- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/05/01
- メディア: 文庫
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相変わらずのぶつ切り短文と断章構成だが、前作である程度だが慣れているので、すんなり入っていくことができた。後半の二篇は、ドラマ化に間に合わなかったのか、自分の知らないストーリィだった。特に「水のなかの目」は素晴らしかった。これまで散々、リアリティを説いておきながら、今ひとつ現実感に薄かった作品群の中で、この一篇に含まれる死の味は鮮烈で凄惨。取り扱っている事件の性質も、現実にあったものに即しているし、問題点への指摘もしっかりとしていた。