- 作者: 森谷明子
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 単行本
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東京創元社らしい、連作短編という形式を取っているのだけれど、人間の心の闇を抉るように描いているわけでも、最後まで読むと実は長編小説だったというわけでもなく、慎ましく、基本に忠実な作品だった。図書館が舞台というのも好印象。かつて図書館でバイトしていた秋山は、書店よりも図書館が好きで、特に本書の舞台になっている図書館は、地方の来訪者の少ない図書館で、その静けさが実に丁寧にさりげなく描かれていたように思う。
続きが読みたいと思わせてくれる作品だった。