雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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東浩紀『動物化するポストモダン』 「第2章 データベース的動物」 7 スノビズムと虚構の時代

ヘーゲル的「歴史の終わり」
 第2の疑問に関して。ヘーゲルの主張、割愛。
・アメリカ的「動物への回帰」と日本的スノビズム
 ヘーゲル的な歴史の終わりの後には、アメリカ的な「動物への回帰」か、日本的なスノビズムしか残されていない。
 ヘーゲル的「人間」とは与えられた環境を否定しなければならなく、「動物」とは需要と供給に満足し、メディアが要求するままに自分を合わせてしまう。
 スノビズムとは実質的な理由がなくても、与えられた環境を否定する行動様式。スノッブは対立を作りそれを楽しむ。
・オタク系文化が洗練させた日本的スノビズム
 大人のオタクが子供向け番組(戦隊特撮やロボット物)を見るのは、「騙されているのを承知の上で、本気で感動する」ためであり、その感性は実質的な無意味さから、形式的な価値=「趣向」を切り離すことで成立している。そしてこれは、コジェーヴ的なスノビズムの特徴そのものである。
シニシズムに支配された20世紀
 割愛。
・オタクのスノビズムに見られるシニシズム
 割愛。
・理想の時代と虚構の時代
 割愛。
 氏は文章の運び方が上手い、論理マーカの引きやすい書き手。現国の問題で出されたら、かなり高得点が取れそうな。けれどここ数章に限っては、言ってることが難しく、またその例も難解で今ひとつ届かなかった。或いはここらへんは読者の教養の問題ではなく、作者側に問題があるのかもしれない。どうもズレのようなものを感じる。