雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

3月の読書メーター

読んだ本の数:13冊
読んだページ数:2073ページ

ひきこもり探偵おにいちゃんとマコ (バーズコミックス)ひきこもり探偵おにいちゃんとマコ (バーズコミックス)
三軒茶屋のアイヨシさんが絶賛したので読んでみた。これは、良い短編ミステリコミックですね。心の機微を巧みについた構成もさることながら、探偵役のひきこもりが苦悩していると言うのが、また良い。しかし、なんと言っても兄に役割を与えようとする妹の健気さこそ至上。ただ、その健気さから、部屋から出てこようとする兄を「お兄ちゃんはひきこもってなきゃダメー」と部屋に閉じ込めるシーンには鳥肌が立った。これ、考えれば考えるほど奥が深いシーン。果たして依存しているのは誰なのか? まあ、小難しいことはさておき、面白かった。
読了日:03月02日 著者:石田 敦子
ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)
上巻に続き名探偵たちのトンデモ推理合戦が続いたときには唖然とした。唯一、蝶空寺嬉遊の推理が外れ、世界が変わったときには斬新だと感じたものの、九十九十九が現れる頃には、だいぶ食傷していて冗長であるとしか感じなかった。しかし、それだけにディスコが覚醒した場面には思わず手を握った。夜の動物園の場面からずっと感動しっぱなしで、豪速で伏線を回収したり、謎を解き明かしていくのは心から喝采だった。しかし、それ故に反動も大きかった。最後の1ページには、思わず泣きそうになった。下巻もすぐに読むことにする。
読了日:03月10日 著者:舞城 王太郎
狼の口 ヴォルフスムント 1巻 (BEAM COMIX)狼の口 ヴォルフスムント 1巻 (BEAM COMIX)
でるたさんの感想を読んで面白そうと手に取ってみたら、これは酷い作品。第1話を読んで、あんまりにもあんまりな結末に愕然としてしまった。絶望的とも言える展開に耐性がついたはずにもかかわらず、第2話の流れにも、やはり涙を零してしまった。しかし、それだけに第3話の……いや、ネタバレはやめておこう。2巻も読みたい。
読了日:03月11日 著者:久慈光久
アクア・ステップ・アップ 1 (バーズコミックス)アクア・ステップ・アップ 1 (バーズコミックス)
ボードゲームを題材とした漫画。表紙からして時代を感じさせる絵柄だけれど、本編は、もっとそうだった。やや読みづらさを覚えながらも、ボードゲームを前に満面の笑みを浮かべるアクアの快活っぷりに、ついつい読み進めてしまう。2巻も読む。
読了日:03月11日 著者:安田 均,友野 詳
アクア・ステップ・アップ 2 (バーズコミックス)アクア・ステップ・アップ 2 (バーズコミックス)
1巻と比較して、登場人物の描写や背景により注力していて、ボードゲームそれ自体はフォーキャスしていないような印象。1巻を読んだときは『エルフェンランド』や『ミシシッピークィーン』はやってみたいなあ! と思ったけれど、今回は、そうでもなかったかな。
読了日:03月12日 著者:安田 均,友野 詳
クレムリン(2) (モーニングKC)クレムリン(2) (モーニングKC)
なにこの不条理でありながら、何処か、ほっこりしてしまう秘めやかに謎めいた漫画は! タイトルはおろか、話数すら振られていないので、最初の内は、どこで区切りがついたのか分からなかったけれど、中盤から「お、ここから違う話だから、きっと、これが落ちなのだろう」と訓練の成果が発揮され始めた。最高に面白い。
読了日:03月12日 著者:カレー沢 薫
99ハッピーソウル (カドカワコミックスAエース)99ハッピーソウル (カドカワコミックスAエース)
乙一『GOTH』の漫画化でデビューし、『NHKにようこそ!』の漫画化も担当した、大岩ケンヂの完全オリジナル。「設定を活かしきれてないなあ、もったいない」と思いながら読み進めていたら、途中、作者の言葉に「(前略)打ち切り喰ったというより俺が打ち切っちゃったんですよ(中略)編集部(中略)俺の考えは否定され続けました(中略)自分の作品だかなんだか判らなくなって途中放棄しました(後略)」と言うのが、あって軽く泣きそうに。解説に乙一が書いていて、差し入れを持参したら、背景を書かされたという逸話も良いですね。
