今回は久方ぶりに真面目に参加しようと思います。半年の一回のお祭り、ラノサイ杯に!
新規部門
まずは新規部門から。今回は10冊の枠のうちの6冊を新規に、4冊を既存にと振り分けました。
面白かった順に並べようかとも思いましたが、10冊に絞り込むのに頭を使ったので、もうシンプルに刊行順でお願いします。
と言うわけで、1冊目はうえお久光『紫色のクオリア』です。
いや、これは面白かったですよ。中盤以降の怒涛の超展開は、正しく圧巻の出来栄え! 積読崩しの方でも久々に四つ星をつけました。シリーズの完結作でなく、単発の作品で星を四つもつけたのは一年振り……くらい、かもしれません。
- 作者: うえお久光,綱島志朗
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 文庫
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これは衝撃的でした。時々、ライトノベルの皮をまとって、劇薬のような小説が投下されますけれど、本書も正にそんな感じ……と言うか、その毒は致死量と言っても過言ではないくらいでした。秋山が思春期にこれを読んでいたら、十中八九、毒されて再起不能だったでしょう。
- 作者: 十文字青,ま@や
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/07/18
- メディア: 文庫
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『ミステリクロノ』が涙の打ち切りで、その後に出てきた作品はどうかなと思っていたら、これが快心の一作! これですよ、これ。ミステリ読みが久住四季に待っていたのは、この作品だーっ! と言うわけで、感動の傑作なのですが、待てども待てども2作目が出ません。売れてないのだろうか、涙。
- 作者: 久住四季,カツキ
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/08/10
- メディア: 文庫
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『ぷりるん。』と同じく、こちらも一読必殺の劇薬で、ゾクゾクしました。強すぎる毒はひとを殺しますが、その毒に魅入られた読者は死ぬしかないんでしょうかね。はてさて。
- 作者: 十文字青,ま@や
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/09/19
- メディア: 文庫
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こちらは読む予定はなかったのですが、秋山が巡回しているサイトの多くでラノサイ杯に投票しているひとがいて、TwitterでそのことをPostしたところ、まろんさんにお勧めされたので「どれ、味も見ておこう」とばかりに読んでみたら、もうこれが弩ストライク! 面白かったです。
クロノ×セクス×コンプレックス 1 (電撃文庫 か 10-17)
- 作者: 壁井ユカコ,デンソー
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/11/10
- メディア: 文庫
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読み始めて、久々に黒古橋という言葉を思い出しました。完成度の高い武侠小説で、とにかく覇王の無茶苦茶な強さが気に入りました。これで2巻が出てくれれば、言うことないのですがね……。ちなみにメディアワークス文庫は、挿絵がないのがいいですね。口絵をブックカバーの内側に挟み込んでしまえば、電車のなかでも、ひとの目を気にすることなく読めます。
龍盤七朝 ケルベロス 壱 (メディアワークス文庫 ふ 1-1)
- 作者: 古橋秀之,藤城陽
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/12/16
- メディア: 文庫
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既存部門
1冊目は川上稔『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン 2 下』です。
いやあ、もう秋山にとって川上稔は、神にも等しい存在なので、無条件投票ですよ。無条件幸福ですよ(関係ない)。とは言え、今回は至上最厚の厚さを誇るわけで、その意味で貴重な枠のひとつを割いてもいいかなと思わないでもないです。
GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン (2)下 (電撃文庫)
- 作者: 川上稔,さとやす
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/07/10
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最近の秋山のTwitterのPostを見られている方はお分かりでしょうが、もう完全に気に入りました。今なら10大好きなライトノベル作家の2番目にアサウラを挙げてもいいくらいです。半額弁当を巡るアクションも最高ならば、女子校生といちゃつく日常パートも最高なわけです。特に槍水先輩のストッキングには堪りませんね。
ベン・トー〈4〉花火ちらし寿司305円 (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: アサウラ,柴乃櫂人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/07
- メディア: 文庫
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2巻で少しトーンダウンした気がしないでもないこのシリーズですが、3巻では凄まじい勢いで盛り上がっています。と言うか、次の最終巻では大変なことになりますよね? 明言は避けますが、もう大変なことになりますよー! 大変なことになりますよー! ってフラグが四方八方、全力で立っているわけです。4巻が待ち遠しいような、けっして読みたくないような。うううううパチュリー!
- 作者: 林亮介,津雪
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 文庫
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このシリーズ、あまりライトノベル感想サイトの間では読まれていないような気がしますが、いやいや面白いですよ? 目にレンズを入れると対応した悪魔が召喚されるという設定のせかいで、8人の魔神使いが戦いあうという中世ファンタジィ悪魔召喚バトル物。展開それ自体は少年ジャンプの王道を追うのですが、時々、無作為にひとが死んで著者の残酷性が浮き彫りになります。12巻はシリーズの完結編なのですが、11巻に至るまでバッドエンドフラグばかりが立ち並んでいたなか、凄まじい豪腕でグッドエンドへと邁進するのですよ。いやあ、最高に面白いシリーズでした。祝完結! 祝ハッピーエンド!!
- 作者: 六塚光,カズアキ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/11/02
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次点
10冊に含めませんでしたが、どうしても1冊だけ取り上げたいので、紹介させて下さい。谷原秋桜子『手焼き煎餅の密室』です。
このエントリの主旨には関係ないのですが、秋山のなかでは、一応、レーベルによって、その本がライトノベルであるかどうかを区別しています。理由を簡潔に述べると、そのレーベルに書くという著者の意識が、その作品をライトノベルにする、と考えているからです。
で、『手焼き煎餅の密室』ですが、シリーズの1作目及び2作目が富士見ミステリー文庫から出版されたことに加え、キャラクタ小説としての完成度が素晴らしく高いので、是非是非、ライトノベル読みにも読んで貰いたいなと強く願う所存なのです。特にシリーズ4作目の本書は、シリーズの前日譚なので、この巻から読むのも全く問題ありません。超絶に面白いので読んで損はありませんよ! よろしくお願いします!
- 作者: 谷原秋桜子,ミギー
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2009/08/30
- メディア: 文庫
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