雲上四季〜謎ときどきボドゲ〜

本と涙と謎解きと、愛しさと切なさとボードゲームと

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 素敵な日常の謎でした。
 東京創元社らしい、連作短編という形式を取っているのだけれど、人間の心の闇を抉るように描いているわけでも、最後まで読むと実は長編小説だったというわけでもなく、慎ましく、基本に忠実な作品だった。図書館が舞台というのも好印象。かつて図書館でバイトしていた秋山は、書店よりも図書館が好きで、特に本書の舞台になっている図書館は、地方の来訪者の少ない図書館で、その静けさが実に丁寧にさりげなく描かれていたように思う。
 続きが読みたいと思わせてくれる作品だった。