雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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2003-10-01から1ヶ月間の記事一覧

大塚英志『物語の体操』第3講 方程式でプロットがみるみる作れる

第2講では「英雄神話」にこだわっていましたが、今回はもう少し視野を広げ「クエスト」的な小説のプロットを狙っているようです。色々と前口上が長かったのですが、冒険小説&探偵小説に代表される作品には、共通してみられる行為者モデルというものがあり…

10月30日追記

時刻付き小見出しがあるのに、日時つき小見出しがないのは何故だろう。 さて、一昨日の日記(上記)に関して砂雪氏から反応をいただけたので、それに関して思ったところをちらほらと書こうと思ったのだが、どうもあちらは調子が悪い模様。勿論、そんなことは…

自分は、はてなダイアリーを全然使いこなせていません。各種機能も、キーワードも、リファラも。それを改めて自覚すると共に、使いこなす必要はなんらないのだと強がってみる。 さて、今月の14日に書いたダイアリーに、鋭い突っ込みを入れてくださった砂色…

大塚英志『物語の体操』第2講 どろろを盗作

前回は少し調子に乗って、適当なことを書き散らしてみたがあれは幾らなんでも独善的と言うか、暇空間全力展開読者置いてきぼりなので、今度は少し真面目に書いてみた。 『死色の晴れるとき』秋山真琴 Artifisial intelligence――AI、人工知能。22世紀、走馬…

大塚英志『物語の体操』第2講 どろろを盗作

第2講での課題は、『どろろ』を盗作し「英雄神話」の構造を体験しようというもの。システムとしては『どろろ』という物語があり、ここから物語の表層を取り除き構造だけにしたもの盗作する。実際に盗作する構造よりもさらに単純化したものが、英雄神話の構…

大塚英志『物語の体操』第2講 とりあえず「盗作」してみよう

本文を解説するまでもなく、題名が全てを現している。すなわち――盗作奨励。 「物語」は枝葉末節を取り除き、主要な部分だけを抽象していくと、表面的な違いが消滅し、全く同じ物語になることがあると氏は言う。そして盗作すべき箇所は、やがて消滅してしまう…

引き

手帳にこんな落書きがあった。 引きの訓練。余剰と欠落。伏線は前者。漫画を読んでパターンを探せ。 字が汚いのは慌てていたからか興奮していたからか。なんだかよく分らないのだが、引きについて考えてみよう。 小説の中には、たまに“読ませてくれる”ものが…

大塚英志『物語の体操』カード方式

カードを並べるのが面倒という人は、ポーンさんが作った便利なソフトを使いましょう。 どうでもいいですが、似たようなソフトは自分も作りました。ただ、自分の場合は、スキャナで読み込んだ画像を7枚ランダムに表示して、画像で出力してくれるタイプ。しか…

大塚英志『物語の体操』カード方式

2個目。 『エピタフが贈る言葉』秋山真琴 主人公の名は、カイ。第八堕天狼と呼ばれた大罪人の父親を幼い頃に無くし孤児院で育つ。父が父であったため友人は得られず、シスターからも嫌われた(逆信頼)。痛みを知る人は、優しくなれる。一人きりで遊ぶ彼は…

キセンさんとこから続く、 長くなりすぎたので、他人のコメント欄を荒らすより、自分のとこに書き散らした方が得策だろうと思いこちらに。 話をまとめてみた。清涼院に代表される“人間もキャラクタも描けていない作家”は、人間性を無視し、ただその設定を説…

大塚英志『物語の体操』カードを使ってプロットを作る

折角、作ったので早速やってみた。 主人公の過去現在未来――治療(逆)・幸運(逆)・庇護(逆) 援助者――解放(逆) 敵対者――節度(逆) 結末――調和(逆) 初っ端から6枚全部逆位置。シャッフルに失敗したかなと、残りのカードを見たが他のはいい具合にはバ…

大塚英志『物語の体操』「第一講 本当は誰にでも小説は書けるということ」

1:新人賞に応募しようとしたことがある。 2:「あなたの原稿を本にします」という広告が気になる。 3:小説家養成コースのある専門学校にうっかり入学してしまった。 にもかかわらず、実は一度も小説を書ききったことがない。 氏が言うには、本当は誰に…

大塚英志『物語の体操 みるみる小説が書ける6つのレッスン』

東浩紀氏の『郵便的不安たち#』を探していたら、その一つ下の段にあって、パラパラと捲ってみたら、タロットカードのような図が載っていた。「ああ、そう言えば、昔、黒先輩がこの方法を、教えてくれたな。大塚英志の発案だとは聞いていたが、この本に書い…

斎藤環『戦闘美少女の精神分析』「第3章 海外戦闘美少女事情」

これは面白い。 氏は海外のオタクたちとコンタクトを取ったらしく、その返答を集めているのだが、これがかなり面白い。何て言うか、日頃自分らが認識しているオタクを、外から眺めているような気分だ。面白い点の一つとして、『セーラームーン』の扱いがメチ…

斎藤環『戦闘美少女の精神分析』「第2章 「おたく」からの手紙」

氏の知り合いのオタクによる手記。メイドが登場するゲームとして『殻の中の小鳥』を抑えていたり、『セーラームーン』以降の幼いキャラとして玲音が挙げられていたり。また結構な……。 内容そのものは特になし。オタクの書いた文章を載せているだけ。

