雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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1003『Xの悲劇』

Xの悲劇 (創元推理文庫)

Xの悲劇 (創元推理文庫)

 まだ読んでいなかったのか、第四弾*1。読んだのは宇野利泰訳のハヤカワ文庫版。
 率直に言うと、あまり面白くなかった。ハムレット荘に引きこもるドルリイ・レーンは魅力たっぷりだし、最初の事件までは実に意気揚々と読むことが出来た。一風変わった、使いこなすことが困難な凶器を、犯人はいかにして制御したのか、レーンはそれをいかにして見抜くのか。期待で胸を膨らませたのだが、これがいつまでたっても応えられない。何と言うか、違うのだ。右のパンチが来たから、次は左のパンチだなとこちらは身構えているのに、右のパンチばかりが執拗に繰り返されるために、中弛みしてしまう。終盤の解決編も大好きだが、そうなると余計に真ん中の数百ページが浮いてしまう。いずれ再読、残念。

*1:第三弾は『モルグ街』