雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

コミティア89に参加してきましたよ

 気分でコミティア89に行って参りました。
 と言っても、14時半までジムで泳いでいたので、国際展示場に到着したのは15時。しかも、当初うっかり東館に行ってしまったので、間違いに気がついて西館に舞い戻ったときには、もう15時10分を過ぎ行こうとしていた頃合でした。制限時間15分といったところで、知人のサークルを気合で回りましたとさ。

ミヤハラさんとこ

 真っ先に向かったのは、宵街UNIONミヤハラさんのところ。以前、TAT-HONで『MAGNETRON』を買ったのですが、これが、もう激烈に面白くて、既刊全買いさせて頂きました。即売会で、ブースにあるもの全て下さいなんて言ったのは、2回目か3回目かもしれません。
 と言うわけで、一気に7冊一気読みです。逐一、感想を書こうとも思ったのですが、1冊に2話〜3話が収録されているので、全部で15話くらいあって大変です。なので、総括として。
 読んでいる間、ずっと感じたのは背徳感です。なにやら読んでいると実に申し訳ない気分になってくるのですよね。ミヤハラさんの名状し難き感情を、不条理の殻に被せながら、しかし効果的に絵に落とし込んでいく手法は、なんだかその身を切り裂きながら漫画を描いているようで、ある種の痛々しさがあるのです。しかし、その痛々しさは、一見、意味の分からない*1なストーリィに覆われ、なんだかスタイリッシュな趣きさえ漂わせています。けれど、全然。全然まったくこれっぽっちも、ほんとはスタイリッシュじゃないように思えて仕方がないのです。この淡白な線の底には、ドロドロとした、人間の、生の、言葉にできない感情が流れているようで、ゾクゾクしました。だって、皮膚を一枚一枚、切り離すようにしながら描いている漫画を、娯楽として読んでしまっているのですから。なんて背徳的な……。
 ミヤハラさんが漫画を描き続ける限り、きっとこれからも買い続けるだろうなと思います。

ベンジャミンさんとこ

 ミヤハラさんのふたつお隣さんが、よだかの記ベンジャミンさんでした。何回か前の即売会から、ベンジャミンさんのブースでは、新刊を1冊ずつ買うようにしています。と言うわけで、今回は『欠陥豚』。
 終盤、思わず「なんと!」と叫んでしまいました。これは、ずるい。いかにも、ずるいです。いや、秋山は、これもう断然抗議ですよ。だって、もうズバズバ読み手の心を切り裂いてくる、これは、しかし、言葉なんですもの。漫画だと思っていれば、対漫画の目で読みますけれど、これは、いかにもずるいです。でも、今までに読んだ、ベンジャミンさんの本では、いちばん面白かったです。

鮭夫さんの

 最後はNUCLEAR PARADISE鮭夫さん。鯖夫でも、鰤夫でもなく、鯱夫、ではなく鮭夫さん。ブースでではなく、打ち上げの飲み会で頂きました。絵がたいへん可愛らしくて、これ、絵を見たひとは、きっとぷあぷあした女の子が描いているに違いないと思いますよ。反則ですよ。
 キュートで味のある絵でありながら、時たまブラックなジョークが混ざりこんだり、ほろりと甘いような苦いような悲しみがあったり、いやはや面白かったです。特に「アスタラビスタ:エピローグ」読み終えてから、ふと思い立って「アスタラビスタ」を読み返すと、コマとコマの間を舞い降りてゆく木の葉や、暗闇に潜む双眸の存在に気がついて、もう涙がぶわっと出ました。面白かったです。

最後に

 合同誌の『少女マンガ』と、小説本は読むのに時間が掛かるので、また、別の機会に。
 ところで、コミティアでマンガを描いているサークルについて。ミヤハラさんのも、ベンジャミンさんのも、鮭夫さんのも、今回、いずれも、激烈に面白かったのですが、商業誌でこういったマンガが読めるかどうかと問われたら首を傾げてしまいそうです。
 別に、絵が下手だとか、作品として劣っているというわけではなく、方向性の問題です。で、秋山は、例えばワンピースみたいな作品も嫌いではないですが、ミヤハラさんの画風の方が、より惹き付けられます。400円でワンピースの新刊を買おうかどうしようかは迷いますが、500円でミヤハラさんの新刊を買うことが出来れば安いものです。
 金銭感覚ってふしぎなものですね。
 次回のコミティアでは、マンガのブースを歩き回って、いろいろ立ち読みしてピンと来たものがあったら、どんどん買ってみたいと思います*2

*1:と言うか意味不明です。

*2:こうして秋山の積同人誌生活が始まるのだった……。