゃんと順番を追わないと進まないのです。
最初は、この仕掛けを理解しておらず、何度"Talk"を押しても、同じセリフしか出てこないので、
バグった……?
と、思わずプレイしつづけるのを止めようとしたくらいです。
最初こそ勝手が分からず、悪戦苦闘しましたが、分かってからは逆に快感で、
この流れだと……次は"Buy"だな……!
と、見抜けるようになり、話がさくさくと進むとそれだけで快感でした。
選択肢の順番が見抜けるようになると、テンポよく進められるようになり面白かったです。
ライトに楽しめるハードボイルド作品。良かったです。
終わりに
これはネタバレかもしれませんが、登場人物の名前は、全員ウィスキーにちなんだものです。
たとえば組織の名前がワイルドターキーなのは、そのまんまですし、ボスのシーバースはシーバスリーガルからでしょう。
有名所が多数でしたが、そんな中、フィッツジェラルドが出てきてくれたのは嬉しかったです。本作が発売された当初は現役でしたが、現在では、残念ながら終売を迎えています。今はもう飲めないウィスキーが、まだ作品のなかでは生きている。こういうの良いですね。