雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

9月の読書メーター

読んだ本の数:12冊
読んだページ数:4229ページ

境界線上のホライゾン3〈中〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)境界線上のホライゾン3〈中〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
色々な意味で他を圧倒している人狼女王。まさかの乳首は電撃文庫初では? まあ、そんなことより、今回はバトルあり、交渉ありで盛り沢山な一冊でありましたな(あ、いつものことでありますか)。特に織田勢は、いい味を出していませんね。非常に強いイメージを漂わせながら、いっこうに姿を現そうとしない魔王に、期待で胸がはちきれそうです(あ、それは人狼女王か)。
読了日:09月02日 著者:川上 稔
ベン・トー  5.5 箸休め~燃えよ狼~ (集英社スーパーダッシュ文庫)ベン・トー 5.5 箸休め~燃えよ狼~ (集英社スーパーダッシュ文庫)
今までの巻の直後のエピソード等、半額弁当に関係しない日常を切り集めたような短編集。ただの弁当を、とんでもなく旨そうに見せかける筆致は健在で、読んでいるととにかくお腹が空いてしまって仕方がない。キャラクタ的には、著莪にフォーカスされているきらいがあって、槍水派の秋山としては、少々、物足りないが、どうやら次巻は槍水祭りであるらしいので、今から楽しみで仕方がない。あと、あせびちゃんの、純粋な可愛さは魔性。
読了日:09月03日 著者:アサウラ
空色パンデミック2 (ファミ通文庫)空色パンデミック2 (ファミ通文庫)
1巻の結末が衝撃的だったので、今回は、どうやって収集をつけるのだろうかという点を、主眼において読み始めた。中盤まではすれ違い青春ラブコメで、後半は怒涛の超展開が待ち受けていて、瀑布の如き意表を突く展開を、波に乗るように読み進めながら、いつしか「まさか2巻でもラスト1ページに衝撃が待ち受けているのだろうか」とドキドキしながら読み進めていった秋山の目に映った、最後の一行とは……全身鳥肌、の一言である。
読了日:09月03日 著者:本田 誠
神と奴隷の誕生構文(シンタックス) (電撃文庫)神と奴隷の誕生構文(シンタックス) (電撃文庫)
けっこうな中二でございました。「歴史を改変する者」に抗うために、群雄割拠していたファンタジィせかいに舞い降りた「若き神」。遠未来、或いは異次元からやってきた彼が、その知識と経験を活かして、あらゆる意味で水準の低い民たちを導くというのが主眼なのだけれど、唐突に挿入されるSF分や神話分が、ファンタジィの定番と絡まりあい、絶妙な「俺の考えた最強物語」を演出しているのだ。いやあ、面白かった。早く続きが読みたい。
読了日:09月04日 著者:宇野 朴人
七花、時跳び!―Time‐Travel at the After School (電撃文庫)七花、時跳び!―Time‐Travel at the After School (電撃文庫)
いつになくポップでライトな久住四季。衒いなくストレートにタイムトラベルを取り扱っており、登場人物を限定し分かりやすくしており、連作短編集として、まとめられており、まさに完璧。山椒は小粒でもピリリと辛いと言ったところか。『トリスタ』や『うぐいす』のような離れ技に挑戦している作品もいいけれど、こういう手堅いのもいいなあ。
読了日:09月04日 著者:久住 四季
ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)ココロコネクト ヒトランダム (ファミ通文庫)
これは、秋山が苦手なタイプの、悪趣味な小説だなあと読み始めは感じた。特に〈ふうせんかずら〉登場の下りで、投げ出そうかと思ったくらい。けれど、123ページの衝撃的な一言から、ガラリと変わった。急に文字がちからを持ち、輝き始めたような感じ。結末は予定調和的だったけれど、感動的で、素晴らしいと思った。でも、2巻は、読めない。人間の心の闇に踏み込むのには、体力を余計に要するから。
読了日:09月05日 著者:庵田 定夏
さくら荘のペットな彼女 (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女 (電撃文庫)
今ひとつであった。すべてを犠牲にしているという自覚もないまま、優先順位の第一位に「描くこと」を据えているのだと知ったときは、ゾクゾクした。パンツも自分では穿けないと言うのは、アホっぽいけれど、サヴァンらしくて悪くない。けれど、中盤以降、急速に天才性が失われ「人間」に近づいていったのを見て、正直に言って、感じたのは失望だった。三鷹仁も皮を剥がせば「人間」だったし。やれやれだ。
読了日:09月05日 著者:鴨志田 一
B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫)B.A.D. 1 繭墨は今日もチョコレートを食べる (ファミ通文庫)
奈須きのこ空の境界』『DDD』があまりに面白かったので、続きが待ち遠しいのですが、なかなか続きが出ないので勝手に書いちゃいました、な作品。5つのエピソードから構成されており、新人のデビュー作で短編連作は珍しいなと思いながら、短編好きとしては喝采。収録作は、いずれも『猿の手』を思わせるもので、繭墨あざかに依頼をするとろくな目に合わない。けれど、繭墨あざかに依頼しなくても、ろくな目に合わないのは自明なので、いずれにせよ手遅れなのである。
読了日:09月12日 著者:綾里けいし
B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない (ファミ通文庫)B.A.D. 2 繭墨はけっして神に祈らない (ファミ通文庫)
前作と異なり「水無瀬家」と「神卸し」を軸に、しっかりと作り上げた連作短編。描いた文字が命を持ち、質量を手に入れる水無瀬家の能力は面白かったし、墨の身体を持つ動物たちが戦うという構図には興奮したけれど、多様性という観点から、前作の方が好みかな。さっくりまとまっていたStory3がいちばん好み。七海もかわいいし。
読了日:09月20日 著者:綾里 けいし
叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)叫びと祈り (ミステリ・フロンティア)
敢えてミステリとして、捉えるならばホワイダニット物。日本における常識が通用しない状況下で繰り広げられる殺人は、理解し難く、本能的に忌避感を禁じえない。特に第4編「叫び」を読み終えて、こんな事件にばかり遭遇して、主人公はよく精神が持つなあと思った。秋山だったら、とっくの昔に吸収しきれずに、決壊してしまっている。だからこそ「祈り」には深い共感と感動を覚えた。素晴らしい。
読了日:09月23日 著者:梓崎 優
ふたりの距離の概算ふたりの距離の概算
米澤穂信の書く青春ミステリに登場する探偵たちは、ことごとくが敗北している。本シリーズも例外ではなく、奉太郎は幾度なく推理に挑み、敗北を喫している。故に、本書の最終ページを読んだとき「ああ、今回もだめだったか」という慨嘆があったが、その少し後に、希望があることに気がついた。奉太郎は歳を取っている。1年から2年になったのだ、やがて3年になり、卒業するだろう。そのとき、彼は見るかもしれない。新たなる地平を。
読了日:09月25日 著者:米澤 穂信
オー!ファーザーオー!ファーザー
非常に上質な冒険小説。秋山がミステリーランドに望んでいたのは、まさにこういう小説だと声高に叫びたくなるくらい親子愛に満ち満ちた小説だった。中盤、主人公が絶望が感じるシーンが特に素晴らしく、鬼気迫る気配を感じた。終盤は、やや駆け足気味かなと思わないでもないが、すべてが丸く収まって、とても快感。主人公は、きっと良い父親になるだろう。
読了日:09月26日 著者:伊坂 幸太郎

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