雲上四季

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

名古屋イエサブゲーム会_2013_0809

「秋山さん、金曜夜って空いてますか?」
「空いてますよ」
「ちょっと名古屋に行こうと思うのですが」
「あー、是非是非」
 と言うわけで、けがわさんが名古屋にお見えになりました。
 この日は、ちょうどni-toさんが、イエローサブマリン大須店で毎週金曜夜のゲーム会を開催されていたので一緒に参加してきました。
 ちなみにゲーム会の後、けがわさんと秋山宅にて、深夜まで遊んだので、この日は1日で15作くらい遊びました。以下、怒涛のレポートです。

ペンギンパーティ


(プレイ時間:18分)
 ゲーム会が始まる18時半まで、10分ほどあったので「もしかしたら、誰か来るかも?」という懸念を胸に、まずは軽く遊べるゲームということで、クニツィアの『ペンギンパーティ』。
 らっこさんの左隣という席に座ってしまったのが運の尽きだったのか、徹底的に嫌らしい攻め方をされて、終始しょんぼりという感じでした。写真は、何故か青が4枚も出され、きれいに左右対称にカードが配置され、ni-toさんがマイナス6点、らっこさんがマイナス5点を食らったラウンドです。なかなか、ない場面ですよね。
(けがわさん2点、らっこさん3点、ni-toさん4点、秋山6点)

ロンドン略奪事件


(インスト:8分、プレイ時間15分 x 2回)
 続いては、2013年3月に渋谷のPOQで開催されたクニツィア会において、3位くらいに入った際に賞品として貰ったものの、ずっと遊ぶ機会がなかった『ロンドン略奪事件』。
 クニツィアのゲームだったら、だいたいインストできるけがわさんがいらっしゃったので、お願いしました。
 ストーリーはロンドンで略奪事件が発生し、プレイヤは探偵となって目撃者に聞き込みをするというものですが、なんか、もう「そういうテーマとか、どうでもいいじゃん? って言うか、テーマとシステムが合致してないじゃん?」という、いつものクニツィアでした。
 1回目は、けがわさんに上手いこと嵌められてしょんぼりな結果で「ルールが分かったところで、もう1回、遊びましょう」と提案したものの2回目も結果が振るわず、しょんぼりな結果でした。
 ゲーム自体は、なかなか面白かったので、もう少し遊んでみたいですね。
(1回目:けがわさん25点、らっこさん18点、ni-toさん、秋山11点)
(2回目:けがわさん24点、らっこさん20点、ni-toさん16点、秋山15点)

スプリングフィーバー

 まさかの写真、撮り忘れ……。
(インスト:3分、プレイ時間:13分)
『スモールワールド・アンダーグラウンド』の大箱を横目に、しかし初っ端に『ロンドン略奪事件』を2回も遊んでしまい、時間が削られてしまったので「今日は短めのゲームを、いっぱい遊びましょう」と言うことで、続いてはフリーゼの『スプリングフィーバー』。
『ファブフィブ』みたいなブラフゲームですと聞いていたのですが、なかなか嫌らしいゲームですね。仕掛けるタイミングの見極めが難しく「さすがフリーゼ、ただのブラフゲーじゃねえな」と感じました。
 ちなみに、ここまで、だいたいけがわさんが1位、らっこさん2位、ni-toさん3位、秋山4位という展開です。秋山、弱すぎだろ、おい!!
(けがわさん18点、らっこさん0点、ni-toさん-4点、秋山-15点)

生け花


(プレイ時間:42分)
『ロンドン略奪事件』と一緒に鞄に入れておいたのが、ボザの『花火&生け花』です。
 ドイツ年間ゲーム大賞を受賞して、注目を集めている『花火』を遊ぼうと思っていたのですが、ni-toさんが「『生け花』を遊んでみましょう」と仰るので、こちらをプレイすることに。
 実は『生け花』を遊ぶのは初めてです。けがわさんも、以前に1度だけプレイしただけとのことで、ルールを読みながらインストをしてから遊びました。
 けっこうギャンブル性が高いように感じられましたね。チップを使って、より高い役を作っていくのですが、勝つためには積極的に仕掛けていかなければならない必要性もあって「独走しているni-toさんに追いつくためには、ここで、このカードを引くしかない……!」と挑戦していった結果、カードをめくれどめくれど、そのカードが現れず、ムキになって続けていった結果、大敗した感じです。順当にやっていれば、2位だったはずなんですがね……。
(ni-toさん249点、らっこさん126点、けがわさん117点、秋山8点)

リサイクル


(インスト:2分、プレイ時間:20分)
 最後は21時の閉場に向けて、時間調整も兼ねて気軽に遊べるゲームということで『リサイクル』。
 このゲーム、実は気になっていたゲームのひとつです。けっこうヘビーなゲーマーの方々が、遊んでいるので、きっと奥が深いカードゲームなのだろうと勝手に思っていたのです。実際、遊んでみると、なかなか複雑で、よく出来ていました。
 悪く言うと、雲を掴むような感じで、モヤモヤしているのですが、それはコンセプトがしっかりしていないとか、デザインが悪いという意味でのモヤモヤなのではなく、容易には悟らせない、奥行きがあるという意味でのモヤモヤです。
 もっと遊びたい! と思いました。
(ni-toさん14点、けがわさん、秋山2点、らっこさん0点)

解散

 ここで時間になったので、イエサブを出て、駅まで移動して解散
 短い時間でしたが『ペンギンパーティ』以外は、どれも新しいゲームで、非常に充実した時間でした。
 だが、本番は、むしろ、ここからだと言えましょう……!

