涸れても枯れない花を咲かせよう、揺れても折れない花を咲かせよう。けして揺るがない信念、折れない決意、刈れない萌芽、狂おしく咲き誇る夏。東から昇る太陽に向けられた、大きな笑顔。歴史と経験とが保証する、確かな強さ、違えない心、紛わない魂。寄り添うように佇む背の高い花。けして受け止めず、受け流す、自然な動作。
ずっと正面に立つのを避けていた。それが格好いいことだと勘違いをしていた、正面からぶつからずに影に躍っていた。他人に嘘を吐き、己にも嘘を吐き、その嘘に騙され、本当のことにしてしまっていた。
口にできない告白。明かせない真意。戻れない道程。
――それだけは勘弁してください。
甘い言葉に笑ってしまう、囁き声に失笑してしまう、自分を振り返る、過去の自分の頭に手を置く、それを愛しく撫で、突き放す訣別。花を枯らせ、強さを捨て、新たな自分へと手を伸ばす。迷うことはない。それが、それだけが。
最果てに揺れる花への道。
