・ウェルメイドな物が足りへの欲求の高まり
ウェルメイドとは、well made=よくできた、という意。
『エヴァ』以降、一定時間飽きさせず、適度に感動させ、適度に考えさせるウェルメイドな物語が増えてきた。……これが自分が前述した『ガンパレードマーチ』『都市シリーズ』かもしれないね。
・「読む」ゲームがオタク系文化の中心に
ギャルゲーとビジュアルノベルゲームの解説。『弟切草』→『雫』→『痕』→『ToHeart』。
・ノベルゲームで「泣ける」という意味
エロより泣きを重視した『Kanon』と『Air』。
『Air』は泣きゲーとして有名であるが、ヒロインの病や前世の時代など、重要な箇所はすべて曖昧なままに終わっており、ただ設定だけが組み合わせた骨組みだけのゲーム。これは『デ・ジ・キャラット』や清涼院流水と同じく、本来は深いわけでも、泣けるわけでもない。旧来の物語的な迫力や世界観のメッセージはなく、いかに感情を動かし感激させるか。その方程式が応用されているだけ。……『Air』未プレイ者としては何とも言えず、というか“10時間に及ぶプレイ時間”を見て、自分が『Air』をプレイすることは、この先ないような気がしてきた。「大きな物語」でない割に、長すぎじゃーよ!
・より徹底したシミュラークルの制作が可能に
マッドムービーやゲーム移植の話。移植の方は曖昧にごまかされてるけど、『Air』『月姫』『水月』のGB化、NSCRのポータブル化ってとこか?
・小さな物語と大きな非物語がバラバラに共存
これも言い直しっぽいな。要は「大きな物語」を楽しむことなく、リアルに存在する「小さな物語」と萌え要素とかデータベースみたいな「大きな非物語」をバラバラに消費するということ。何度も言い直して具体例を挙げているものの、その度に歪んでゆくような気がする。何処か、詰めの甘さを感じる。