読了日:03月13日 著者:大岩 ケンヂ
ムーたち(1) (モーニングKC)ムーたち(1) (モーニングKC)
鋭利過ぎるセンス、誰もついてこれない高み。これは、きっと精神を少しずつ病ませながら、きりきりと血を吐きながら描いているのだろうなと類推。どちらかと言うと文字が多い回よりも、少ない、より絵だけで表現しようとしている回の方が好み。河豚の話などは特に好き。リストの回や記憶の回も。ゴッド・ブレス・ユー。
読了日:03月16日 著者:榎本 俊二
ムーたち(2) (モーニングKC)ムーたち(2) (モーニングKC)
1巻が面白かったので、すぐに2巻も。時節柄、関東大震災が来ない理由を証明していた回が、いちばん興味深く読めた。そうか、我々は、負けてしまったのか。後は、フォース自分。サード自分でさえ無理そうなのに、フォース自分とか!!
読了日:03月17日 著者:榎本 俊二
ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)
ああ、最高だった。最高の小説だった。傑作を超える最高傑作、それをさらに超える名作と呼び称えるに相応しい文学史に伝説的な存在として名を残すべき、最高の小説だ。中盤以降の世界観がどんどん、より上位の概念に上書きされては、物語がギアを上げるかのように加速するのに眩暈を覚えた。そして、なによりも素晴らしいのは、やはり、この結末だろう。これは紛れもない人間讃歌。これぞ、小説のあるべき姿であろう。さあ、ハァレルゥヤ! 踊り出せよ、ディスコティック!!
読了日:03月26日 著者:舞城 王太郎
ヴォイニッチホテル 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)ヴォイニッチホテル 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)
最初の内は落ちていることに気づかず、物語と物語がシームレスに繋がっているように感じていたけれど、途中まで読んで「これは連載だった!」と気づいてからは、切れ間に注意して読み進めるようになり「あっ、ここが落ちなんだ!」と発見できたりして、ほくそ笑む感じ。道満晴明の作品にしては、シュールさダークさが抑えられていて、女の子たちが可愛くて、完成度が高い感じ。もっとこのせかいに浸かっていたいなあと思う反面、何事もなかったかのように、2巻が出なくても、きっと違和感を覚えない。
読了日:03月27日 著者:道満 晴明
デイドリームネイション ? (MFコミックス アライブシリーズ)デイドリームネイション ? (MFコミックス アライブシリーズ)
月刊kashmirに応募するために引っ張り出してきた3冊の中から、最初に選んだのは本書。理由は表紙がいいから。今回は喫茶店再興物語。昼間っからお酒を飲んで酔っ払っているネーちゃんが実にいい感じ。kashmirさんは、キリリとした女の子や、状況に流されやすい女の子も上手いけれど、こういうグデンとした美人さんも上手い。後、安定の変態。そして全裸。
読了日:03月27日 著者:kashmir
死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)死なない生徒殺人事件―識別組子とさまよえる不死 (メディアワークス文庫)
素敵なタイトルである。元々は本書を読みたいがゆえに野崎まどを読み始めたのだけれど、ちょっと期待値が高すぎたかもしれません。題材それ自体は非常に関心をそそられるし、例の如く軽妙な会話も健在だけれど、いかんせんワンアイデアに過ぎる気がしてならなかったです。まあ、でも、終局的には好きか嫌いかで、まあ、嫌いではなかった、かな(どっちなんだよ)。
読了日:03月30日 著者:野崎 まど

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