1089『アンダカの怪造学 2 モノクロ・エンジェル』

アンダカの怪造学(2) モノクロ・エンジェル (角川スニーカー文庫)

　やっぱり、日日日の中ではこのシリーズが一番、好き。何て言うか、王道一直線っぷりが堪らないのだ。モンスターを召還して戦う、という分かりやすすぎる設定に、主人公の健気な女の子っぷりと、シリーズの結末までもが見えそうで見えない雰囲気が相まって、これ以上はないというぐらいに王道！！　という感じなのだ。それが本当に好き。
　ただ、今回の不満点は世界の終わりがあまりにも安易に信じられてしまっている点。第四章において、世界の終わりが本当に起こるという確信が読者に与えられているのだが、それまでは「ははは、わしは七日後に世界を滅ぼすぞ」的な科白だけがあるのだ。これはあまりに嘘っぽい。世界の終わりだなんて強烈な出来事には、もう少し説得力を付与させなくては、それを妄信して駆け回る主人公たちが憐れにすら見えてしまう。要精進。
既刊リンク→『1 ネームレス・フェニックス』
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