雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

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ダークナイト・トリロジー2作目『ダークナイト』の感想(ネタバレあり)

 クリストファー・ノーラン監督による『バットマン』のリブート映画、ダークナイト3部作の2作目、その名も『ダークナイト』を観ました。
 傑作……ではないでしょうか。
 心の底から震える、傑作中の傑作だと感じました。

ダークナイト (吹替版)

ダークナイト (吹替版)

ジョーカーという狂気

 とにかくヴィランのジョーカーが、ヤバすぎます
 なんか下手な化粧でピエロみたいな見た目のおっさん。爆弾の使い手ということで、時限爆弾をはじめ、様々な爆弾を使いこなしはしますが、その力量は、あくまで人間の範疇。これといった怪人的能力は有しませんし、莫大な金銭を投じたオーバーテクノロジー的な何かを持っているわけではありません。
 にも関わらず、ひしひしと伝わってくるヤバさ!
 なんですかね?
 狂気的と言うか、病んでいると言うか、ほんとうのほんとうに、本質からして悪なんだなあと感じました

正義の失墜による悪の成就

 ハービー・デントという甘いマスクの検事が、レイチェルの死後、悪堕ちしたのには驚きました。
 だって、それまで高潔と言うか、正直に過ぎると言うか、そこに地雷があろうとも正義の心で踏み抜く! みたいな感じの人間が、いともあっさりとコイントスの結果で殺すかどうかを決めるマジでヤバイ狂人になるとか、度肝を抜かれますよ。
 正直、彼が初めて殺人に手を染めたときは、目を疑いました。
「え、なにかの間違いなんじゃないの?」
 とね。
 そして、彼をそこに追いやったのがジョーカーのやり口で分かったときには、鳥肌が立ちましたね。真の悪とはこのことですよ。正義を失墜させ、狂気を感染させる

アンチヒーロー・暗黒の騎士

 トゥーフェイスの殺人の罪を被り、警察に追われる身となったバットマンを見送り、ゴードンが「彼はヒーローじゃない。沈黙の守護者。我々の監視者。暗黒の騎士だ」と言って、映画が終わった瞬間、自分の壮絶な勘違いを悟ると同時に、背筋が凍りました。
 いやあ、お恥ずかしいことこの上ないのですが、ずっとタイトルの『ダークナイト』を「深い夜」だと思っていたのです
 だって、ハービー・デントだって言ってたじゃないですか。
「夜明け前が最も暗い。約束します。夜明けは来ます」と。
 犯罪都市ゴッサムシティの現在の状況こそが深い夜で、このダークナイト・トリロジー3部作によって夜明けが訪れる。そういう話だと思っていたのです。
 落ち着いて、英語タイトルをちゃんと見返したら『The Dark Knight』と書いてありましたし……いやはや、やられました。

終わりに

 しっかし、ジョーカーは、マジでヤバいやつですね。
 超人的能力を、なにひとつ持っていないのに、ここまで悪をなせるというのが、とにかく飛び抜けてヤバいです。
 今までに観た全映画のなかでベスト10に入る傑作でした
 次はいよいよ3部作最後のひとつ『ダークナイト ライジング』。バットマンの物語が、どういう結末に至るのか、楽しみです。