雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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2月の読書メーター

読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2197ページ

思春期なアダム (あとみっく文庫 2)思春期なアダム (あとみっく文庫 2)
ややっ、これは面白い。あとみっく文庫だけれど、別にエロの観点でなくとも、ライトノベルや青春の観点でなくとも、ふつうに小説として面白い。何よりも良いな! と感じたのは、蛇眼を入手した主人公が、女の子とえっちした後に(僕のものだ)と暗い独白をするシーン。特別でもなんでもなかった男の子が、せかいの半分を統べる特異な能力を得てしまい、ダークサイドに堕ちつつある雰囲気が実に上手く描けている。これは続きが気になる。彼の前に待ち受ける、暗黒の蜜月も、絶叫するほどの悲劇も、とても楽しみ。
読了日:02月03日 著者:さかき傘
思春期なアダム2 背後をねらう者 (あとみっく文庫)思春期なアダム2 背後をねらう者 (あとみっく文庫)
1巻が実に面白かったので、引き続き2巻に着手。あっという間に読んでしまった。1巻で能力に目覚めた主人公が、その力に呑み込まれるようにして、周囲を呑み込んで行く様が凄まじい。これは、誰か主人公を受け入れて、癒してあげる存在がいなければ、堕落する一方で、怠惰で猥雑な楽園が出来上がるぞ!? 感心したのは、バネイリの意味。動力入り(ばねいり)だとは思わなかった。こういう言葉遊びは好き。それから、あとがきでサブタイトルが「背後をねらう者」だと知って笑ってしまった。これはひどい
読了日:02月04日 著者:さかき傘
“菜々子さん”の戯曲  小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫)“菜々子さん”の戯曲 小悪魔と盤上の12人 (角川スニーカー文庫)
飛び道具で離れ業に挑戦し、その結果、意欲作としか評価できなかった前作と異なり、本作では高校の映画研究部を舞台に、様々な日常の謎を処理しつつ、最後には大きな謎を解き明かすと言う、もはや定番に近い構成。しかし、それ故に安心して楽しむことが出来、純粋に面白かった。「知っているひとは、却って解けない」暗号ネタは秀逸だったけれど、“彼女”の名前が本名でなかったことには、釈然としない。そんな情報、提示されていただろうか?? まあ、しかし、語り手の志向(嗜好?)を考えると、ギリギリでフェアと言えなくもない。
読了日:02月05日 著者:高木 敦史
思春期なアダム3 一人泣きの子猫 (あとみっく文庫)思春期なアダム3 一人泣きの子猫 (あとみっく文庫)
もう、これ完全に堕落悦楽ハーレムルート一直線な気がする。この先、どんな敵が現われても、蛇眼の力で射落とされてしまうとしか思えない。ただ、もうひとりの蛇眼の持ち主だとか、リリスといったキーワードがあるので、もういと波乱あるかも。楽しみ。
読了日:02月05日 著者:さかき傘
傾物語 (講談社BOX)傾物語 (講談社BOX)
八九寺の一人称だったり、全編、暦と八九寺の語りだったら、どうしようかと思っていたら、全編、暦と忍の語りで、どうしてやろうかと思った。しかし、中盤以降の展開には感心した。しかし「八九寺真宵さんだけど」に思わず泣きそうになってやばいなあと思っていたら、忍野メメの手紙に泣かされてしまった。だって、暦、突っ込みにキレがないんだもの。まあ、そうだよね、高校3年生で、異世界に行ったら不安に思うよね。猫物語を読んだとき「シーズン2は救済だ」と思ったけれど、そうではなかった。八九寺は暦よりずっと大人で、既に幸せだった。
読了日:02月13日 著者:西尾 維新
春風桜花(カドカワコミックスA)春風桜花(カドカワコミックスA)
新宿を舞台に異能を持つ女子高生たちがバトルするだけの話。内容は皆無に等しいし、結末も尻切れトンボだけれど、煉瓦さんの描く女の子は相変わらず可愛いし、走ったり飛んだりするシーンの躍動感も好き。読み終えて帯を見たら『子ひつじは迷わない』のコミカライズを担当するとのこと。煉瓦さんでライトノベルミステリと言えば、その昔『ぐるぐる渦巻きの名探偵』という傑作があってですね。あれは、面白かった……。
読了日:02月20日 著者:貴島煉瓦
舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫)
悪くない、むしろ好みと言っても良いだろう。デビュー作となる『アムリタ』が、どちらかと言うとミステリ史の先端を行くような凝ったものだったのに対し、本作は、どちらかと言うと幻想ミステリの部類に入るか。結末のジャーマンは好みが分かれるところだろうが、秋山は嫌いではない。むしろ、こういうのは好きだ。中盤、沢渡母が口にしたあるキーワードに違和感を覚えたのだが、最後まで読んで「誤謬」とも言うべき変換に気づいた。フェアでないなと思うと同時に、あれで良かったのだとも思う。
読了日:02月22日 著者:野崎 まど
ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)
傑作。序盤は時間に空間に人格にと量子的SF要素満載で、しかも、それが息をもつかせぬ怒涛の展開と共に語られるのだから、もはや圧巻などというレベルでもない。超展開の瀑布に窒息死しかねない。しかし、さらにヒートアップするのが後半。JDCトリビュートの『九十九十九』は始まりに過ぎなかったのだと言わんばかりに乱立する名探偵と超推理。幾度となく無理やり感溢れるどんでん返しの最後に待ち受ける非情にして至極真っ当な結末。秋山が読みたかった「「小説」」は、ここにあった! 土下座して中巻を拝読させて頂く。
読了日:02月23日 著者:舞城 王太郎

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