斎藤環『戦闘美少女の精神分析』「第1章 「おたく」の精神病理」

オタクとはどういった存在であるかを、再定義・分析。 戦闘美少女に関する記述はほとんどなく、ほとんどがおたくやオタクに関して。その発祥や進化。やおい・ショタ・ロリコン・マニア、そういったものとの関連性など。 東氏以上にずれた発言が散見されたが…

斎藤環『戦闘美少女の精神分析』はじめに

ファウスト発売前、佐藤友哉と滝本竜彦と共に鼎談をやると発表があったとき。自分は氏の名前も、鼎談の読みも知らなかった。まさかその著書を読むことになるだなんて、いや、Jの功績は偉大だなあ、自分にとって。――2人でたいだん、3人でていだん。 アメリ…

伊藤剛『Pity, Sympathy, and People discussing Me』 『網状言論F改』所収

伊藤氏のプレゼンは抜群に面白かった。後記も含め、一字一句逃さずに読ませてもらった。 なんというか、まず文体が良い。凄いフレンドリィと言うか、親しみのある口調で、所々に妙にシニカルな一文も入ってる。たとえば、本当は萌えているのにその事実を認め…

東浩紀『網状言論F改 ポストモダン・オタク・セクシュアリティ』

本書の成り立ちをまったく知らずに図書館にリクエストを出したのは、失敗だったと思っている。どうやら本書は、 「オタクについてネット使って話し合おうぜ! まずは斎藤環の『戦闘美少女の精神分析』についてでも話し合うべ!」→「なんか皆、やる気出ねぇ!…

東浩紀『動物化するポストモダン』

総括――得るところは多かったのではないかと思う。 一番興味深かったのは、第1の疑問点に対する氏なりの回答だ。シミュラークルとデータベースに関する考察は確かに頷かせてもらった。逆に第2の疑問点に対する答えは、今ひとつと言ったあたりか。動物化する…

東浩紀『動物化するポストモダン』 「第3章 超平面性と多重人格」

1 超平面性と過視性と多重人格があるが、どちらも蛇足のよう。今までの論理の補強にはなるけれど、それだけで。どうも未完成に思える。HTMLやネットのあり方、『YU−NO』や多重人格に関する考察など。 どうでもいいが氏のネタバレっぷりはいいね。本…

東浩紀『動物化するポストモダン』 「第2章 データベース的動物」 9 動物の時代

・他者なしに充足する社会 欲求とは特定の対象を持ち、それとの関係で満たされる渇望。つまり、腹が減る→パンを食う→食欲が満たされる。 欲望とは望む対象が与えられても、欠乏が満たされない渇望。つまり、彼女欲しい→彼女できた→彼女見せびらかしたい→他の…

東浩紀『動物化するポストモダン』 「第2章 データベース的動物」 8 解離的な人間

・ウェルメイドな物が足りへの欲求の高まり ウェルメイドとは、well made=よくできた、という意。 『エヴァ』以降、一定時間飽きさせず、適度に感動させ、適度に考えさせるウェルメイドな物語が増えてきた。……これが自分が前述した『ガンパレードマーチ』『…

東浩紀『動物化するポストモダン』 「第2章 データベース的動物」 7 スノビズムと虚構の時代

・ヘーゲル的「歴史の終わり」 第2の疑問に関して。ヘーゲルの主張、割愛。 ・アメリカ的「動物への回帰」と日本的スノビズム ヘーゲル的な歴史の終わりの後には、アメリカ的な「動物への回帰」か、日本的なスノビズムしか残されていない。 ヘーゲル的「人…

東浩紀『動物化するポストモダン』 「第2章 データベース的動物」 6 シミュラークルとデータベース

・シミュラークル論の欠点 第1の疑問に対する解。まず、オタク系文化の表層はシミュラークル(二次創作)に、深層はデータベース(萌え要素リスト)で構成されている。オタクたちは、一見無秩序にシミュラークルを消費しているようだが、そこにデータベース…

東浩紀『動物化するポストモダン』 「第2章 データベース的動物」 5 データベース消費

・個々の作品よりキャラクターの魅力 「萌え」とは80年代に生まれた言葉で、コミック・アニメ・ゲームなどのキャラクター&アイドルに向けられる虚構的な欲望であると一般に言われている。……そうなのか? 誰がそう言ったのか、誰がそう決めたのか。氏自身…

東浩紀『動物化するポストモダン』 「第2章 データベース的動物」 4 萌え要素

・物語とマグカップが同列の商品 オタクにとって存在するのは原作(オリジナル)とその関連商品(コピィ)の区別ではなく、匿名的に作られた設定(深層にあるデータベース)とそれをそれぞれのアーティストが具体化した個々の作品(表層にあるシミュラークル…

久々に読もうと思い、テンションを高めるためにメモに目を通し、本書に面白い記述を発見。 他方で、どちらかといえば犯権威の空気が強いオタクたちには、オタク的な手法以外のものに対する不信感があり、アニメやゲームについてオタク以外の者が論じることそ…