ヘックス


(プレイ時間:1回目 2分、2回目 5分)
 ここからは、けがわさんとサシでアブストラクトを遊ぶ、まさに2人用アブストラクトゲーム祭りと言えましょう。
 まずは『ツイクスト』と並んで、2人用アブストラクトの代表格とも言える『ヘックス』です。
 盤上に交互にコマを配置して行って、先に、端から端までを繋いだひとが勝ちというゲーム。基本的には置き方にコツがあって、そのコツを知っていたら必勝できるため、先手必勝のゲームと言えます。2戦やって0勝2敗でした。

コンヘックス


(プレイ時間:1回目 13分、2回目 27分)
 続いては『ヘックス』を複雑にさせたゲーム。
 盤上に交互にコマを置いていって、特定エリアの過半数にコマを置くことが出来ると、道を配置することができ、その道を、端から端まで繋いだプレイヤが勝利するという感じです。勝つためには道を繋げないといけないのですが、その道を配置するのには、まずコマを配置する必要があるという二段階になっているのが面白いです。
 やりたいこととやれることが、直接的に繋がってなく、ちょっと捻って考えなくてはならないというのが非常に良いですね。素晴らしいゲームです。2戦1勝1敗でした。

ミュルス ガリカス


(プレイ時間:20分)
 コマを進めていって、先に相手の陣地に辿り着いたプレイヤが勝利という、シンプルなゲーム。
 プレイ感はぜんぜん異なるのですが、印象的には『チェッカー』に近いですね。いかに上手いこと布陣して、間隙を突くかがポイントのゲームでしょう。けがわさん曰く、だいたい5分くらいで決着がつくそうですが、お互いの思考が親しかったのか、一進一退が続き、最終的には防御にコマを回しすぎて、手数に難のあった秋山が押し負けました。

ロット


(プレイ時間:10分 x 2回)
 3目並べ。ただし、2層構造。
 これも『コンヘックス』と同様に、やりたいこととやれることが繋がっていないゲームですね。勝つためには、2階部分に3目並べないといけないのですが、コマを置くことが出来るのは1階部分だけで、ルールを聞いたときは「わけわからん」と感じました。
 ただ、1回、遊んでみたら、だいぶ見通しが立ちましたね。
 イメージ的には、いかに3目を並べさせて、コマを2階部分に送り込ませて、1階部分を掃除するかがポイントになるゲームでした。非常に面白い方法で頭を、使うことを強要してくる、興味深いゲームでした。2戦1勝1敗でした。

バラ


(プレイ時間:2分 x 4回)
 コンピュータに考えさせて作ったゲーム。という、ちょっと面白い出自を持つゲーム。
 4目並べ。ただし、3目並べたら負け。
 発想は面白いのですが、3つ離れた場所にコマを配置する作戦が、あまりに有効……と言うか、それ以外が有効打になりえず、基本的には相手に3目並べさせるか、4目リーチを2つ同時に作るかの二択かなあという印象です。
 プレイ時間も短いので、何度か連続して遊んで楽しむゲームかもしれません。4戦2勝2敗でした。

ペンタロス


(プレイ時間:3分 x 2回)
 こちらも『ヤバラス』と同じく、コンピュータが作ったゲームだそうです。
 5目並べ。ただし、囲んだら除外。
 3目並べの『ロット』、4目並べの『ヤバラス』と来て、ついに5目並べですが、こちらは『囲碁』の要素が取り入れられていて、自分のコマを、くるりと囲まれたらゲームから除外されてしまうという特徴があります。この特性を活かして、相手のコマを除外し、隙が出来たところで5目並べるというのが基本路線になるかと思います。
 面白いですが、ちょっと冗長かもしれませんね。2戦1勝1敗。

スーザン


(プレイ時間:6分)
 書き忘れていましたが、この、ひとつのコンポーネントで『ヤバラス』『ペンタロス』『スーザン』3種類のゲームが遊べるそうです。
『スーザン』は、かなり変わったゲームで、相手のコマを、くるりと囲んだら勝利というゲームです。ただし、囲むのにあたり、自分のコマだけでなく、相手のコマを使うことも良しとされていて、いかに追い込んだり追い込まなかったりするかという感じのゲームでした。1戦0勝1敗でした。

