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大塚英志『物語の体操』第2講 どろろを盗作

 第2講での課題は、『どろろ』を盗作し「英雄神話」の構造を体験しようというもの。システムとしては『どろろ』という物語があり、ここから物語の表層を取り除き構造だけにしたもの盗作する。実際に盗作する構造よりもさらに単純化したものが、英雄神話の構造である。最終的にどんな作品からも構造を抜き取るテクニックを身に着ければいい訳だが、ここでは氏が既に抜き取ってくれているのでそれを参考にしようと思う。
A:主人公の父親はその社会・集団の権力者である。
B:主人公は人間として不完全な形・姿で生まれる。
C:何故なら父親が息子の能力を恐れもしくは権力欲から、第3者にその能力を奪わせたのである。
D:主人公は捨てられる。
E:主人公は生まれた場所から遠い場所で世捨て人に育てられる。
F:成長して主人公は自分の血筋を知る。
G:奪われた力を取り戻すために旅に出る。

 要は上記の7項目を根幹に、そこからオリジナリティのあるストーリィを作ればいいわけだ。早速やってみた。

『遠い未来』秋山真琴
 1842年、香港割譲。ワーズワース卿、九竜頭術(クーロンズスペル)を発見。同術を母国に持ち帰った卿はそこで都市化の法を発動、霧の都倫敦を母体に、はじまりの都市――霧霜都市が成立。ロンドン塔を都市核としているため因果率が高く、都民には時間系の能力が付与される。一方、始終、霧に覆われているため空間系の能力が著しく減退される。属性としては神が1位、獣が2位、蛇が最下位。後に都市社会と呼ばれる時代が来るのは2010年代、時代を170年も先駆けたロンドンは与えられた多すぎる知識の混乱の半世紀へ。
 1945年、ルーズヴェルトチャーチルスターリンヤルタ協定を締結。この協定においてルーズヴェルトは日本に対し黒き太陽(ライジングデス)を落とさないことを約束したが、同年8月6日、広島に原子爆弾は落とされ、日本の都道府県は四七の都市に分割、世界初の都市国家である滅亡国家となる。協定を破ったアメリカ合衆国に対しチャーチルは、イギリスが独自に開発していた都市化の法「年代記第1章(大英博物館開発)」「年代記第2章(セントポール大聖堂開発)」「年代記第3章(イングランド銀行開発)」をそれぞれ、ニューヨーク・ペンシルヴァニア・カリフォルニアに対し利用。これによって未完都市、未明都市、未開都市が成立。しかし、仙人が残した九竜頭術や、混沌が忘れていった黒き太陽と異なり、人が作った都市化の法はまだまだ完成度が低く、それらは暴走する。結果、連鎖反応によってアラスカ・ハワイを除く48州が次々と都市化。アメリカ合衆国は日本に続く二つ目の都市国家――未来国家となる。
 都市とは一個の完成した世界であり、自国内に都市を持つと内政が非常に難しく、都市国家にもなると一年中、内乱尽くしになる。現に滅亡国家では既に七つの地方に分かれ、都市同士は交戦していた。自滅を防ぐため未来国家では元州知事現都知事に、それぞれの都市の核と交渉を行ない、自国のコントロールに努めた。
 1961年、民主党ケネディが大統領に就任。ニューフロンティア政策を掲げ、最後に残った未開都市と交渉を終え、カリフォルニアは先端都市と名を変え、未来国家は来夢国家と名を変える。(913文字)

 はい、意味不明ですよ秋山さん。これのどこが『どろろ』の盗作なんですか、「英雄神話」の影も形もありませんよ。やりなおし、再提出。
 ひー、すみませんでした教官! 調子こいちゃいましたー!