アマゾン


 アマゾンを舞台に、縦横無尽に駆け巡りながら、毒矢を撃ちあって、戦うゲーム。
 派手なゲームですね。
 あんまり深いことは考えず「えーい!」という感じで、対戦バトルゲームの気分で戦うのが良いのかもしれません。ただ、あんまり考えないでいると、一瞬、考えるの放置した瞬間に、ハメ殺されたりして即死します。2戦0勝2敗。

花火

(プレイ時間:1時間)
 最後はアブストラクトではなく、ボザの『花火』を2人プレイで遊びました。
『花火』が、けっこう好きというけがわさんも2人プレイは初めてとのことで、まずは、あまり情報共有せずに、肩慣らしから始めることにして1戦目。途中、お互いに意図が咬み合わないこともあって、残念ながら15で終了。
 2戦目は、先ほどの反省も活かし、順調に進ませることが出来ましたが、カード運に恵まれず、途中、お互いに1を教え合って、時間稼ぎをしてしまい、結果的にゲーム終了までにカードを出しきることができず18でフィニッシュ。
「夜も遅いですし、次で最後にしましょう」
「分かりました」
 シャッフル。
 配る。
 開示。
 じゃんけん。
「秋山さん、ヒント行きますよ、これが1です」
「……けがわさん」
「なんでしょう?」
「協議終了を提案します」
「えっ。……いいですよ」
「すみません」
 カード回収。
 シャッフル。
 配る。
 開示。
 じゃんけん。
「秋山さん、ヒント行きますよ、これが1です」
「……けがわさん」
「またですか?」
「すみません」
 カード回収。
 シャッフル。
「秋山さん」
「なんでしょう」
「これを最後にしましょう」
「はい」
 配る。
 開示。
 2度の協議終了を経て、涙の3回目。深夜2時、ずっとゲームしていたので、いい加減、集中力が枯渇していましたが「最後」の一言に、神経が研ぎ澄まされていくのが感じられました。
 けがわさんの手元には1が2枚あります。悪くない滑り出しです。
 場に次々と花火が打ち上げられていきます。
 ヒントトークンが、ひとつ、またひとつと失われていきます。
 どんどん、退路が断たれていく気分です。
「秋山さん、ヒントです」
「はい」
「これと、これと、これが青です」
「……はい?」
 意味が分かりません。
 場には青の1が出ています。「これは2です」と言ってくれたら出せます。でも、想像します。もし「これと、これが2です」と言われていたら、きっと出せません。どちらが青の2なのか分からないからです。
 いちばん左の青は、事前に4であるともヒントを貰っています。これを現時点で特定させる必要性はありません。
「ああ、直前に引いてきた、このカードが青の2なんですね。これを打ち上げます」
 ばん!
 青の2!
「よし!」
「素晴らしい」
 けがわさんの手元には、青の3が輝いています。これを打ち上げて貰えれば、次に青の4が打ち上げられます。極めてスムーズです。
 迷いはありません。
 滑らかに。
 一切の不安なく。
 夜空に花火が打ち上げられていきます。
 終盤。
 緑の4、黄色の4、赤の3、黒の3、青の4。
 佳境です。
 秋山の手元には5がふたつ。けがわさんの手元には赤の5があります。
 けがわさんが青の1を捨てます。
 ドロー。
 赤の5。
「打ち上げます……!」
 即断で、いちばん左の5のカードを打ち上げます。
 黄色の5。
 一列、完成です。
 けがわさんが、引いてきたばかりの赤の5の位置を、記憶に刻み付けるように、そっと変えます。
 生まれたヒントトークンを使って、けがわさんに延命して頂きます。
 ヒントを貰い、しかし、それは頭の片隅に留めるだけにして、
「打ち上げます……!」
 再び、いちばん左の5のカードを打ち上げます。
 緑色の5。
 さらに一列、完成します。
 ヒントトークンが降ってきます。
 呼吸が楽になります。
 自分が何をすべきなのか、道が浮かび上がっていきます。
 カードが透けて見え、なにを持っているのか、どの順番で、なにをすればいいのかが見えてきます。
 残り少ない山札、しかし視界は明瞭。
 予定調和的に構築される道筋。
「けがわさん」
「はい」
「ヒントです」
「はい」
「これは、赤です」
「知ってます。……打ち上げます」

 と、言うわけで、ボザの協力ゲーム『花火』2人戦、25点満点の達成です。
 途中、何度か危ない橋を渡りましたが、結果としてライフを、ひとつも消費することなく、見事に25点を達成することに成功しました。
 夜遅くまでおつきあい頂いたけがわさんに深い感謝を。
 そして、秋山先生の次回作にご期待ください。

おわりに

 いろいろ遊びましたが『花火』の25点達成のインパクトが激しすぎて、すべてが、それに持っていかれた感があります。
 遊んだアブストラクトの中では、やはり『コンヘックス』が飛び抜けて面白かったです。『ミュルス ガリカス』も繰り返し遊びたい、良いゲームですね。あまり深いこと考えず、激しくやりあうのが楽しい『アマゾン』も好きです。けがわさんは、まだいっぱい2人用ゲームをお持ちということですので、また機会があれば、他のゲームも遊んでみたいですね。